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【ヒメヒナ考察】「WWW」の歌詞とMV考察

「WWW」は「①歌詞考察」「②MV考察」「➂神話宗教考察」の3回に分けて考察をしてきました。本記事ではそれらを一挙に書いていきます。
一度PowerPointでまとめたものをテキストに起こし直す形での掲載とさせていただきます。色が使えないので画像と見比べながら確認してください。


📚①歌詞考察(2023/3/20時点)

📌現世と幽世の違い

現世を我々の世界と同じものとイメージした場合の幽世のイメージを書く。

姿形は基本的に現世と一緒(見分けはつかない)
では、何が現世と違うのか?
大きな違いは下記の3点ではないだろうか。

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①心と体が分離されていて、好きなものに体を移せる
②この世界は人工的にプログラミング等によって作られた可能性が高い(WARARAシステム?)
➂この世界に来るためにはバチャライ銃を使用する必要がある
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一般的な”死後の世界”とは意味合いが違うものと思われる
状態がまさに幽霊や亡霊のようだから幽世と呼ばれているのでは?

では次にこの3つの違いについて説明していく。

①心と体が分離されていて、好きなものに体を移せる

これは過去にヒトガタについて考察したものがイメージに近い。
考察にあたって、ヒトガタを「人間の心」と「仮想の身体」を持った存在と仮定した。
元となるのは本当に人間だったと仮定した場合、人の肉体から魂を抽出することができる技術があるということ。もう少し展開すると、人間の頭脳をあらゆるものに転換利用できる技術なのではないか。

ここでいう "ヒトガタの範囲" については画像を参考にしてほしい。
私は「ヒトガタ」というのは人間から魂を抽出して他のものに転用するという技術総称なのではないかと考えている。

この世界では、人の肉体から魂を抽出・適用する技術が発明されて任意の身体に入って動かす事ができるようになったのではないだろうか。


②この世界は人工的にプログラミング等によって作られた可能性が高い

ここではWWWの略称について考えてみた。
一般的なWorld Wide Webの意味ではなく、世界そのものの名称として使われていると予想される
恐らく現世で使われている「www」の意味を知っている前提でそれをもじったものではないか。
歌詞をそのまま参考にすると画像であげたような候補になると思われる。

◆「WARARA」
これは、このWWWの世界を構築した時の独自のプログラミング言語またはシステム名ではないだろうか。
WARARAに含まれる意味は、幸福的な「笑い」などではないだろうか。(構築当初の話かもしれない)
笑いが含まれているとすれば他の曲で使われている「笑」との関連性がかなり強まってくる。

◆「WORD」「WEIRD」
「WORD」プログラミング的視点(WARARA WORLD)
「WEIRD」は「異様な、気味の悪い、この世のものでない、変な、奇妙な」という意味を持っていることから、幽世的な視点があると思われる。(WEIRD WORLD)
もう一歩踏み込むと霊的特性があるからそもそも発音も明示的な表記もしないのかも?(実はWWWW説という考え方)

◆「WORLD」
これはシンプルに世界。


➂この世界に来るためにはバチャライ銃を使用する必要がある

イメージは①の図の通り。
ここではもう少し深掘りしてバチャライ銃の利用が罪であるということにフォーカスしてみよう。

◆なぜバチャライ銃が幽世移動用デバイスと思うのか
歌詞の中の「罪連打 ガチャ&パチャ」がそのポイントだ。
バチャライ銃の利用方法は鏡に自分の姿を写してその自分を銃で撃つこと。
バチャライ銃は「銃」という性質よりかは「投射機」という側面が強いと思われるので、そこから考えると「ガチャ」は銃を構える音、「パシャ」は投影する時の音と推測できる。

◆なぜバチャライ銃の利用が「罪」なのか
同じ場所だが「罪連打 ガチャ&パチャ」の一文から、この「ガチャパチャ」が罪連打の音と紐づいている。
ゆえに、バチャライ銃の利用は罪という認識があるということがわかる。
では、①の構図と合わせて考えてみよう。
バチャライ銃を利用すると自分の魂を抽出し次なる身体へ移動させることができる。
では、現世に残された移動前の身体はどうなる?
魂の無い体、それはいわゆる「死体」と呼ばれるのではないだろうか?

