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Skylar Grey「I Know You」/『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』と、愛する相手を傷つけてしまう男の系譜


アメリカのシンガー・ソングライター、スカイラー・グレイの新曲「アイ・ノー・ユー」。映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』に提供した曲で、この映画のサウンドトラックにも収録。これ、すごくいい曲なんだ。切々とちぎれるような恋の思いを歌っている。

映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』、僕自身はまだ観てないんだけど、この曲聴いてグッと観たくなった。原作は全世界で累計1億部を超える大ベストセラー、2月13日に公開された映画もアメリカや各国で興行収入ランキング1位を記録する大ヒットになっているらしい。

映画のストーリーは、巨大企業の若きCEOグレイと、それまで恋愛経験がなかった女子大生アナの特異な恋愛模様を描くという内容。そこに出てくるのは「BDSM」、Bondage(ボンデージ)・Discipline(ディシプリン)・Sadism(サディズム) & Masochis(マゾヒスト)の略で、すなわち嗜虐的な性愛の形だ。

この曲も、当然その映画を踏まえた歌詞が歌われている。

So please, I know you baby I know you baby
(お願い、あなたのことならわかってるよ。わかってるから)

というのが、サビの歌詞。

I have been patient, but slowly I'm losing faith
(今までは耐えてきた、だけどゆっくりと信じるものを失くしてく)

というリリックもある。お互いがお互いを縛り合うような愛に溺れていくさまが歌われる。

どこかで聴いたことがあるなあ……と思っていたら、思い出した。この曲だ。

エミネムとリアーナのコラボレーションによる大ヒット曲「ラブ・ザ・ウェイ・ユー・ライ」。エミネムのアルバム『リカバリー』に収録され、そのアンサーソングでもある「part 2」が、リアーナの『ラウド』に収録されている。この曲を手掛けたのが、やはりスカイラー・グレイだった。

Just gonna stand there and watch me burn
(ただそこに立って私が炎に包まれるのを見てればいい)
But that's alright because I like the way it hurts
(いいの。傷つくのは平気だから)
Just gonna stand there and hear me cry
(そこに立って私が泣いてるのを聴いてればいい)
But that's alright because I love the way you lie
(いいの。嘘をつくあなたが好きだから)


you ever love somebody so much you can barely breathe
(息もできなくなるほどに誰かを愛したことなんてないだろ?)
when you with em you meet and neither one of you even know what hit em
(あいつといた時、出会った時、何に惹かれたのかもわからないままに)
got that warm fuzzy feeling
(お互い、あったかい気持ちになったんだ)
yeah them chills used to get em
(そう、二人とも冷たい気持ちに慣れてたのに)
now you’re getting fuckin’ sick of lookin’ at em
(それが今じゃ、お互いの顔を見てるだけで吐き気がしてくる)
you swore you’d never hit em, never do nothin’ to hurt em
(相手を殴ったり、傷つけるようなことはしないって誓ってたのに)
now you’re in each other’s face spewin’ venom in your words when you spit em
(今じゃ唾を飛ばしあって、ひどい言葉で罵ってる)
you push pull each other’s hair
(お互いの髪を引っ張っりあい)
scratch claw hit em throw em down pin em
(爪でひっかき、倒れて動けなくなるまで殴りつける)
so lost in the moments when you’re in em
(そうなったらもう我を忘れてしまう)

この曲のテーマはDVについてだけど、やっぱり切々とした恋の思いが描かれている。愛する相手を傷つけてしまう男と、それでも惹かれてしまう女。スカイラー・グレイというソングライターの真骨頂を示すような曲だと思う。

映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の予告編はこちら。

同作のサウンドトラックには、他にもウィークエンドの「アーンド・イット」やエリー・ゴールディング「ラヴ・ミー・ライク・ユー・ドゥ」など良曲が揃っててオススメです。

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