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腹を割って話す関係を作る/エンタメコンテンツ営業心得④

何か新しい事業に取り組むとき、自社のメンバー同士で、対立したりギクシャクすることがある。その一方で、他社のスタッフとパートナーを組む場合、なぜか気が合って前向きに話が進むこともある。

なぜ「仲間」とは関係がこじれて、「他者」とは協力関係が築けるのだろうか。


その一つの要因に、自社の仲間同士で、腹を割った話し合いができていないことがあり得る。きちんと本音ベースで議論ができていないということである。

もっとも、「本音」と言っても、あいつはバカだとか、ウソつきとか、病んでるなど、社会人として絶対に口にしてはいけないワードがある。なので、今回の話は「社会性」を持っていることが全てのベースにあることを確認しておきたい。


腹を割らない関係のままだと、どういうことになるのだろうか。

本音と建前が切り分けられる。決まった内容に後出しで文句を言い出す。正しい事実が伝わらない。チームの集合知が蓄積しない。陰口・忖度が蔓延る。足を引っ張るまでしなくても、積極的にメンバーの協力をしない。

その結果は、当然うまくいくものではない。

他社とパートナーシップを組む時には、メンバーの利害関係は目の前の事業のみとなり、必然的に集中力が高まる、事業に対しての本音が飛び交い、きちんと腹の割った議論をすることが可能だったりする。

そうなると、勝手知ったるはずの社内よりも、新しい他社と組んだ方がうまくことが運んだりするのである。


では、どうしたら腹の割った関係を築けるのだろうか。

・一人の上司を敵にして団結する
・飲み会などで打ち解ける
・仕事と関係ない議論(育児・勉強法・・)をして、腹を割る練習をする
・腹の割らない人を排除する
・道化師(ピエロ)を投入する

・・・考えていくと、いかに正しく腹の割った関係を作るのが難しいことかよくわかる。皆で決めて、皆で納得して前に進んでいくことは、まるで奇跡のように思えてくる。

なので、新しい事業に取り組むに当たって、カリスマ的リーダーの判断に有無を言わさず追従するパターンが多いのも理解できる。そうでなければ、何となくの多数決で何となく決めていくか、今回限りと割り切って外部とのパートナーシップを軸に進めることになる。

果たして、それで良いのだろうか? 腹を割ったチームが作れなかったことで、次の事業において、また同じような問題を繰り返してしまうのではないだろうか?


僕自身、腹を割る組織(チーム)を作る場合には、先んじて熱意を示すように心掛けている。自分がこう考えている、こう思うという意見表明を、メンバーに先んじて行ってしまうのだ。

最初に熱意を持って腹を割る人物が出てくると、少なからず他のメンバーは影響を受ける。何か、芯を食ったような議論をしているような気がしてくる。そうなればしめたものである。

一度腹を割った関係となり、芯を食った議論に加わると、楽しさが芽生えてくる。それまでけん制したり、意思表示をしなかったことが、いかに時間の無駄だったか分かってくるのだ。


先に腹を割っていくことは大事だが、ポイントは熱を帯びさせることである。そうすることで、自分の考えが本気だということが真っ先にメンバーに伝わるし、この後の議論の主導権を握ることができる。

時々、「ひとりで熱くなってるな」などと揶揄されることもあるが、これまで僕は熱を出して後悔したことはない。腹を割って話せる関係こそ、仕事において相当重要だと思うからである。

特にエンターテイメントのような、人々を心から楽しめるものを作り出して、届ける場合において、本音で作ったもの、本気で届けようとしたもの以外は見向きもされないことだろう。



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