まただ。 心臓が粟立って、どこにもない逃げ場所を探す。 ここは私の居場所じゃない。 昔から、駅伝が好きではなかった。 厳密に言えば、テレビに映る駅伝をぼんやり眺める、お正月のお茶の間の雰囲気が苦手だった。 あの、全体的にだらあっとした、1年分の”心ここに在らず”が集結したみたいな空間。 年末年始は家族で過ごすことが当然だと、誰がいつ決めたのだろう。 伝統的家族観を美徳とする無言の圧力が、我が物顔で居座っているあの雰囲気にいつまでたっても馴染めない。 けれど、その日本のしきた