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具体的な誹謗中傷以外への対処も考えるべきではないか?ということ

木村花さんの件をきっかけに、インターネット上では今、誹謗中傷への非難の声が高まっている。

それ自体はとてもいいことだと思う。これまでインターネット、特にSNSは誹謗中傷を野放しにし過ぎていたと思う。女性が声を上げれば多数の中傷が寄せられ、委縮させられてしまう。

たとえば私がTwitterでフォローさせていただいている青地さんも、数年前にデマの被害に遭い行動の制限を余儀なくされた。

青地さんは元々コミケにも参加経験のある、どちらかといえば「オタク」寄りの方だというのはご自身のアカウントでも言及されている通りで、オタクのことをパブリックエネミーと呼んだというのは完全なデマだった。

だから誹謗中傷に何らかの制限がかかることそのものは喜ばしいことだと思う。それを進めようとしている議員の面々を見ていると不安ではあり、その意味では「国家権力が一般市民を不当に弾圧できないようにする仕組み」でなくてはならないとは思うが、これまで野放しだったことのほうがおかしいだろう。

だが、そうすると今度はおそらく「誹謗中傷にならない範囲の嫌がらせ」や「個人名を出さずにひたすら中傷を続ける行為」が激化することだろうとも予測している。なぜなら、既にそういうアカウントが多数存在しているからだ。

誰に対して言っているか明確ではなく、だが本人や外野には誰のことを言っているのかわかる――というような形での中傷や、ひたすらに付きまとうことにより被害者に心理的負担を与える行為に関しても何らかの制限が必要ではないだろうか?

たとえば、フェミニズムについて語るアカウントを侮辱的な名称のリストに入れるという形の嫌がらせがある。そうでなくとも、明らかにアンチをにおわせる人間からリストに追加されればそれだけでストレスになるし、それが複数になれば中傷と同様に心理的な負担になるだろう。

見なければいい、という問題ではない。仮に見なかったとしても、日々監視され、はっきりと明示しない形で叩きコメントを繰り返される。その状況そのものがストレスになる。もしも誹謗中傷が規制されれば、こうした嫌がらせが主流になっていくことは容易に想像できる。

被害者が訴えることのできない形での嫌がらせを、どうやってやめさせるのか。どうやってそういった汚い手口を使うアカウントを白日の下に引きずり出すのか。

そういったことを考えていかなければならない時期に来ているだろう。

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