仕組みが完全に理解できなくてもその「死」という結果がわかりさえすれば利用を禁止し、現世における「罪」とすることに特に違和感は出てこない。


📌転生概念についての考察

WWWの住人は本質は魂で、身体はただの入れ物という位置付けになっているという前提から考察を進める。

◆転生って?
WWWの住人になることのメリットは身体を好きなものに入れることができること。
まるで、ゲームのキャラクターメイクのリセットのように。
歌詞の中でも「殻」に「キャラ」というルビが振ってあるところからも同じ様に連想できる。
ゆえに、転生とは魂を別の殻に移すことを指しているのではないだろうか。
※ただし、今のところ他のシーン(曲)で想定している転生とはなんとなくイメージが違うのであくまで予想レベルの段階


📌「WWW」の読み方について

「WWW」は「ダブダブ」と読んでいるが、文字を見ると「ダブダブダブ」となるはず。その意図について考察してみよう。(多少の強引さはご了承願いたい)

◆惡÷笑
歌詞中の「惡÷笑」は「ワルワルワラ」と読んでおりWWWとの関連性が感じられる。
そこから下記の条件を仮定する。
 ・惡=WWW
 ・WWWに笑(嗤)が含まれる(Wが1個相当となる)
   →WARARAシステムに「笑い」の要素がある
この場合、数式として考えると「惡÷笑=WW」となり読み方が「ダブダブ」になる。

◆WWW(WARARA WEIRD WORLD)
②の考察で触れたWWWの真ん中の文字が「WEIRD」のケース。
WEIRDは心霊的意味合いを含んでいるので、その特徴を体現するために発音をしないようにしたのか。


📌通りゃんせモデル

通りゃんせはこの物語で描かれる現世→幽世や転生の概念モデルとして使われていると思われる。

通りゃんせの本来の歌詞の内容をざっくり説明すると、「通っていいよ」と言う門番とそこを通りたい天神様にお参りにきた母と子どもの対話のシーンを描いており、有名なフレーズ「行きはよいよい帰りはこわい」は「行くのはいいけど帰りは難しいよ」と言われている。ここの意図は未だに結論がついていない部分だが、この考察ではそれを追求しない。

では、今回の歌詞を見てみよう。
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行きはよいよい帰りはわらい
わらいながらも通りゃんせ 嗤われ流るは また来世
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太字の部分が本来の歌詞と違う部分。こわいがわらいに変換され、後ろに転生をほのめかす言葉がある。
 ・ある場所に向かって帰ってくるとわらっている。
 ・その後、嗤われて死んで転生している。

これをさらにここまでの考察と照らし合わせると次の事が考えられる。
 ・これは現世から幽世へ行こうとしているシーン(バチャライ銃を利用して)
 ・「わらい」というのは「WARARAシステム」
 ・WWWの住人となれば”転生”ができる

◆「わらい」
「わらい」が「WARARAシステム」つまり「WWW」を指す言葉なのであれば、「行きはよいよい帰りはわらい」は現世の人間がWWWの住人になったことを示す内容であるのではないか。

◆「嗤い」
シンプルに嘲笑と読み取ってもいいがもう少し深読みしてみたいと思う。
大きく見たとき、現世と幽世には対立関係を見出せる。(EGO穢土のあたり等)
これと「嗤われ」という受け身の言葉を合わせて、状況を考察する。
現世の人から見たとき、幽世に行きたがる人々は哀れな人間に映るのではないだろうか。
それはたとえ姿形が変わってもその生き様はあまり見栄えの無いものになるように思える。
その状況が見えているのなら、WWW出身者というレッテルは嘲笑の的になり得るだろう。

ただこの深掘りは他の歌詞でも出てくる「嗤い」という表現をより浮き彫りにしたいがための考察という側面が強いので真実味の薄いところではある。


📌2番のストーリーについて

◆集団世界移動
罪連打ガチャパチャ(バチャライ銃の利用)から「わらわらと鬼夜行」「とどろ徒党路」と幽霊が増えていく描写から爆発的にWWWの利用が増えたことがわかる。これが単独なのか複数なのかまでは書かれていないのでそこは一旦検討から外す。
妄想を膨らませて、ここに事件性を見出すならば次の事が考えられる。
 ・全人類消失事件
   これまでのMVではどのシーンも人気がなかった。その情景を作り出した事件。
 ・WWW人類集団侵攻
   現世と幽世は対立関係にあることから、暴動や戦争を起こしたのでは。他MVでの争いの痕跡の理由。(もしかして炎上ってこの事件に紐づく?)

