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【番外編】クジラに会いに行こう!

クジラを見たい

 クジラに会いたい。6月頃からこの想いはふつふつと強くなって行きました。私はクジラが昔から特に理由はなく好きで、動物でいったら犬の次くらいに好きかもしれません。あの黒々とした大きな体で青くて広い海を悠々と泳ぐ姿が何とも憧れます。
 イラストのポストカードなどは多く持っていますが、そう言えば好きと言いつつ実物のグジラを見たことがないことに気がつきました。クジラ好きと言いながら実物のグジラを見たことがないのは真のクジラ好きとは言えないのでは……?と疑問に思い8月のお盆休みを使って早速行動に移すことにしました。

クジラってどこで見れるの?

 そもそも日本でクジラを見ることはできるのか。ホエールウォッチングで調べてみると、北海道から和歌山県、島根県、高知県、沖縄県などで野生のクジラを見られることがわかりました。さらに調べてみると和歌山県の太地には太地町立くじらの博物館が存在することを知り和歌山県に向かうことを決めました。くじらの博物館とホエールウォッチングの二本立てでクジラを満喫しようと思ったのです。そうと決まればまずはホエールウォッチングの予約から。ガイドマップに載っていたところへ電話をし、予約を取りました。受付の方に「どのくらいの確率で見れるんですか?」とこれから見に行くのに失礼な質問をしてしまったのですが、「自然現象ですからねぇ。今日はクジラさん見れましたよ。船の操縦する人もプロですので、なるべくクジラさんの多い所へ行ってくれます。」と呆れられることもなく丁寧に答えて頂きました。当日の天候で出航しない場合もあるので前日の午後に連絡がほしいと告げられ無事にホエールウォッチングの予約は完了。次はくじらの博物館の前売りチケットがないか確認してみたところ当日券のみでした。次は和歌山県までの道のりとホテルです。これがかなり苦戦しました。まず南紀空港に到着してもくじらの博物館まで約3時間、夜行バスも太地に到着のものはなく、近くの駅に止まってくれても、太地に向かう電車が2時間後などルートが限られ過ぎていました。またひとり旅なのでビジネスホテルを探していたんですが、そもそも太地にホテル自体が無い。手前の勝浦で探すことにしましたがそれでもビジネスホテルは少なく、お盆休み期間でもあったので全て満室なところが多かったです。半泣きになりながら何とか見つけた旅館は素泊まりでも数万円かかるところ……。四の五の言ってられないので予約し確保。移動手段は行きは夜行バスにしました。なんとかプランが整ったところでいざ出発です!

クジラの豆知識

 クジラとイルカの違いってわかりますか?分類上クジラとイルカは同じ生き物なんです。鯨類の中で体長4m以下がイルカ、4m以上がクジラと呼ばれることが多いそうです。

太地町立くじらの博物館

 コビレゴンドウ、ハナゴンドウ、オキゴンドウ、カズハゴンドウ、カマイルカ、スジイルカ、バンドウイルカ、マダライルカ、シワハイルカなど約9種類のクジラとイルカかに出会えるくじらの博物館。自然の入江を仕切って作られた自然プールがあるからこその飼育だと思います。
 着いたらまずはいちばんやってみたかったカヤックアドベンチャーへ。料金は入場料と別で1000円。自分でカヤックに乗って、クジラ、イルカの近くに行くことができます。ライフジャケットを着てエサの魚が入ったちっちゃなバケツを持って準備完了です。

ワクワク

 カヤックに乗って進んだ瞬間、早速イルカたちが来てくれました。かわいくてずーと写真を撮っていると早くくれと言わんばかりに体当たりをして、カヤックを揺らします。そして空からはトンビたちが魚を狙って飛んでくるという想像以上にゆっくりあげてる場合ではなかったです。

近い!かわいい!
写真ばっかり撮ってたら水をかけられました。

 もう少しで魚も終わる頃、クジラを見ていないことに気がつき探すこと数分、想いが届いたのかひっそりと海から上がってきてくれました。特徴的におそらくコビレゴンドウだと思います。イルカ、クジラをこんなに間近に見れるなんて、感動の瞬間でした。

笑ってるように見える

 カヤックから降りる頃にはイルカにかけられた水で服がびちょびちょに濡れていました。晴れてて良かったです。

迫力満点!クジラショー

 オキゴンドウ、コビレゴンドウ、ハナゴンドウの3種類のゴンドウクジラたちが繰り広げる大迫力のショー。自然の海も背景にあり気持ちも良いです。
 正直、最初の想像はちょっとジャンプしたり、くるくる回ったりして終わりかなと思っていたんですが、全然違いました。まずはオキゴンドウの大迫力のジャンプ兼ボールタッチから始まりコビレゴンドウ、ハナゴンドウの高いジャンプに続いてきます。まさかイルカと同じようなショーが見れると思っていなかったので大興奮。しかもクジラだけのショーというクジラ好きにはたまらない贅沢な時間を過ごせました。

