見出し画像

【インド旅行記】アムリトサル(ゴールデン・テンプル編)

前回記事に書いたように、5年ぶりにアムリトサルを旅行してきました。
2泊3日。ただ行きの長時間バスによる疲れで、頭痛吐き気を催し実質稼働はほぼ1日。寝台バスか3Aクラス車両以上の鉄道移動を強くお勧めします。

旅行の主の目的はパンジャブ料理を食べまくること。前回記事に行ったお店をまとめてあります。どのお店も美味しかったです。

旅の目的が飯であれど、アムリトサルに来たなら欠かせない場所がひとつあります。それがハリマンディル・サーヒブ(通称ゴールデン・テンプル)。
インド人といえばお馴染みのターバンを巻いている人たちの宗教(シク教)の総本山の寺院です。

インドのことをあまり知らない人は「インド人はみんなターバンを巻いている」といったイメージを持っている方も多いと思いますが、実際にターバンを巻いているのはこのシク教徒のみで、全インド人口なんとたった2%程度のみなんです。
これはシク教徒が貿易業や銀行家などの仕事に従事する人が多く、必然的に外国人と接する機会が多く、外国の人が「インド人はターバン」といった印象を持ったからと言われています(諸説あり)。

さてゴールデン・テンプルに入る前にいくつか注意点があります。
まずは服装から。
1.短パン、ショートスカートで行かないこと
2.ノースリーブ着用禁止
3.頭を布で覆うこと(近くで40ルピー程度で売っています)
4.裸足(靴は入口向かって左側の靴預かり所で預ける)

靴預かり所。必ずトークンをもらってください

そして寺院内でのルール
1.入場前に入口左の手水舎で手を洗う
2.入場時は入口で足を洗う
3.寺院内での写真撮影禁止

これらが守るべきルールです。正直、写真はみんな撮っていますが(笑)

中に入っていくと、いきなり燦然と輝くゴールデン・テンプルが見えてきます。この初見でやられます。美しすぎる!!
ただの美しさじゃないんですよね。清く、神々しくて、幻想的で・・・
僕の語彙力では表しきれませんっ!とにかくヤバい!!

寺院の周りは大きな人工池で囲まれています。池に反射して映るゴールデン・テンプルがより一層幻想的な雰囲気を演出します。

ゴールデン・テンプル(夜)

この池で沐浴するもよし、手足や顔を清めるもよし。
そして池の周りを一周します。
床は白い大理石。模様も優雅です。

ゴールデン・テンプルの床

僕はこの池の周りに腰掛け、ただボーっとゴールデン・テンプルを眺めている時間が大好きです。
ただただ平和な時間が流れていきます。一切のストレスが存在しません。心がみるみるうちに穏やかになっていきます。

この平和な空間を作り上げるのが前述のルールです。
みんながシク教に敬意を示すためにルールを守って入場している。つまり、そういった澄んだ心を持っている人しかこの場所にはいないのです。

そしてシク教の教義というのも大きく関係しています。
シク教徒の最終目標は神と合一すること(通称ムクティ)。そのためには現世での人々に対する奉仕が重要となります。なのでシク教徒は奉仕の心がスゴイ!
そのためゴールデン・テンプルは入場無料。
水の無料配布所もあり、さらには食事も無料で提供しています(後述)。
これはすべてシク教徒による奉仕活動により成り立っています。つまり何かにつけてお金を取られるという心配はありません。

これらの環境から生まれる完璧な安心感、そしてシク教徒たちの美しい信仰心がゴールデン・テンプルの持つ唯一無二で平和な雰囲気を作り上げているのです。

満足いくまでほとりで座ったら、いよいよ名物のランガルです。
前述の無料の食事提供所です。これが本当に凄いんです。
「世界最大のキッチン」と言われており、1日でなんと10万人に食事を提供しているのです!!

ランガルホール

このランガルホールの中で食べるターリー(定食)がまた格別なんですね~。味ももちろん美味しいのですが(特にダールが好き)、何よりあの雰囲気の中でいただく食事が最高です。
実際に奉仕として働くシク教徒が配膳をしてくれて、知らないインド人たちと肩を並べて食事をいただく。
心から感謝して食事を楽しむことができます。

これはマストで体験してほしいです!

多少場所などわかりづらいと思いますので、手順も記しておきます。
場所は入口から見て左側。近くに行くと「Langar Hall」と書かれています。
一階で手を洗ってから食器をもらい(皿とカップとスプーン)、2階に上がりシク教徒の指示に従って着席する。
食べ終わったら一階に降りて食器を返す。

メニューは基本ローティ(小さめのナン)、カレー2種、ライスです。
ベジタリアン料理です。
配膳係が常に循環しておかわりをつぎに来てくれます。もしおかわりが不要な場合は皿の上に手をかぶせるジェスチャーをしてください。それがお代わり不要の合図になります。

ランガルでお腹いっぱいになったら、残すは寺院参拝。
これがめっちゃ並びます。時間帯にもよりですが、30分は並ぶかと。
中では参拝のルールなどありますが、基本は前のインド人がやっているようにやることです。

シク教は偶像崇拝が禁止で、神様は実体をもたない「唯一なるもの」と言われています。なので寺院内に神様の姿はなく、代わりに崇拝されているのが「グル・グラント」と呼ばれる聖書です。寺院の一階にあります。

ゴールデン・テンプルは24時間オープンしていますので、時間を気にすることなく心いくまで楽しんでください。
おすすめの時間帯は夜と朝。夜の寺院の輝きは必見ですし、朝の平和で静かな雰囲気もまた至高です。

ランガルホール近くには無料の宿泊施設もあるので、そこにステイするもよし。僕は5年前に来たときはインド人の友達と池のほとりで寝袋を敷いて寝ました。あの時の朝は一生忘れません。人生最高の美しい目覚めでした。
今回は体調不良のためスキップしましたが、次に来たら絶対またあそこで寝ます。

本当にこのゴールデン・テンプルがインドで一番好きかも。
アクセスがあまりよくないのですが、インドで時間がある方は是非一度訪れてほしい場所です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?