ぼくの作文(4年2組小平博史編)


「えーっと、『体育祭』。4年2組、小平博史。
ぼくは体育祭が大好きです。
なぜかというと、僕は足がとても速いからです。その速さは、ちょっとしたサイボーグなみです。
誰もぼくについて来ることはできません。速すぎて時間が止まったように感じる時もあります。
そんなぼくのことを、クラスのみんなは“神”と呼びます。決して悪い気はしません。

プチ自慢は置いといて、体育祭です。
ぼくはたくさんの競技に出場しました。ほぼ出ずっぱりです。
最初の競技は、徒競走。
当日、スタートの合図が、鉄砲からロケットランチャーに代わっていたことに少しびっくりしましたが、ぼくは一位になれました。
そういえば、最近メキメキと頭角を現し始めた輩がいます。
二位になった寺内くんです。寺内くんは、ぼくの恋敵でもあります。
でも、寺内くんは極度の浮気性とマザコン体質なので、結局、恋の方もぼくが勝つと思います。

次に出場したのは、玉入れです。
ぼくは玉入れも大得意です。
というのも、ぼくは身長がジャスト200cmなので、ちょいジャンプくらいで玉をカゴに入れることができます。
NBAのスカウトチームがぼくの玉入れを見に来ていたので、ちょっと緊張しました。玉入れの概念を根底から覆してしまった自分自身に恐怖すら抱いています。

そして次が綱引きです。
実はどちらかというと綱引きは苦手です。
ぼくは足の速さもさることながら腕力も相当なものなので、綱引きをすると敵味方問わずケガ人が出ます。
去年、のべ65人を病院送りにしてしまい、そのことがニュースサイトの記事になってしまいました。
そんなこともあり、今年は紅組対白組ではなくて、ぼく対全校生徒という理不尽極まりない形で行われました。それでもぼくは余裕勝ちしました。
今年は86人を病院送りにしました。
先生方に言っておきます。
神童・小平の成長速度ナメんじゃねえぞ。

そして、リレーにも出ました。リレーは体育祭の花形種目です。
リレーに比べたら、大玉転がしやムカデ競走は眠たい種目です。
あんなもんに必死こく奴の気が知れません。
それはそうとリレーです。
当然、リレーでもぼくは活躍しましたが、残念ながらここからの話は有料でのご提供となっております。リレーでの活躍、そのほか騎馬戦での一騎当千ぶりや、棒倒しにおける鬼神のごとき働きの詳細は、有料登録してからお楽しみください。
おわり。」

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