見出し画像

藤子・F・不二雄先生、生誕90周年企画が続々発表!

2023年12月1日、我らが藤子・F・不二雄先生が、生誕90周年を迎える。

節目の年である今年は、様々な企画が出てくるんだろうと思っていたが、目立ったものとしては、今春に放送した「SF短編」の実写映像化と、それに合わせた書籍企画の「藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス」の刊行くらいであった。

しかし、偉い人たちは考えてくれておりました。本日都内(恵比寿)で行われた「藤子・F・不二雄 生誕90周年企画発表会」にて、ドドドーんと多岐にわたる企画が解禁となった。

本稿では、速報ということで、本日明らかになった情報を整理して感想を述べておきたい。


① 27年ぶりの新作アニメ「T・Pぼん」の配信決定!

まず最初に語るべきは、藤子F先生のライフワークだった「T・Pぼん」が、初めてシリーズとしてアニメ化されるニュースだろう。2024年にNETFLIXにて独占配信されるとのこと。

「T・Pぼん」は、80年代に一度スペシャルアニメ化されているが、原作は全36作発表されているので、ほとんどが手付かずの作品が残されている。

告知の映像から想像する限りでは、ファーストシーズンとして、並平凡がT・Pの先輩リームの見習いとして活躍する「第一部」を、セカンドシーズンで一人立ちした「第二部」「第三部」をアニメ化するのではないかと想像される。

「T・Pぼん」は、一作一作が入念な下調べを経て描かれた力のある作品ばかりで、藤子Fノートでも全話の解説をしようと挑戦中である。是非、このアニメ化発表を機に、原作未読の方はお読みいただき、ここのnoteの感想を読んで反芻してもらえばと思う。


② コミック新刊『ドラえもんプラス』7巻+『ドラミちゃん』が発売

『ドラえもんプラス』は、「てんとう虫コミックス」全45巻に未収録の作品ばかりを集めた番外編のコミックシリーズで、これまで全6巻が刊行され、全124作品が収録されている。

しかし、単行本未収録作品はまだまだ残されており、手元の資料だとまだ251本の短編がコミック化されていない。「プラス」シリーズは、まだまだ刊行できる余地が大いに残されていると言えるだろう。

ちなみに「ドラえもん」には、もう一つの番外編コミックシリーズ「カラー作品集」もあり、こちらは「幼稚園」などの低年齢層に向けた単行本未収録作品を集めているが、こちらもまだ続刊が作られてもおかしくない。

『ドラミちゃん』は、ドラミちゃんが登場する作品を集めるということだが、脇役出演の作品まで含まれるかは不明。

もともと「ドラミちゃん」は、1974年に「小学館BOOK」などの雑誌で、「ドラえもん」のスピンオフとして連載されていた時代がある。

スケールの大きい作品が多く、「大長編」のタネになりそうな傑作ばかりだったが、てんとう虫コミックスの「ドラえもん」に収録するにあたり、改訂が加えられたという経緯がある。

今回のコミックが、どちらのバージョンを収録するのかも少し気になる所である。発表によれば作品解説も付くということなので、凝った内容の本になるのかも知れない。

これら2冊の新刊は生誕日の12月1日に刊行される。


③『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』公開日決定&特報映像解禁

「映画ドラえもん」シリーズ第43弾となる「のび太の地球交響楽」が、来年3月1日に公開日が決定。

特報映像では、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲に乗せて(時々のび太が変な音を出すが)、ドラえもんたちが楽器を奏でるシーンが描かれ、これまでの大長編にはないノリがある。

さらにいかにも重要そうな女の子が登場するが、これは物語の鍵を握る歌姫ミーナという役柄だそうで、芳根京子さんがゲスト声優として演じるそう。

まだお話の全貌が全く見えておらず、類似作の見当もつかないことから、どんな映画が待ち受けているのか非常に期待するところである。


④ 新作ゲームタイトル3作のリリース決定

ゲームは正直門外漢なので、こちらの情報は深追いせず。その昔ファミコンソフトで、「ドラえもん」「忍者ハットリくん」を持っていたことを思い出す。


⑤ NHK「SF短編ドラマ」シーズン2が2024年春に放送決定!

こちらも何気にビックニュース。この春に全10本のSF短編が実写映像化され、僕も全て食い入るように鑑賞したが、どの作品も原作へのリスペクトに溢れ、再現性も豊かな傑作ばかりであった。

ハードなSF短編をドラマで映像化するのは、予算的にも難しいはずだが、それでもアイディアを尽くして乗り切っていたように思う。「イヤなイヤなイヤな奴」や「流血鬼」や「定年退食」などは、特に素晴らしかった。

このシリーズが、一年の間隔を空けて、来春に復活する。今回は全8作ということで、一部タイトルが発表となった。それが、「アン子 大いに怒る」「鉄人をひろったよ」「いけにえ」「あいつのタイムマシン」である。

こちらについては、別記事を用意して作品概要を語らねばならないが、特に「エスパー魔美」の原点とされる「アン子 大いに怒る」がラインナップされたのが、個人的には非常に気にかかる。

かつてNHKでは原作を破壊した「エスパー魔美」のドラマ版が厳しい仕上がりだったが、今回はそのリベンジ的な意味合いも込めて、大いに期待を寄せるところである。


なお、こちらの発表会では初代担当編集者の河井常吉氏と小説家の辻村深月氏のトークイベントも実施されており、近くこの模様が配信されるとのこと。(本当は生中継とかという話もあったが)

こちらは配信後、すぐさま見ることとしたい。


以上、興奮覚めやらぬまま、生誕90周年記念事業のまとめをお送りしました。



この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?