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実績ありきの世の中で

たいていの人は何者でもないわけだけど、世界をもっと狭めて考えれば、誰でも有名人になれる可能性はある。

会社の中だったり、業界の中だったり、コミュニティの中だったりと。

僕自身、自分が住む業界内ではそれなりに知名度のある人間である。

ただ、世の中的には、全く何者でもない。そればかりか、自分のすぐ隣にある業界においても、知名度はほぼゼロ。

よって、新しい世界に出ていったり、新地平を切り開こうとした時には、まるで初めましてという形で自己紹介をしなくてはならない。

けれど、その新しい世界において知名度が無かったとしても、別の世界で積み上げてきた実績を示すことは有効であると思う。

それまでの会社での肩書は意味を成さないと思うが、自分が取り組んできたことをきちんと説明することで、きっと新しい世界でも信用をしてもらえるんではないかと考えている。

ところが、逆に実績と呼べるものが無かった場合に、その人のことをいきなり信用してもらえるだろうか。

人間性のアピールは大事だが、目に見えない人柄を口頭で説明しても、それをすぐに好意的に受け止めてくれる人がどれだけいるのだろうか。


おおよそ仕事の話に集約してしまうけれど、僕はやはり実績をきちんと積み上げることが大事だと思う。

実績はその人固有の「名刺」となる。それは、会社に与えられた肩書が載った名刺とは、全く異なるものである。


そこで問題となってくるのは、実績の積み方だろう。

目の前の仕事に注力するのは当然として、それを他者からも見えるように、積み上げたものを提示できなくては意味が無い。

デザイナーだったら、作品や商品を提示すれば事足りる。キャリア何年という数字を示すのも手かもしれない。もしくは、自分のことを高く評価してくれる有名人の口を借りるパターンもある。

ただ、全てにおいて重要なのは、積み上げた実績を、きちんと言葉にして説明できるかどうかなのではないだろうか。

例えば僕の場合は、「エンタメコンテンツの業界に25年いました」が、一応の実績になるが、それではちょっと弱い。どういう形で25年を過ごしてきたかが、説得力を増すことになる。

だから僕は、「エンタメコンテンツを世の中に送り届ける仕事に25年間費やしてきました」と説明するようにしている。具体的に「500種の商品を世に出すお手伝いをしてきました」と付け加えると、ますます信用度は上がっていく。


着実に自分の目の前の仕事をこなすこと。そして仕事内容を目に見える形に提示すること。その両面が揃ってはじめて、実績ありきの世の中で食っていけるのだと思うのである。



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