◆首謀者
眼鏡をかけた人物の描写があり、顔を隠す必要があると言う。
時系列はわかりかねるが、例えばこの人物は上記の集団世界移動を先導した首謀者で指名手配されているのではないだろうか。見つかれば殺されるとも読み取れるので、大きな犯罪を犯したように見える。
そういえばキャロル達も目を隠しているが関係があるのだろうか…。

◆偏狂
恐らく同じ人物。あることに固執した者。もしかすると狂った科学者と呼称される者ではないか。
“彼”はある女性に裏切られたように見える。彼が愛したその女性は例の”転生”をして逃げ出した。彼は逃がさないと追いかけた。「封囲網」という言葉は彼の異常な愛を表しているのではないだろうか。
科学者、一人の女性という組み合わせで思い当たる人物といえば…青い女、リリアンあたりではないだろうか。



📚②MV考察(2023/4/2時点)

📌境界から見る各MVの位置付け

このシーンには南国風のリゾート地に1つだけ違和感のある赤鳥居がある。その赤鳥居を境に和風な異界へと繋がっている。

リゾート地:MR.VIRTUALIZER
バーカウンター:不機嫌なスリーカード

あくまでこの印象上の話だが、ここからわかるのはこれらのMVの時系列は概ね同じということ。
また、メキシコ衣装や太陽はアステカ神話赤鳥居の世界は稲荷信仰に関連していると予想している。
神話宗教については0から勉強して考察したものを「➂神話宗教考察」にてまとめている。

📌和風世界について

私の考えでは、この世界の和風要素のほとんどは「稲荷信仰」を指していると見ている。
今回の考察では深く語らないが、いよいよ神話宗教がモデルになっている説が濃厚になってきたのだ。
現在0から勉強中だが、ここで一旦私が抱いている「稲荷信仰」のイメージを共有しておく。

・稲荷信仰では「狐」を神の使いにしている
・基本的には「五穀豊穣」を祈念している
・稲荷信仰での神はウカノミタマノオオカミスサノオ系列の神様
・稲荷信仰は秦氏が海外から持ち込んだ信仰で、「ユダヤ」との関連性があるという説がある。

◆MV上での表現との紐づけ
狐の面:狐は稲荷における神の使い
赤鳥居:稲荷だけではないらしいが稲荷の鳥居は赤い
踊り子の笠:形状からこれは鳥追い笠というもので田畑を荒らす害獣を追い立てる時の笠で、田畑関連から五穀豊穣を願う稲荷と紐づけられる
提灯:提灯祭りでは提灯を稲穂に見立てて五穀豊穣を祈念することがあるとか。(ここでは他の意味もありそうだが…)

※神話宗教考察にあたっての注意
ここで重要なのは完全に宗教の話だとは思わない事。世の中にある有名作の多くはこういったものの影響を受けているものが多く、これについてもその一つだと捉える姿勢が大事。ヒメヒナ考察をする上でのポイントはこれらの説の中で真実の一つを見つけることではなく、作者がどの説に影響を受けてこの物語を書いたのかを選定することが重要なのだ。そして、それはあくまでモデルなのであって実際にはさらなる独自性があることを忘れてはいけない。


📌踊り子たちの意味

先ほどもあげたが、笠が鳥追い笠という種類なので五穀豊穣と繋げて稲荷信仰を指し示すものだと考えている。

もう一つ気になっている点があって、この歌舞伎メイクをしたヒメなのだがこれと同じメイクが踊り子たちの笠の下にもありそうだと思っている。
根拠は下記2点。
・この歌舞伎メイクは稲荷の狐を意識したもののように見える
・歌舞伎メイクのヒメと踊り子たちの肌の色が同じ白である

まあ、多少こじつけな話ではある(笑)
他にも考察するなら色白から連想するのは幽霊やお化け。歌詞ともマッチするのでこちらの方が合ってるのかも(笑)


