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【ヒメヒナ考察】「Raise your voice!」の歌詞考察(2023/09/03時点)

今回の歌詞は単語ベースでやるよりブロックごとに書いていった方がわかりやすそうなので、いつもとやり方は違うがそのように分けながら考察していこうと思う。
書く内容は歌詞の意味と物語考察に紐づく部分を合わせて書いていく。
それでは頭から順番に見ていこう。

📣[歌詞]
見渡す限り豪雨
これは最高のステージで
可能性なら皆無
一か八か賭けるなら全BET

💭[考察]
雨は障害の表現として使われるので周りが障害だらけという意味だろう。豪雨にすることでより悲惨さが滲み出ている。
ただ逆境上等、劣勢上等の強い精神を持っており、たとえ可能性が無きに等しくても全てを賭けて取り組むという。

物語考察視点では、色んな事態が進行して希望が持てなくなってしまった世界で彼女は強い気持ちで何か行動を起こそうとしている。

📣[歌詞]
止め処ない暴落の中
目を見開いて笑ってみせてよ
底のない沼の中で愉快に踊るheretic

💭[考察]
暴落というのは逆境の言い換えとして捉えておこう。
その中で虚ろな目ではなく、しっかりと目を見開いて立ち向かってほしいと訴えかけている。
hereticというのは異端者という意味。

物語考察の目で見ると、この異端者という言葉は各宗教要素と繋がってくる。マザドラの「M」とか。ちなみに蓮の花は沼地にも生えるらしいので溺れるほど愛した花のイラストと同じ構図として捉えてもいいかもしれない。

📣[歌詞]
不確定な未来 生き急ぎたい
夢の先に終わりがあるならば
超大作には及ばないけど
問題作と呼ばれるくらいには暴れたいでしょ

💭[考察]
未来がどうなるかなんてわからない。
だから全力で生きたい。
栄枯盛衰というか夢には終わりがくるということがわかっているのなら、誰に何と言われようとも生きた爪痕を残したいでしょ。

物語考察的には、「夢」を何と捉えるかだが最近の考察ではこれが「WWW」と紐づくのではないかと考えている。マザドラとも近い部分の話だと思うというのもある。夢が終わるという表現はいろいろ繋がるところだが、彼女はその状況を逆境と捉えていてそこで諦めムードの"誰か"を奮い立たせようとしている。

📣[歌詞]
溢れ出したこの胸の叫びを
欺かないで
この鼓動 刻みたい
(Raise your voice! Raise your voice!)
立派だとかそんなのはいらない
灯るものだけ見据えて
生きる意味なんて終わる時に決めればいい
信じてその覚悟を

💭[考察]
自分の心に素直になれ。自分の心に嘘をつくな。
自分の本心、"心の声"は何と言っている?
「Raise your voice!」というのは"心を叫べ"ということではないだろうか。
それは誰かに褒められるためとかではなく、自分がどうしたいか、どうなりたいのかを全力で遂行するだけなんだと。
生きる意味だとか先の事を考えてもわからない。結論を出せずにうだうだするくらいなら、今自分の心が思ったことに従って、覚悟を決めて行動すればいいんだ。

物語考察の視点を入れよう。といってもおおむね意味は変わらない。注目するとしたら後半3行。灯るものは「希望」。「空っぽの箱庭」考察でヒメは「WWW」に一人取り残されたと考察した。で、今回はそのヒメが希望を失い失意の中にいるところへヒナが立ち上がれと伝えようとしている構図と考えている。言ってしまうと、ここでヒナはヒメに自分の命をあげようとしているのではないかと考えている。「鼓動を刻む」とか「終わるときに決める」とか「覚悟」といった言葉はこの行動に紐づくものではないか。それをもってヒメの信用を買い、奮い立たせようとしているのではないだろうか。以降はその仮定のもと物語考察を展開していく。

📣[歌詞]
枝分かれした可能性を
掴んでたどり着いた今日も
結局のとこ悲しまないなんて
そんな未来は選べないから
がっかりなんてしないで
元々その程度なだけです
それでも足掻いてるのは命があるから

💭[考察]
いろんな選択肢の中から一番いいものを選んでいったとしても、悲しみが絶対にない選択というものは無い。夢物語みたいな未来なんてこない。できることなんて限られている。現実を見よう。現実でできる最大のことを必死でやろう。生きるというのはそういうこと。
ここは物語考察は入れなくていいだろう。

📣[歌詞]
何度も見てきた 霞む世界を
傷だらけでも愛していたいから
沢山の捨ててきた選択肢を見て
平気な顔して笑う大人にはなりたくない

💭[考察]
どんなにボロボロになろうとも、無様でも愛していたい。
自分は万能ではない。その中で身を切るような選択もしてきた。
でもそれを諦めたような言い訳みたいな言い草で言う人間にはなりたくない。

物語考察的には、霞む世界がまず目に入る。蜃気楼表現とリンクする部分だと思うがこれはまだよくわかっていない。仮に世界が無くなるという意味だったとしよう。そこで気になるのは「何度も見てきた」という言葉だ。世界の終わりなんて何度も見れるものじゃない。例えば、ヒメのいるWWWという世界を見つけて複製して彼女を救う可能性を何度も試していった結果なのだとしたら?捨てた選択肢というのはその世界でのヒメの終わりなのだとしたら?それを平気な顔して笑う大人にはなりたくないよなぁ!?

