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【速報】藤子F先生のSF短編集が、一挙10作品実写化!【期待】

先日、藤子・F・不二雄先生の生誕89周年の記事を書きましたが、来年2023年はいよいよ節目の90周年となります。おそらくは色々な企画が立案されているのでしょうが、その第一弾ということで、氏のSF短編がNHKにて実写ドラマ化されるという発表がありました。

リリースによると、来春にNHK BS プレミアムにて藤子先生の「SF短編集」から10作品を選んで実写化していくとしています。今回はその中から5作品のタイトルと出演者が発表となりました。


まず、藤子先生のSF短編とは何かについて確認しておきます。

普通、「SF」というと「S(サイエンス)F(フィクション)」の略ですが、藤子先生はある種の謙虚さと共に、「S(少し)F(不思議)」な物語だと語っておられます。

SF短編の魅力について、詳細な解説を記事にしてありますので、まずはこちらを読んでもらうと理解が早くなるかと思います。

この記事にもあったように、藤子FノートではSF短編を全111作としています(色々な区分方法があります)。その中身は、発表掲載誌を踏まえて、青年向けと大人向けに大別でき、前者を「少年SF短編」、後者を「異色SF短編」と呼んでいます。


藤子Fノートでは、111作全作を解説しようと、コツコツ書き進めており、現在までに61作品の記事化を終えています。順調に書いているつもりなんですが、それでもあと50作品も残っており、完全解説にはまだまだ先がは長そうです。

今回発表となった5作品を下記で紹介していきますが、その内2本しか記事化できていません。是非とも、ドラマ化されるまでに未執筆分については書き終えたいと考えております。


それでは、5作品の簡単な内容を発表キャストと共にご紹介していきたいと思います。

まず、発表記事については、公式「ドラえもんチャンネル」のリンクを貼っておきますので、こちらもご参照ください。


『流血鬼』(前後編)
出演:金子大地、堀田真由、加藤清史郎

1978年12月「週刊少年サンデー」にて発表。大全集は「少年SF短編①」に収録されています。今回発表の5作の中では、唯一の前後編(30分)の作品で、メイン作という位置付けでしょう。

SFとは価値観の逆転をもたらすもの、という考え方がありますが、本作はまさしく、私たちの通念をひっくり返すような、驚きに満ちたお話となっています。

僕自身、藤子先生のSF短編の中では五指に入る大好きな作品です。「ドラえもん」などの子供漫画の世界から、ハードなSF小説へと読み進めていくきっかけとなった、非常に大事な作品でもあります。

何度も映画化されている「地球最後の男」(リチャードマチスン)に、藤子先生なりの翻案を加えた、傑作中の傑作です。今回のドラマは「原作の再現度が高い」と金子大地さんがコメントされており、原作のラストの大転換を、ばっちりと映像に収めてくれているものと期待しています。

今の予定ですと、来年2~3月に「価値観逆転!」というシリーズ名で記事化するつもりです。


『昨日のおれは今日の敵』
出演:塚地武雅

1982年11月「COMICモーニング」にて発表されました。大全集の「異色短編」4巻に収録されています。

締め切りが迫る中、アイディアもまとまらず、アシスタントにも逃げられてしまうという漫画家のお話。実写となると、ほぼ全編一人芝居になると思われます。ただし、登場人物がほぼ一人ですが、決して一人だけのお話ではありません。ネタバレとなるので、今回はそこまでにします。

こちらも記事にできていないのですが、「マルチバース」という括りで、こちらも来年の2~3月に執筆予定です。


『テレパ椎』
出演:水上恒司

1980年12月「漫画アクション増刊」にて発表。大全集では「異色短編」3巻に収録されています。

テレパシーをダジャレ化させたタイトルで、同様のパターンを藤子作品では時々見かけます(「コマーさる」「ノスタル爺」など)。ただし、ダジャレなタイトルからは想像もできない程の、痛烈な一発を秘めた作品です。

元来、藤子先生の中では、「テレパシー」能力は百害あって一利なしという扱いが多いのですが、そんなあたりの考察も踏まえて記事化しているので、ネタバレ覚悟の方は是非ともご一読下さいませ。


『定年退食』
出演:加藤茶、井上順

1973年9月「ビックコミックオリジナル」に掲載されました。大全集では「異色短編」の第一巻に収録されています。

スパイダースとドリフターズの元祖イケメン共演ということで、キャスト的には一番見たい作品です。こちらもダジャレ系のタイトルですが、軽いタッチで読ませつつ、やはりラストで心の奥底に一撃を食らわされる作品となっています。

今年公開したカンヌなどでも話題となった映画「プラン75」とかなり似た設定の作品となっていますが、『定年退食』を参考した部分があったのではないかと想像されます。

こちらは記事化を終えているので、完全ネタバレでも宜しければ、ご一読下さい。ちなみに今回のニュースが出た直後からビュー数が急上昇しています。


『メフィスト惨歌』
出演:又吉直樹、鈴木杏、遠藤憲一

1979年4月「漫画アクション増刊」誌上で発表。大全集「異色短編」3巻収録。

メフィスト=悪魔が登場しますが、これをエンケンが演じるということで、これもドラマ的にかなり楽しみです。内容は、悪魔と人間の契約を巡る、ある種のナンセンス劇なのですが、欲にまみれた悪魔と、無欲に見える人間という逆転の構図が素晴らしい一作だと思います。

こちらは全く記事化を予定していませんでしたが、「ナンセンス短編集」というような括りで早期の記事化をしてみようかと思い始めています。


今回は第一弾の発表ということで、残り5作品(前後編ありで6話)は未発表でした。ドラマ化ということを考えると、予算的に厳しい作品もあるので限られてきますが、一体どの作品が選ばれているのでしょうか。

個人的には前後編で『ノスタル爺』、『おれ、夕子』、『パラレル同窓会』などが映像化しやすく、見ていたい作品だと思います。

いずれにせよ、続報が出てきたら、また記事にしてみたいと思います。



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