📌提灯について

このMVには提灯が至る所にそれはそれは大量に登場する
先ほどは提灯を稲穂に見立てて稲荷信仰と紐づけはしたが、更なる意味も含まれているように思えている。
明確には分からないが、光そのものや、提灯鮟鱇のような誘導灯や、あるいはなどの意味などが隠れていそうではある。


📌鯉について

ねぶた祭りのようなオブジェや軒先から吊るされているこれを私は「鯉」だと考えている。
「鯱」では?とも思ったのだが、鯱に見られるようなトゲトゲとした特徴や鋭い目もないことから鯱ではないと判断した。
まあ、逆に「鯉」であるところの根拠は特にないのだが…(笑)完全に見た目判断である(笑)口の形状とか…さ…
「鯉」は縁起物でもあり龍になる伝説もあることから神話色が強くなってきたこの物語に合うだろうなぐらいの気持ちである。

📌花についての考察

今回の衣装にはたくさんの花が描かれている。全てを特定することは困難だがこれまでの曲の考察とも絡めて考えるとある傾向があるように見えたのでそれについて書いていく。

まずは気づいた点を列挙しよう。
・今回の衣装には「サクラ」「菊」が多く描かれている。
「サクラ」については恐らく微妙な種類の違いの描き分けがされている。(サクラソウ、ベニバスモモ)
・サクラなどの他に描かれているのは「ボタン」「松」「鶴」などである。
・ちなみにユリの花も近くにある。

これらの特徴から、この物語で重要なキーワードとなる要素を花で表現しているように見える。

※ただ、私は花博士ではないので花の種類は間違っていることが多いことを念頭に置いていただきたい…。
ヒメヒナ考察における最も難しい作業はこの花の種類の特定といっても過言ではない…。

📌サクラの考察

サクラ
花びらの先が分かれている
花言葉:精神の美、純潔、優美な女性

ベニバスモモ
花びらの先が丸い
花言葉:忠実

サクラソウ
ハートの花弁と葉の形
花言葉:清らか、希望、無邪気

注目するポイントは、「サクラ」と似たものを描いているということ。
実際は種類が違うが、見た目が似ているものを描いている。そこから連想されるヒメヒナの要素を考えると…
これは「複製」を意識した表現なのではないかというのが私の考えだ。
この物語のMV表現にはサクラが多く使われおり、サクラが物語上重要な役割を担っているであろうことを考えると案外遠からずな考えなのかもしれない。

📌松、鶴についての考察

松と鶴には長寿の象徴として用いられることが多い。松の花言葉もそれらしい内容だ。


花言葉:不老長寿、向上心、永遠の若さ


鶴は千年亀は万年など長寿の縁起物として表現される

この花言葉を見るに「琥珀の身体」のことを指しているであろうことは想像に難くない。
もしかしたら「琥珀の身体」は別の表現で使われるものかもしれないが、少なくとも「長寿」を意識していることが見て取れる。
WWWの世界もしくはヒメヒナ達は当初、「長寿」の実現のために作られたのかもしれない。

📌菊の考察

菊についてはボタンと合わせて高貴で金持ちの貴族や王族を意識していると思われる。
他MVからもなんとなく察していたが彼女たちの身分は相当に高いものなのかもしれない。


花言葉:高貴、高尚、高潔、真実(白)、敗れた恋(黄)

ボタン
花言葉:風格、富貴、恥じらい

ちなみにCAROLSの衣装も菊がメインなのでこれ以外にも相当な意味が込められていると思われる

ちょっと気になってるのが「16菊家紋」があること。これは日本の天皇家の家紋とかでも使われているものなのだが、その起源を遡るとシュメール文明やユダヤ等との結びつきがあるという説がある。これも神話宗教の話なので別で考察をしていくつもりだが、それらの話に紐づけるためのクッション表現なのではないかというのが今の私の考えだ。

📌三つ葉紋

三つ葉紋はWWWの世界のものを示すもしくはその世界を作った組織のマークだと考えている。
ちなみに「WWW→草草草→三つ葉紋」というギャグみたいだけど納得感はある紐づけもある。
今検討するなら「三つ葉紋はWWWの世界のもの」という枠づけの考察。
今までのMVでの三つ葉紋登場シーンをまとめてあるのでこちらを参考に各自考察を膨らませてほしい。
ここからある気付きを得たので次の項目で紹介する。

