ドローンの課長 ④
課長は綿矢りさのファンらしい。2004年芥川賞のダブル美少女として話題なったあの綿矢りさである。
最新作はその名も『パッキパキ北京』だそうですよ。
なるほど綿矢推しと北京オタクの二兎を狙っているんだな?
しかもコロナ禍真っ只中のロックダウン北京ですからね。実際その時期にご家族の事情で滞在していたらしいです。
数万人の同胞があの地に在住しているからな。考えてみれば北京ならアジア系差別とか戦争やテロの心配もないし楽園かも知れん。食べ物が口に合うとか合わないとか言っても食欲は本能だからな。
まあ気をつけてくださいね駐在員妻の知り得ない世界には。
残念ながら行き先は北京とは限らない、どこに飛ばされるやら、論よりカードだ。
空には無数のドローンが浮かんでいた。
課長がシャッフルし始めたカードには「領」「国」「唐」「郷」「風」「匈」などの一文字や「守銭」「売国」「汚染」の二文字、「一国二制」「曖昧な態」などの四文字が記されていた。
410文字
書評を書こうとしたのですが、ついSSになりました。「◯◯の語る●●」という本のあり方はこちらのお題「〇〇の●●」に似ていませんか。〇〇と●●の交わり部分でありながら、全体から見ても興味深い物語でありたいものです。
たらはかに様のお題に参加しています。
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