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週休2日制のややこしさ

こんちは!副業社労士まさゆきです
GWが終わりました。会社が週休2日なら、3日間有給を取り10連休の方も多かったでしょう。
日本で週休2日制の会社は83.5%(厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」)です。他方、労働基準法は「休みは週1日=法定休日」と定め、法定休日の労働は+35%の割増賃金を求めています。法定休日が何曜か規定されていません。
「週2日制の会社がほとんどなのに法定休日は週1日」と、「法定休日を法が何曜日か規定していない」点が「ややこしさ」を生んでいます。

《「週1日の休日は日曜」の始まり》
「週1日の休日は日曜」は、キリスト教で毎週日曜に教会で礼拝したことから始まります。4世紀、ローマ帝国は日曜を休日とし、休業するよう皇帝が命じました。
日本は明治時代「神武天皇即位が日曜」を根拠に休日としましたが、欧米との関係が深まる中、休日も欧米に合わせたのが実情です。

1947年、労働基準法が制定されました。「法定休日は週1日」となりましたが「日曜が法定休日」と定めませんでした。「神武天皇即位日」という理屈がGHQに嫌われたのでしょうか。法定休日は会社の就業規則に委ねられています。

《週休2日制の拡がり》
週休2日制を求める運動は1840年代イギリスで始まりました。労働組合は「土曜の午後を“理性的なレクリエーションに充てる”ため休日にする」ロビー活動を推進します。
急成長していたレジャー産業はビジネスチャンスと見てキャンペーンを開始。「土曜午後から田舎に帰省する割引切符」も登場しましたが、効果的だったのは1890年代「土曜午後にサッカーの試合を開催する」決定だったそうです。「土曜夜はサッカーを楽しむ」欧州文化の始まりです。

日本の週休2日制は1965年、松下電器産業(現パナソニック)松下幸之助の号令から生まれました。「良い人材を確保するには良い労働条件を」他の企業に広まったのは1980年頃です。
松下幸之助は「生産性向上のためには週休2日制が必要」との考え方で、労働者に「週休2日にして1日は休養、1日は生産性向上の為勉強を」と求めたそうです。

《週休2日制と“完全週休2日制“の違い》
週休2日制を採用する会社は83.5%ですが、完全週休2日制を採用する会社は48.4%(厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」)、「土日は休みだが、土曜出勤の場合有」の会社が約35%です。

《土曜日出勤の割増賃金率は?》
「土曜出勤」の場合の割増賃金は?労働基準法上は「時間外労働(1日8時間以上、週40時間以上)の割増賃金+25%、「法定休日は割増賃金+35%」です。就業規則の法定休日が、土曜か日曜かで割増賃金が変わります。ややこしいですね。

就業規則で法定休日を定めている会社は少ないよう思います。定めがない場合「週の休日の内、最後の休日が法定休日」です。日本の1週間は日曜に始まり土曜に終わるので、就業規則で法定休日を定めなければ土曜は法定休日、割増賃金は+35%です。「土曜の割増賃金が日曜より高い」私は感覚的に馴染めませんが、皆さんは如何ですか?ややこしいですね。
最も「面倒なので会社休日の割増賃金は一律+35%」の会社が多いようです。ややこしいからですかね。

《平日労働時間7時間の勧め》
「人材確保の為週休2日制を謳いたいが月何回か土曜出勤が必要、でも残業代は払いたくない」そんな都合の良い方法は…無くはありません。法定休日を日曜と定め1日の勤務時間を7時間にするのです。
労働基準法上「1日8時間、週40時間を超えると割増賃金(+25%)が必要」です。平日8時間勤務にすると土曜は残業代+25%が必要です。
「平日7時間勤務」なら7時間×5日=35時間で5時間余分があり、これを土曜勤務に充てれば残業代は不要です。

会社には割増賃金削減のメリットがあります。
労働者の立場ではどうでしょう?土曜出勤が必須ならば平日の時短(8時間⇒7時間)を取る、給与が維持されれば悪い話ではない。
平日終業時間17時には、子育て世代の「保育園等お迎えの時間に余裕が出来る」メリットがあります。フレックスタイム(8時~16時、10時から18時の勤務を認める)を導入すれば、子育て世代になお良い。人材確保の良案です。

「平日7時間勤務だと仕事が終わらない」本当ですか?ムダな仕事を減らすチャンスでは?よく話合っては下さい

ではまた次回


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