🚩 三つ葉紋ありのシーン
田中ヒメの札(基本)
鈴木ヒナの帽子(基本)
工務店カルタの提灯(ヒトガタ)
WARNINGと書かれた隔壁(ヒトガタ)
大型装置内のモニュメント(ヒトガタ)
カプセルに入った製作中のヒメヒナパーツ(ヒトガタ)
カプセルに入った玉(琥珀の身体)
古文書(ヒトガタ)
幼少期の教会(ヒトガタ)
ハインとハイムの墓(ヒトガタ)
ホログラムの街(ヒトガタ)
城内(ヒバリ)
城門(ヒバリ)
オキザリス科学研究所の白衣(藍の華)
HIMEHINAピアノ(藍の華)
カジノ会場(不機嫌なスリーカード)

📌WWWの世界とヒメヒナの過去

注目するのは、三つ葉紋がある場所はWWWの世界であるという前提と、MVのミニヒメヒナのカット
この事から「ヒメヒナはWWWの世界で生まれ育った」という考えが膨らんでくるのではないだろうか。
これについては「生まれはWWW、血はW型」という言葉からも推測できる。
これで何がいいのかというと、「人間としての幼少期が別にあった」という説が少し弱くなったということだと思っている。

ここで少し心熱くなってきているのは、
「ヒメヒナ幼少期のリリアンの本の読み聞かせのシーンはWWW内の出来事だった」
という可能性への気づきだ。
とはいえ深掘りを始めるにはまだまだ早い。これではミニヒメ×研究所のシーンの説明がつかない。今後の情報に期待だ。


📌WWWの世界構造

歌詞考察の時にWWWはプログラミング等で作られた仮想世界であるという考察をしたからか、このシーンを見るとWWWの世界構造や目的について示されているように思える

◆このシーンに含まれる要素
・PC周辺機器
・ガラスのモニター
・石の建造物の瓦礫
・黒くなった植物
・水
・月
・裸のヒメヒナ

抽象的なシーンで明確な意図は図りかねるところなので、特に根拠はないがいくつかの仮説を並べておく。
・これは歴史の水底に沈んだ昔滅んだ石の時代の再生を目論んでいるのではないか。
・ここにいるヒメヒナは当時の人類で、月の民と呼ばれているのではないか。
・そのヒメヒナは今我々の知るヒメヒナではないのだとすれば、その名は「ハイン」「ハイム」ではないだろうか。
・もしその過去の時代に「長寿」に関係するものがあるのだとすれば、未来の人類はそれを利用したくなるのではないだろうか。


📌月の考察

これは「月」であることは確定である。
模様が見慣れないと思うが、この模様は月の裏側寄りの模様で、少しわかりづらいが実際の月の画像と比較すると一致する。

ただ単に安易にわからないようにしたいのか、月の裏側であることに意味があるのか、あるいは月の裏側に光が当たっていることを示したいのかその意図については図りかねるところである。

「ツクヨミ」関連の考察は「➂神話宗教考察」にて。

📌地獄について

今回のMVの地獄はざっくり捉えると釜茹で地獄のようで、見るべきポイントは下記の5点。
 ・その辺にいるのは種類は違えど全部「鬼」という括りでよいだろう。
 ・なぜか鬼たちは釜の中にいる。獄卒としての立場を考えると違和感。
 ・周辺にはギロチンなどの処刑道具があるが、これは西洋のもの。
 ・周辺には石造りの建造物がある。(希織歌とかで出てきた古い建物と同じ)
 ・鬼たちは最後の盆踊りパーティーに一緒に参加している

◆【仮説】鬼たちは古の人類ではないか。
これは鬼たちが地獄の責め苦を受けているように見えるという視点からのもの。
周辺のギロチンは日本の地獄にあると少々違和感がある。これがもし、彼らの特徴を示すものなのだと仮定すれば、このシーンは過去に過ちを犯したか殺された人々が苦しんでいるという意味合いと捉えられる。
ここでの鬼の姿は「罪」に紐づく何かを表しているものとして見ている。
最後の盆踊りで一緒に踊っているのは、本物語上で和解、赦し、救出等の要素が絡んでいるのではないかと睨んでいる。


