生きているうちに一度は行きたかった山下達郎コンサート。
終わってみればトータル3時間があっという間。
着席したままのはずなのに、汗だくだくで会場を出たのでした。

「愛媛は3年ぶりですね。1階、2階、3階、4階…5階席のいちばん後ろにいるあなたに届くようにがんばりますので、よろしくお願いします！」

ぼくの席が5階（いちばん後ろじゃないけど）だったので、
このMCはうれしかったですね。
この距離ではこまかなプレイや表情は見えようもないけれど、
それでもパワフルな歌声や、カッティングの妙技は存分に味わえました。

なにより楽しかったのはMC。
「まだ4公演目なので内容がこなれてないんですよ」とのことでしたが、
ラジオ「サンデー・ソングブック」で聴くあの口調のそのまんまで、
落語家の独演会のごとく、観客の爆笑をさそって…あ、いや、
この状況なので、みなさん大声になりそうなのをどうにかこらえていて、
それでも笑いが漏れ出てしまう、という感じ。
会場に行く直前まで、NHK-FM『今日は一日山下達郎三昧』を聴いていたこともあって、いま目の前に本物がいることが不思議な感覚でもありました。

「ええと、この会場…いま会場名をまちがえて言いそうになったんですが、なんでしたっけ？　県民文化会館ね。…えっ、旧ひめぎんホール？　そうだそうだ！」
「向こう（右手を伸ばして）にもありますよね？　あっちが松山市民会館。最近はアリーナ会場（愛媛県武道館）もできたんですよね」
「ネーミングライツっていうのもねえ…やめたらいいのにねえ。いくら県にお金が入ったのか知りませんが…まあいいや」

会場の愛媛県県民文化会館は、2019年に改修工事がおこなわれ、
そのときに愛媛銀行（ひめぎん）との命名権契約が終了していたのです。
とはいえ、地元民のぼくもいまだに「ひめぎんホール」と呼んでいますが…。

さて、MCはそこから1980年代中頃、県民文化会館ができたころの話に。

「1980年代になってから全国ツアーができるようになりまして、愛媛でも松山市民会館で何度かやらせていただきました。そのころ、このあたりを通りかかると、ちょうど新しいホールが工事中だったんです。すごく大きな建物だったので、その工事を見ながら『ああ、オレはここでライブをするようなことは絶対にないだろうなあ…』と思っていました」
「きょうは、1階、2階、3階、4階、5階まで、満員ということで。これだけの会場で演奏できるのも、ひとえに山下達郎を聴いてくださっているみなさん、そして、きょうこうして来てくださったみなさんのおかげです。ありがとうございます」

このコンサートの翌日に、テレビ朝日『関ジャム 完全燃SHOW』山下達郎特集の後編が放送されているのですが、
いまこの文章を書きながら、そこでの達郎さんのことばを反芻していました。

セットリストの中盤には、名曲「クリスマス・イブ」も。
冒頭のぼくのツイートは、まさか真夏にクリスマスの曲はさすがに…というネタのつもりでつぶやいたのですが、結果は見事に天変地異がおこりました。
これについても、Yahoo!のインタビュー記事で語られていました。
サブスクのことばかり取り沙汰されますが、本当に重要なのはこちらではなかったのかな、と。

アンコールでは、マイクをとおさず生声でシャウトをきかせてくれました。
5階席のいちばん後ろまで、はっきりきこえる声で。

「愛媛は本当にいいところなので、次のツアーでも入れたいと思ってます」
よし、つぎはぼくもクラッカーを用意しておこう。
アレは事前に知らなかったら、本当に心臓がヤバかったかも…。

秋のおわりまでながいながい「老人虐待ツアー」（本人談）がつづきますが、
どうか達郎さんも、バンド・スタッフのみなさんも、各会場のお客さんも、
みなさん大事なくツアーが完遂しますように。

ちなみに物販では、新譜『SOFTLY』（サイン色紙つき）と『ARTISAN 30th Anniversary Edition』（＋会場限定クリアファイル）を購入。
ツアーグッズはタイミングがあわずに買えずじまいだったので、後日に公式サイトから注文。先日ようやくとどきました。

あと、『タツローくん』でLINEスタンプのことを知り、いましがたDLしました。
とり・みき＆ヤマザキマリなので、実質『プリニウス』（ムリがある）。

【セットリスト】
1. SPARKLE
2. あまく危険な香り
3. RECIPE
4. 人力飛行機
5. MUSIC BOOK
6. 僕らの夏の夢
7. 君は天然色（大滝詠一）
8. PAPER DOLL
9. シャンプー
10. おやすみ、ロージー〜Angel Babyへのオマージュ〜
11. I Only Have Eyes for You（The Flamingos）
12. Joy to the World 〜 クリスマス・イブ
13. 蒼氓
14. さよなら夏の日
15. BOMBER 〜 SILENT SCREAMER
16. LET'S DANCE BABY
17. ハイティーン・ブギ
18. アトムの子
（アンコール）
1. THE THEME FROM BIG WAVE
2. RIDE ON TIME
3. いつか
4. YOUR EYES

【追記　2022.7.21】
きょう、達郎さんが新型コロナウイルスに感染したと発表されました。
体調は安定しているとのことで、不幸中の幸い。
お辛いだろうと思いますが、どうかお大事に…。