労働生産性向上のために考え方を変える
こんちは!副業社労士まさゆきです
日本の労働生産性低迷が問題になっています。OECD加盟国中29位(2021年)、日米比較では格差は拡大しています。原因は何なのか?色々調べてみました。
《日本の問題点は付加価値労働生産性の低さ》
労働生産性は厳密には「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」に分けられるそうです。
グラフを見ると、意外な事に日本は物的労働生産性では米国に次ぐ伸びを示しており、他の先進国を上回っています。他方、付加価値労働生産性では後れを取っている。労働生産性は付加価値労働生産性の事を指し、物的労働生産性は一般的ではありません。
データから日本企業の「売上第一、利益はその次」の姿勢が見えます。低成長が続いているのに、高度経済成長期と変わらず売上に拘り利益に重点を置かなかった結果が付加価値労働生産性低迷に繋がったと私は思います。「低成長期=需要低迷」環境下で売上に拘れば低価格となり利益を圧迫する…当たり前の理屈です。
そして、売上から利益に重点を置くなら、投資対象は「製造設備への投資」ではなく、「DX」「人材」への投資でしょう。
《小売業の労働生産性の低い原因》
日米比較でどの産業の労働生産性が低いのか?「卸売業・小売業」に問題があるようです。
2015年のデータです。「卸売業・小売業」の日米格差は31.5と大きく、労働生産性格差全体に影響を与えています。
格差の原因は家族経営商店の多さです。経営規模と労働生産性は相関しますが、観光立国には魅力的個性的な店舗が必要です。店舗規模の拡大が没個性に繋がり店舗の個性を殺すかもしれません。
もう一点、大規模チェーン店でも差は小さいが日本は米国に劣っています。この原因は?と考える中「AI流通革命3.0(大久保恒夫著、ビジネス社出版)」を読みました。
著者はイトーヨーカ堂に入社し成城石井・セブン&アイホールディングスで経営に携わった経験の持ち主、曰く、チェーンストア業界の問題は
「日本の小売業は店頭の人材を『作業員』にしてしまった。…求められるのは正確性と作業のスピード…(店舗は)本部からのさまざまな指示に忙殺され、独自の創意工夫を盛り込む余地はほとんど無かった」
本部指示に一斉に倣う…製造現場では効率向上に繋がり利益を生みますが、サービス業、それも店舗でユーザーニーズを捉えることに繋がるでしょうか?Bクラスに終わった巨人ファンと日本一に湧く阪神ファンが同じものを買うか?店舗に権限委譲しユーザーニーズを捉える、考え方を変えるべきだと思います。
《小売りの失地回復にはAI革命が鍵》
大久保恒夫氏は「AI流通革命3.0」で「これからは店舗が『品揃えや陳列の主導権を握り』『顧客ニーズの仮説の検証の場になり』『集客・ブランディングの拠点に』ならなければいけない」と小売業が向かうべき方向を示しています。
「AI導入には資金が必要で家族経営商店には無理、やはりある程度の規模が必要ではないか」との見方もありますが、工夫次第では。観光地なら、市町村が街全体をAI化する資金を出し観光客のデータを収集すればいい。商店街単位でやるのもいいでしょう。要は考え方です。
《女性ユーチューバーを取締役に;ワークマンの試み》
ワークマンの社外取締役に女性ユーチューバーが就任しました。ワークマン商品をユーチューブで紹介した事がきっかけで「ワークマンのアンバサダー第1号」となり、ユーザー視点で商品開発に参画し「ワークマン女子」を生み出しました。商品開発の軸をユーザー視点に置くワークマンの考え方に魅力を感じます。
考え方を変えるだけで労働生産性は上がるのではなでしょうか?
ではまた次回。
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