『THIS IS US』とスフィアン・スティーブンス「Death With Dignity」

2018年の年明け、再放送されていた『THIS IS US 36歳、これから』を観た。評判のドラマだったけれど、すごくおもしろい。グッとくる。

http://www4.nhk.or.jp/this-is-us/


「俺はお前を見た瞬間にピンと来たんだ、お前はうちの子だって。運命だったんだよ、最初から息子なんだ」

主人公は人気若手俳優のケヴィン、脱肥満を目指すケイト、黒人エリートサラリーマンのランダルという、誕生日が同じ36歳の男女3人。36歳となった3人のそれぞれの変化、そして同じ家で兄弟として育った過去が交差して描かれる。

過去パートで描かれる父親のジャックの言葉、無器用ながらも子供に対して真っ直ぐに向き合うさまが、すごくグッとくる。

音楽もいい。主題歌はスフィアン・スティーブンスの「Death With Dignity」。


曲はアルバム『Carrie & Lowell』に収録されている。タイトルは彼自身の母親キャリー、そしてその再婚相手ローウェルからとったもの。とてもパーソナルな内容だけれど、実は『THIS IS US』のテーマとも通じ合っている。家族の記憶がその後の人生を支え続けているということ。死の喪失を乗り越えるということ。そして父性のあり方について。

『THIS IS US』は「感謝祭」のエピソードがとても好きで。大変な状況で子供たちを喜ばせようと咄嗟に生まれた父親のユーモアや機転が、その後の「家族のならわし」になっていく。

そういう物語の描き方も、スフィアン・スティーブンスと通じ合っているような感じがある。




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