【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_49

 思考を放棄したまとまらない頭で、千姫は必死に千鶴を繋ぎ方法を導き出そうとする。懇願をすればいいのか、それとも……。
「あぁ……っ お千ちゃん」
「…………っ!」
 不意に話しかけられて、千姫の全身が総毛だった。千姫が行動を起こすよりも早く、千鶴の方が煩悶する親友の存在に気づいて、柳眉をさげた優しい瞳に親友の姿を収めながら儚く微笑む。
「お千ちゃんも来て……一緒に、楽しみましょう」
「……ぁっ」
 濡れた桜唇から紡がれる甘い言葉。愛しい鬼姫の誘惑を、自分は拒むことなんて出来ない。まるで母のように微笑するキレイな笑顔が、仮面だということも知っている、千姫の瞳を映す金の瞳の奥で捕食者の影が揺らいでいるのも、そして、一緒に、楽しみましょうという言葉が本震であることもみんな、全部、分かっているのだ。
 千鶴の性格上、彼女が千姫の赤子を危険にさらすことは考えられない。
 みんな分かっている、分かっている筈なのに、かんじんな部分が見えてこない。
 もはや破滅は不可避であり、いま自分が千鶴を拒めないことも全て、運命の流れの一つでしかないのか。
 そんなことを考えながら、千姫は臨月の腹を重たそうにして立ち上がる。

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#風間 ×千鶴×千姫

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