プロブロガーの理(13)

「例えばさ、城井さんがその仕事に没頭してるんだったらいいわけ。ああ、この仕事価値あるんだなとわかる。没頭。これ結構大事な言葉。そして、今持っている熱量。これが見え隠れしていればその仕事に間違いはない。今の城井さんには欠けてるものだよね。」
なるほど。一理ある。
「だからといって今回君に用がないわけではない」
へ?あの新上夏生が僕に何かあるのか?考えてみればどうして新上夏生が僕みたいな一般人と会うことをよしとしたのか、気になるところではある。
「僕の寺子屋に入ることを考えてほしいんだ」
「寺子屋?なんですか、それは」
間宮が間に入ってきた。
「要するに新上夏生のサロン型教育機関だね。新上先生も近頃伸び悩んでてさ。現状を打破するために寺子屋サロンを開こうというわけ。簡単に言うとプロブロガーを育てるんだよ。新上夏生先生みたいな執筆家をさ」
ビビビと来た。新上夏生先生みたいな執筆家を育てる?それに当てるために間宮が紹介してくれていたのか。若干歓待の色が湧く。
「これってまさか会社続けながらってことですよね」
「そうそう。会社をやめてもやめなくてもいい。そこは君に任せるよ」
ありがたい申し出である。一気に僕の人生花咲くような気がした。
新上夏生先生に師事できる。こんなに光栄なことなかなかないだろう。
間宮と僕を残して新上夏生は次の予定へ向かっていった。寺子屋の門下生としての僕の印象は悪くなかったようだ。何かを抱えている。その印象が強かったという。

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