三浦大知『球体』初日@人見記念講堂レポ

三浦大知初の独演ツアー『球体』初日に行きました。三浦大知はいつも何人もダンサーを付けて豪華な感じでライブをしているんだけど、今回はバンドもダンサーも無しでひとり独演。公式から示された本ツアーのイメージはこう。

アルバム「球体」にはNao'ymtプロデュースによる断片的かつ群像劇的短編小説のような17の楽曲が紡がれ時空を越えた物語が描かれる。同名公演「球体」は三浦大知自身が演出、構成、振付し、ひとり歌い踊り、この物語を体現する。球体の向こうに、あなたは一体何を見て何を思うだろうか。

公演中は内容を理解どころではなく圧倒され続け、公演終了後に記憶を辿って初めてじわじわくる良さ。あんまりこういう感動の仕方って無い。普段は「かっこいいー!」って思ったらすぐパァンって脳幹にクる感動が多いから。

前回の『BEST HIT TOUR』追加公演が”リアルにカッコイイ大知”なら、今回の『球体』は”遠くて後光が差してそうな大知”。

彼が歌い、踊り、演じて、どんどん『球体』の世界になる。なるんだけど何処か置いてけぼりの私たち。とにかく意味深演出のオンパレード。何でそんなにガラス瓶にスポットライト全力で当てるの?その巨大な指輪みたいなモニュメントは何??今何で着替えた???ていうかその「きみ」と何があったのさ????

演出だけじゃない。なんとこのツアー、アルバム発売日をツアー最終日に持ってきて、「全公演全観客がセトリを一曲も聴いたことがない」というのをやり続けるらしく、正直歌詞も聴き取れないことがある。だけど、その不確実さでより脳が集中する。想定出来ない演出たちから逃れられなくなる。

そして、今まで観てきたどのダンスよりも今日が一番感情的なダンスだった。ファン歴こそ1年未満だけど、ありとあらゆるMVや過去の出演番組やライブ映像も見まくってきた。それでもまた今日「一番かっこいい」を更新されてしまった。四方八方からスポットライトに照らされて舞台ど真ん中で踊る三浦さんから「この世界観を表現するんだ」という気迫を感じる。あまりにもダンスから目が離せなくて口を覆いたくなったけど、その様を眼で追うのに必死で手すら動けなかった。

意味深なだけじゃなくきちんとキャッチーな振付を入れてくれるところがある。魚、だったら両手をカーブさせて泳ぐ様子を表現する、とか。良かった良かった、『球体』の世界でもこっちの世界でも魚はそういう動きで共通してるのねって。こういう風に、『球体』の世界観と現世を繋ぐものを律儀にちりばめてくれるから集中して観ていられた。

良いエンタメを観た後の放心状態のために生きているところがある。今日の三浦大知の公演はまさにそれ!三浦大知さんそしてスタッフさん、想いは私に届きました。気迫をありがとう。いつまでも夢から覚めないでください。

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