📚➂神話宗教考察(2023/4/18時点)

📌お面の文化

お面の文化は民族風習、宗教、芸能と様々な場面で用いられてきた。これらには着目したい共通の要素がある。それは、「自分以外の何者かに変身する」という要素だ。
歴史上の人物、物語の登場人物に成り代わったり、他にも先祖の神おろしなどに使われたりしている。

さて、この「自分以外の何者かに変身する」という要素に着目した上でWWWのMVを見てみよう。
彼女らは狐のお面をつけている。狐のお面を用いた演目は調べても見つけられなかったので、一旦この考察では稲荷信仰の狐を対象としていると捉えることにする。

少し宗教上の狐についての情報を書いておこう。
 宗教に出てくる狐には階級がある。
  ・天狐(てんこ):神レベルつよつよ狐
  ・空狐(くうこ):つよつよ狐
  ・気狐(きこ):神の眷属、多少いたずらする
  ・野狐(やこ):人を化かす、いたずら好き
  ・狐:普通の狐(これを野狐ともいうとか?)

階級にも諸説あるようだが、あまり深入りはしない。ちなみに稲荷信仰における神の使いの狐は気狐らしい。聞き齧った話だが、稲荷の神は直接人と関わらず狐を介して人間の願いを聞いていたらしい

細かい話はさておき、今は「お面=変身要素」という繋がりに着目する方が有益だろう。
変身といえば…なりたい自分になると想定されるあの「MR.VIRTUALIZER」が繋がってくる。ここまでの繋がりを踏まえて考察すると、MVの中でキャロルズやヒメヒナが狐面をつけていたのは「バチャライ銃を使った」ことを意味しているのではないだろうか。


📌逆さ言葉の呪い

本来「こわい」と表現されるところを「わらい」と表現を変えている歌詞だ。
日本では古くから本来の意味と逆の意味の言葉を使うと呪いになるという逆さ言葉というものがある。言霊という方が馴染み深いかもしれない。
ただ、今回はこの手の話でよく言われるマイナスのイメージとは逆で、プラスへの変換に見える。その場合ゲン担ぎのような使われ方となるが、まだ意図が不明なので信頼度は低め。
ただ、逆さ言葉の用法は今後大いに使われる可能性があるのでこの用法は頭の片隅に置いておきたい。

今のところこの部分については、前回考察したWWWに関するストーリーの全体概要表現として使われている説を推している。


📌雷神

地獄のシーンの緑色の鬼は太鼓などの特徴から雷神であると推察できる。

ちなみに、雷神は五穀豊穣の神として扱われている。
雷関連の言葉を分解すると五穀と繋がりが見える
 例)→漢字の作りが田んぼの上に雨
   稲妻→漢字に稲が含まれている

下記、参考に日本神話における雷神をいくつかピックアップしてみた。
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菅原道真(天神様)
 →祟りで稲妻を降らせた話から雷神として祀られる。通りゃんせに出てくる天神様とは彼の事。
タケミカヅチ
 →神うみの際、誕生と共にイザナミを殺してしまったカグヅチをイザナギが切り殺した際に飛び散った血が岩について産まれた神。後に「出雲の国譲り」と呼ばれる大国主から国を譲るよう迫った話が有名。初代天皇の神武天皇が熊野で困っていた際も助けた。
黄泉のイザナミの周りにいた雷神
 →イザナミの死後、イザナギは黄泉の世界に会いに行った。しかし、イザナギが見たイザナミの姿は腐敗が進んだ醜い姿だった。その時、イザナミの体に空いた穴から雷神が漂っていた。
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📌鬼について

鬼は地獄の獄卒のようなイメージがあるが実はもっと幅広い意味で表現されている。
ある話では悪魔、ある話では、ある話ではとして表現されたり、他にも死者の魂そのものを鬼と呼んだりもする。
「人の心には鬼が棲む」なんて言葉を聞いた事があるだろうか。深い憎しみや怒りや嫉妬から、人は鬼のように変貌することがあるというお話だ。人の心のさらに奥の「魂」に鬼が元々住んでいるのでみんな鬼にならない気を付けようという話である。

