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イオングループの自粛期間をどうやって乗り越えた?営業利益などの決算内容は?

今回は前回の記事に関連して、イオングループの業績について調べたいと思います。

イオン過去5年間の営業利益を確認する

まずは有価証券報告書にて、2019年2月~2023年2月の経常利益(営業利益)を見てみましょう。

イオン 有価証券報告書2023年

2021年2月の当期純利益だけは赤字になっています。

しかし経常利益は111億円~222億円の範囲となっています。自粛期間があった2021年2月や2022年2月でも経常利益は赤字になっていません。

自粛期間である2021年2月のイオン決算資料は?

では、2021年2月の決算資料を見てみましょう。

イオン 決算資料2021年

総合スーパー(GMS)事業が赤字156億円、サービス・専門店が赤字176億円となっています。

しかしスーパーマーケット(SM)事業が黒字506億円、ヘルス&ウエルネス(ドラッグストア)事業が黒字415億円となっており、小売り業としては致命傷を受けなかったと思われます。

決算説明資料にも、「ライフラインとして営業維持」と記載がありますね。

しかし自粛期間があったにも関わらず、イオンモール等の運営を行っているディベロッパー事業が黒字だったのは気になります。

次はディベロッパー事業の状況を見てみましょう。

イオン 決算資料2021年

第1四半期(2020年3月~5月)で全館臨時休業していますね。しかしその後は、防疫対策をして営業再開しています。

2020年から2021年にかけては色々ありましたが、イオンモールなどの客数は減少していなかったようです。

これなら、ディベロッパー事業の営業黒字も納得ですね。では、イオングループの経営に何の問題もないのでしょうか?

イオン 決算資料2021年

こちらは決算説明に記載されている内容ですが、イオンの営業利益は金融事業やディベロッパー(イオンモール等)事業が半分以上を占めた年が存在します。

小売りの代名詞ともいえる会社が実は、金融事業や商業施設で半分以上の利益を稼いでいるのは、あまり健全ではないのかもしれません。

それゆえか、小売事業の利益を半分以上にする目標を掲げていました。

イオン最新の決算資料は?

では、2024年2月ではどうなったのでしょうか?

イオン 決算説明資料2024年

まず総合スーパー(GMS)事業などの赤字は解消され、主な事業は全て黒字化しています。

GMS(総合スーパー)+SM(スーパーマーケット)+ヘルス&ウエルネス(ドラッグストア)で1,128億円の営業利益となっています。

一方で、金融事業+ディベロッパー(商業施設)事業で938億円の営業利益となっています。

無事、小売り事業の営業利益が非小売り(金融事業+商業施設)を逆転していますね。

この2024年2月の決算説明資料を見る限り、ひとまず健全な状態に戻ったと思われます。ひょっとしたら株価が割安か調べてみるのも良いのかもしれませんね。

また機会があったら、イオングループあるいはその子会社について調べてみたいと思います。ここまで読んで頂きありがとうございました。

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