結構な高さで飛ぶオキゴンドウ
フォルムが綺麗なコビレゴンドウ
一つ一つの模様が華やかなハナゴンドウ

 私の推しはオキゴンドウのキースになりました。黒い体に優しい瞳、大きな口の中には小さな歯が規則正しく並んでいます。その大きく長い身体の特徴からキュウリゴンドウという別名があるのだそうです。どちらかというと長なすって感じがしました。

人と並ぶとその大きさと長さが分かりやすいです

 ショーの最後はオキゴンドウとハナゴンドウの2匹によるコンビネーションジャンプ。機会があれば皆さんもここ、くじらの博物館でしか見られないショーをぜひ見に行ってください。

最後の最後まで迫力満点

海洋水族館 マリナリュウム

 水族館施設の大水槽には3種類の小型の鯨類となんと珍しいアルビノのバンドウイルカが見ることができます。アルビノは遺伝子の異常でメラニン色素を作ることができません。紫外線に弱く、視力が弱いなどアルビノには多くのハンディがあるため自然界では生存率は低く、飼育例は世界でも2例目だそうです。

雪みたいに真っ白
すごく人懐っこかったです

 また、種類は別々でも仲良く泳いでいる姿は微笑ましかったです。

仲良く並んでました
この子はフープで遊んでました

ふれあい浅橋

 自然プールの中ほどに位置する浅橋では海を泳ぐイルカやクジラたちを目の前で観察することができます。また300円で餌さあげ体験もできます。餌を持っていると直ぐ近くまで来てくれるのでおすすめです。
 ここからは近くに来てくれたゴンドウクジラたちの写真です。

 どの子もほんとにかわいいです……。そしてここでは世界初確認の白変個体の白いハナゴンドウが見られます。ほんのりピンク色でかわいいですよね。白変個体はアルビノとは遺伝子的に全く異なり、色素の減少により白化した個体になります。例をあげるとホワイトタイガーがいちばん身近なのではないでしょうか。

存在感が凄い

イルカショープール

 くじらの博物館ではクジラのショーだけでなくもちろんイルカショーも見ることができます。まずは真ん中のプールでカマイルカのパフォーマンス。とにかくスピード感とジャンプの高さが凄いです。楽しそうに跳び跳ねる姿は生き生きとしていました。

3匹で綺麗にジャンプ
尾びれピン!

 そして、ここでもくじらの博物館の凄いところ、日本初のスジイルカの飼育に成功し、パフォーマンスも見せてくれました。スジイルカは神経質な性格で飼育がとても難しいのだそう。徹底した飼育管理がここでも伺えました。

スジの入り方が綺麗
2匹でくるくる

 さて、ここで残念なお知らせが。イルカショーも終わりそろそろかなとホエールウォッチングに電話したところ、台風の影響で天気が不安定のため、ホエールウォッチングは中止に。この時は知らなかったんですが台風がかなり近付いて来てたみたいです。無理に出航して事故に遭うよりはいいかなと気持ちを切り替えました。

博物館本館

 最後はお土産兼博物館本館へ。博物館は1階から3階で構成されています。1階は大ホール、2階は生物学的にみたクジラ、3階は人とクジラとの関わりと階数によってテーマが別れています。
 1階に入ると迫力満点なクジラやシャチなどの実物全身骨格標本がお出迎えしてくれました。

一気に博物館味が増しました

 2階には私の好きなホルマリン漬けがたくさん並んでました。やっぱり実物でみる臓器などは説得力がありますね。

学校の理科室みたいです
ホルマリン漬けがなぜか昔から好きなんですよね

 3階には太地の人々とクジラがどのように関わってきたのか。400年以上にわたってクジラと深く関わってきた資料を展示しています。漁で捕獲したクジラは余すことなく使ってきた歴史をみると人々の生活には欠かせない貴重な存在だったのだなと感じました。
 そろそろ閉館時間も近付いてきたため、シロナガスクジラの骨格標本に別れを告げて巡回バスのバス停に向かうことにしました。またいつか行ってみたいです。ホエールウォッチングのリベンジもしたいですしね。

バイバーイ

今回行った水族館は
施設名:太地町立くじらの博物館
住所:〒649-5171
 和歌山県東牟婁郡太地町太地2934−2
開館時間:8:30~17:00
入館料:1500円(一般)

参考資料
『水族館めぐり』 G.B.出版社
『#水族館に行こう 』 JTBパブリッシング出版社
太地町立くじらの博物館公式サイト

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