では、ヒメヒナ考察に戻ろう。
前回の考察でも獄卒にしては釜の中に入ったりしていることを不思議に思っていたが、この鬼=人という考えがあるなら納得できる。そうなるとやはりこのシーンに出てくる周辺の処刑道具や石の建物はこの鬼たちの人間時代に関係するものなのだろう。西洋、石と来た時にぱっと思いつくのは「希織歌」MVだ。恐らくあの地域の人々なのだろう。もしかしたらその人たちが「転生」しようとしているのかもしれない。


📌黄昏時

黄昏時というのは時間帯で言えば夕方頃。
逢魔時(おうまがとき)とも言われ妖怪や魔のものと遭遇する時間帯とも言われている。
昔は昼と夜の境目ということから現世と常世との境界と言われていた。

さて、ここで今回のMVの最後のシーンを見てみよう。

夕暮れ時、赤鳥居を境に世界が分かれている。ヒメヒナが赤鳥居を通過してその境界を閉じる。
逢魔時の特徴と符号しているようにも見える。WWWを幽世と表現していたり、鬼夜行あたりの歌詞を見ても妖怪要素も十分ある。ちなみに逢魔時は陰陽五行でいう西の刻でおよそ17時〜19時頃なので、逢魔時の終わりにしては少し早い幕締めにも思えるがそれは演出の都合と解釈してもいい範囲だろう。

もしかしたら、物語上でこの境界は時間によって開閉してるのかもしれない。常に開いているものという線は捨てずにいた方がいいだろう。というのもこのMVで最も伝えたいことが、この幽世のようなWWW世界の方であれば受け手が感じ取りやすい表現の選択をしたとも取れるからだ。

ちなみに逢魔時と似た時間帯として丑三つ時がある。この時間は闇の者がうごめく時間であったり丑寅の刻ということから鬼の出る時間ともされている
この辺りの話は陰陽五行の思想が関係してくる。日本の歴史や神話を読み解く上でバチクソ重要なものらしいので僕と一緒に勉強していこうな。


📌アステカ神話における太陽の創造

ここでは「メキシコ 神話」で検索してヒットしたアステカ神話の中で興味深い話があったので1つピックアップする。

アステカ神話には5つの太陽(太陽神)が登場する。その中で5つ目の太陽を創造するという話がある。
5つ目の太陽の話を超簡単に説明すると、まず、アステカ神話では太陽ごとの時代があり、4つ目の太陽の時代が終わり5つ目の太陽を迎えるにあたって5つ目の太陽を作ることになった。太陽の作り方はふたりの神(テクシステカトルとナナワツィン)を生贄にするというもの。いくつかの儀式を終えた最後に炎に飛び込んで太陽となるのだが、この時勇猛炎に飛び込んだナナワツィンが太陽となった。テクシステカトルは飛び込むのを4回もためらったことから最終的に炎に飛び込むものの神々によって月に変えられた。しかし、血が足りず太陽は動かなかった。このとき神々の心臓を太陽に捧げたことでこの問題は解決した

ちなみにこの信仰において生贄というのは神聖なこととされており、祝い事では大規模な生贄の儀式がよく開かれていた。この感性も1つのポイントとなる要素だと思う。深いところを調べるとビックリするような話がポンポン出てくるので調べる時はお気をつけて...。

この辺りの話を見た後に気になるのは「太陽系デスコ」MVのこのセリフ。
「ヒメね、太陽みたいになりたいんだ」
「ヒメならなれるよ、太陽に」

(クソデカ溜息)
考えるのもしんどいが、ヒメが何かの目的のために自ら生贄になるようなシーンがあるのかもしれない。また、ヒメヒナを神格化している空気感はこれまでの曲の中からも漂ってきているので遠からずなところだろう。今後の太陽表現は要チェックだ。


