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SLAMDIVA記:1(初めてHADOに触れた日)

事の発端は偶然だった。


『CEATEC 2016』。
所謂先端技術の展覧会で、毎年多くの企業が参加している一大イベントだ。
このCEATECに、後にHADO部部長と称されるぴよひな氏と、全くの別件で出向いていた。

各社が自社の最新コンテンツを「これでもか!」と言わんばかりに披露する中、比較的奥地の方にも関わらず一風変わった佇まいで盛り上がりを見せていた展示こそが、HADOだった。


自分自身、この時点でHADOを見たのは初めてではなかった。
同年春に開催された『Innovation World Festival 2016』(m-floのVERBAL氏が発起人となって行われているベンチャー博覧会的音楽フェス)にも、HADOは出展されていた。

その時も既に長蛇の列で大注目を集めていた為、触れることはなかった。
しかし、今回はタイミングよくすぐに案内出来るとのこと。
ならば、と同じく初めて体験される方に相手になってもらい、2on2形式で初めてのHADO体験が始まった。


HADOに関して簡易的に説明をすると、AR技術を用いたドッチボールだ。
…と言われるが、個人的には雪合戦の方がイメージに近い。

スマートフォンが設置されたヘッドマウントディスプレイを被り、腕にはリストバンドに固定されたスマートフォン(当時はMYOというBluetoothの動作探知機を使用していた)を装着する。

その状態で手を突き出すと、エナジーボールと呼ばれる弾が飛び出す。
競技名通り、"波動拳"がまさにそれそのものだとイメージしていただいて違わない。

さらに、腕を下から上に振り上げると、バリアが出せる。
小学生の頃「バリア張ったからお前の攻撃無効ー!」とか言ってた男子は、まさにそれが拡張現実に現れたような状態だ。

細かいルールはあるが、基本的にはこのエナジーボールとバリアを駆使して、相手の身体の周りにある的(ライフと呼ぶ)を削り合い、得点を稼ぐ競技だ。


このような説明を一通り受けた後、我々もHADO体験をしたのだが…

結果、我々が圧勝した。

ぴよひな氏が高スコアを叩き出し、10点以上の差を付けて勝ってしまった。
そう、"勝ってしまった"のだ。

この様子を見ていた、開発元の株式会社meleap元CTO新木さんが声をかけてくださった。

「すごいですね!年末にワールドカップを開催するんですけど、賞金100万円出るんで出てくださいよ!」


この言葉に乗せられたことが、全ての発端だった。


正直なところ、私は最初は懐疑的だった。
ビギナーズラック、という事もある。
体験の結果が良かったからと言ってすぐワールドカップで優勝出来るほど、どの世界も甘くない。
ましてや、この時点で既に10月。
練習を積むにしても、些か短期間すぎるように思えた。

反面、ぴよひな氏は非常に乗り気だった。
賞金や優勝というネームも勿論だが、新興スポーツで結果を残す事ができれば、様々なメリットがある。
氏は"パソコンアイドル"を謳って活動されている方でもあり、"テクノスポーツ"と呼称されるHADOには高い親和性を感じたようだった。

上記のようなかくかくしかじかを踏まえ諸々と検討はしたが、結果我々はチームを発足する事に決めた。

一番の同期は単純。
何より、楽しかった。
波動を撃ち合って相手を射止める。
身体で避けて、バリアで守る。
そんなアクティビティは、これまで見たこともなかった。


HADOは3対3で試合を行い、各チーム最大5名まで選手登録が出来る。
現段階では参加者は2名、最低でもあと1名足りなかった。

かくして我々は、HADOチーム発足のため、メンバーの招集を始めたのであった。

"勝ってしまった"が故、始まった全く新しい挑戦。
この時は、今後の人生を大きく揺るがす事になるとは…面白くないが敢えて言おう、そのような予感はしていた。
そしてこの後、その予感が確信に変わる出来事が起きる。

しかしその前に、チームメンバー招集の経緯について、次回の記事で紹介したいと思う。


つづく

#HADO #SLAMDIVA #CEATEC #AR #スポーツ

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