📣[歌詞]
辿り着いた 選択肢の糸は
意味があるから
振り向かない 忘れない
(Raise your voice! Raise your voice!)
いま自分が信じた事だけは
その瞬間間違いない
選び取れるのはそう
自分だけだ

💭[考察]
この選択には意味があるから、後悔しないし、ブレないように選択した時の意図も忘れない。
心を叫べ。自分が直感的に感じたことは時間が経てば他の選択が正しいと言えるかもしれないだろうがその瞬間においては間違ってはいない。自分を信じろ。そして、その選択をするのは他の誰でもなく自分だけなのだ。

先ほどのWWW複製説を念頭に置いて考えると前半の意図は理解できるだろう。そして、この瞬間的な選択の話はヒナが命をあげたという話を念頭に置いて考えるといい感じにハマる。後先を考えるならば愚行もいいところだが、直感的な行動だとしたら納得感も出てくる。

📣[歌詞]
足元はいつだって不安定で
それでもエンドロール
見てみたいって思っている
確証はない (pain of time!)

💭[考察]
いつだって準備万端ではないし、どう転ぶかもわからない人生だ。それでも描いた夢の先は見てみたい。「エンドロール」という言葉には途中で諦めることがないという意思も含まれていそうだ。

エンドロールの意味する規模感はわからないがここでは「ヒメを救うこと」として考えてみよう。そこで、「確証はない (pain of time!)」だ。ヒナはヒメを救うためにマザードラッグを使ったのではないか?創造の種をもって彼女は何を作ったのか。展開は大きく2つあると思う。1つは、自分の命を代償にマザードラッグの力でヒメの身体を作った。もう一つは、同じようにマザードラッグの力でヒメの魂を自分の身体に移し替えたというものだ。恐らく絶命は免れない選択だったのだろう。

📣[歌詞]
明日には地球がないかも
迷う時間はもうない
傷なんて塩を振って
喰らい尽くして!

💭[考察]
迷う時間などない。傷つくことを恐れていては何もできない。恐怖ごと喰らい尽くして進むんだ!

ここで気になるのは「明日には地球がないかも」という言葉。ここまではヒメの世界が無くなるだとかの話をしてきたが、現実の世界でもかなり切羽詰まった状況があるのではないか。恐らく戦争や疫病が関係しているのだろうが、もっと世界的な問題があると思う。

📣[歌詞]
一度きり命の行きつく先は
楽園だけじゃない
嵐越え 抗うんだ 打ち鳴らせ!

💭[考察]
天国に行くためだけに生きているんじゃない。未来は一つじゃない。抗うことでもう一つの未来を掴み取れ!

楽園(PARADISO)とはWWW。そこを命の終着点とするのではなく、現実の問題を解決するために使おうとしているのではないか。その鍵を握っているのは恐らくヒメなのだろう。ヒメだけが希望の時鐘を鳴らす事ができるのではないだろうか。

📣[歌詞]
立派だとかそんなのはいらない
いま在る全てで歌うよ
生きる意味なんて終わる時に決めればいい
信じてその鼓動を

💭[考察]
称賛なんて求めていない。自分の心に素直になって信じて行動をする。生きる意味は死ぬときになってから自分がやってきたことを見つめて考えればいい。

再びこのシーンで鼓動が出てくる。命をあげる。その行動は称賛がほしくてやったことではない。ヒメを救いたいという心に従ったこと、ヒメにしか世界を救えない。ヒナはその希望を命に織り込んでヒメに託したのではないだろうか。そして、彼女たちを繋ぐのは「歌」。夢をみて生きろ。


今回の物語考察は割ときれいに着地したんじゃないかなと思ってます。視点としても新しいのでこれが本当に物語要素なんだとしたらとても有益なところになると思います。うおー!どっちなんだー!ロンドナイデ視点との明確な境目になるはずなんだー!うおー!わかんねー!

僕ね、最初この歌詞を一読したときに「戦国武将かなんかかな」と思ったんですよね。精神ゴリマッチョかよと。「私覚悟決まってるけどあんたらどない?」って聞かれてるようなところもあるのでドキドキしちゃいますね(ん?)。彼女の書く歌詞はこういう側面がよく出てくるので、その精神性の強さに惹かれるところはありますね。


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