📌ツクヨミについて

ツクヨミとは日本神話のアマテラススサノオと並ぶイザナギから生まれた3柱の神で月の神夜の神などと言われている。ヒメヒナ考察においては「Hello, Hologram」で天照が登場しどんどん神話色が強まってきたので注目しておきたい神である。
ただ、ツクヨミ単体ではそもそも文献が少なく、上記以外には日本書紀ウケモチという神が口から飯を生み出しているのをけがらわしいと怒って殺してしまうお話があるくらい。この話は五穀の誕生とも言われている。(ちなみに古事記ではここの組み合わせがスサノオ大月姫になっている)

これぐらいしか話が無いのであとは様々な歴史考察をつまみ食いしながら考えるしかない。ちなみにツクヨミは海を越えて他の神話に痕跡を残しているらしい。
色々なツクヨミに関する歴史考察を調べているが、正直なところまだヒメヒナ考察に落とし込むところまで辿り着けていない。なので、とりあえずあたりかはずれかはさておき私が調べたツクヨミ関連の事を次の項目で列挙しておく。

見る前に注意してほしいのは、ここで列挙する話は本当に諸説ある話なので鵜吞みにしてはいけないということ。

・ツクヨミの氏族は海を渡りユダヤの民となって日本に戻ってきた
秦氏がそのツクヨミ氏族の末裔説 (※秦氏は朝鮮から渡来して日本に土木技術や織物などを広めたすごい人)
・秦氏が持ち込んだ信仰は稲荷信仰
赤鳥居は旧約聖書出エジプト記におけるユダヤの民が禍いを避ける目印として玄関の柱に子羊の血を塗らせた話がルーツとも言われている。
・後の神武天皇率いる軍が大和を攻める時、大和を治めていた神ニギハヤヒの称号の中にはアマテラス・スサノオ・ツクヨミの3氏族を示すものが含まれていた。
・天皇の家紋にも使われている16菊花紋ユダヤとの繋がりを表す他、世界各国の建造物に見られる。

他にも気になる話はあるが、一旦ここまでで。気になる人は日本神話、旧約聖書あたりから調べることをおすすめする。YouTube等で歴史考察系のチャンネルを探すと分かりやすくまとめてくれていたり、踏み込んだ見解を聞けるのでおすすめだ。


📌竹取物語

月関連の話で日本のお話といえば「竹取物語」が有名である。
「かぐやひめ」という絵本でも広く知られる話だがこの最後のシーンに注目すると、「月」「天の羽衣(羽織ると感情を無くす)」「不死の薬」というヒメヒナ考察勢としては見過ごせないキーワードがある。

最後の軽いあらすじを書くとこんな感じ。
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月の従者がかぐや姫を迎えに来て、月の都に連れて行こうとするときに天の羽衣と不死の薬を持ってきた。かぐや姫は月の従者を制し、別れの前に手紙と歌を書き不死の薬を添えて帝へ送った。天の羽衣を来たかぐや姫は感情が無くなり月の都へ行ってしまった。その後、薬を受け取った帝はその薬を飲むことなく日本で一番高いふじの山で焼いた。
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この話をヒメヒナ考察的に表現を合わせればこんなイメージになるかな。
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月の従者(科学者)に月に連れて行かれる時、天の羽衣を着させられ感情(心)を奪われ不死の身体(琥珀の身体)を手に入れた。
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これだけでもホクホクしそうな話である。蛇足的な部分になるが、少々神話的テイストを含ませて想定できそうな物語を自由に考えてみた。
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1.「ハイム」は神になる事を選んだ(または選ばれた)。
 ここで言う神は例えば人類の進化という意味の人間のバーチャル化とか
2.神になる過程で彼女は感情を覗かれたり奪われたりと操られたりなど好きなようにされる
3.それらを過ぎ、不滅の特徴のある琥珀の身体を手に入れる。
4.そうなった時、新たな人類の名前として「ヒメ」を名乗るように変わった。
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諸々WWW出身とかいう考察どこいったねんとかいうツッコミがでてきそうだが、細かいことは置いておいてこの竹取物語モデルベースのストーリー考察は一考の価値がある。



以上が私の「WWW」考察である。
アルバム曲を全て考察した2023/6/19時点の自分からすると、「あー、これはあれなのにな(笑)」「まあこの時点ではわからんよな(笑)」みたいなことを思っているのだが今回のまとめでは特に手を入れるつもりはない。
大きな進展があればまた新たな記事を書くだろう。

それでは、ごきげんよう👋

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