母。

私の母のお話。

昭和33年。私の母は愛媛県の山奥の5人兄弟の長女として生まれた。
母の幼少期は明るい人見知り。
知らない人とは喋れないけど、仲良くなった途端に機関銃のように明るく振るまうタイプの子供だったらしい。

母はよく母の母、つまり祖母にかまって欲しくて、当時がむしゃらに働いていた祖母にわざとお漏らししたり、泣いたり、とにかく甘えることが下手くそな子供だった。

中学を卒業すると集団就職で大阪に上京した。そこでは主にテレビを作る流れ作業で母は身体は小さいが、田舎育ちのおかげで力はあった。
一番力のいる仕事を任せられて、当時15才の彼女は負けん気だけは強かったので、弱音を吐かず必死で頑張っていた。

母はとても男好きで、ハードスケジュールにもかからわず、様々な男性と頻繁にデートを重ねていた。

過去に付き合って1年目の彼と旅行したとき、いきなり抱きしめられたので
びっくりして跳ねのけたと聞いたことがあった。。。

母は男は好きだけど、身体は許さないタイプだったらしい。

母が、中華料理店の注文聞きの仕事をしていたときに大酒飲みのホラ吹き男が常連でよくきていた。
飲んでは店の外で吐く、それをいつも母は背中をさすってあげて解放していた。

それが父との出会いだった。


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