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【洋画】素晴らしき哉、人生!(1946)

監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームズ・スチュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、ヘンリー・トラヴァースなど
上映時間: 2時間10分

クリスマスといえばの名作「素晴らしき哉、人生!」、久々に鑑賞しました!僕の人生トップ3映画に確実に入ってくる、大大大好きな作品です。

いやーヤバかったです。鑑賞するのは三回目だというのに、泣きすぎて何がなんだかわかりません(笑)。とりあえず話の筋の解説から。

1945年のクリスマス・イブ。天国の大天使が、二級天使のクラレンス(ヘンリー・トラヴァース)を呼び、ニューヨークのベドフォールズという町にいるジョージ・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)という男を救うように命じます。彼は人生で絶望の淵に立たされ、自ら命を投げ出そうとしているところ。

そして大天使はクラレリスにジョージの状況を説明するために、彼の幼少期から現在に至るまでの人生の歩みを見せていく、というストーリー。

まずこの映画の最も優れているのはキャラクターだと思います。ここまで全てのキャラクターが魅力的にできている映画って他にないんじゃないでしょうか。町の住人がみんな本当に素朴でいい人たちなんですよ!町のみんなで助け合って生活してるのって、本当に素敵な暮らしだと思います。現代では忘れかけられている幸せですよね。そしてその全員が感動のラストにつながっているんですよね。マジ凄すぎ。

特にジョージとメアリーは最高ですね。たぶん観客全員が、二人が愛おしくて仕方なかったです。ジョージは究極に愛される男だと思います。でも決して完璧人間ではないんですよね。タバコも吸うし、わりとカッとなりやすい方だとも思います。でも他人の為に自分の人生を犠牲にできる男です。こういう人情に厚いキャラクターだからこそ、町の人も観客も天使も、みんなジョージを応援するんですね。

メアリーはそんなジョージの最高の妻です。新婚旅行の費用を、旦那の会社の倒産危機から救うための費用に自ら回したり、おかげで何とか倒産危機を免れたジョージを家で温かく出迎えたり、家で取り乱しているジョージからすべてを察し、それを咎めることなく優しく彼をサポートしたり。
お金じゃなくて、愛と幸せの為に生きる。こんな素晴らしいい女性がほかにいるでしょうか!!最高の夫婦です!!!

悪役を一身に受けるヘンリーも非常に重要なキャラクターです。わかりやすくジョージたちの真逆のような人間です。金がすべてで、そのためなら他人の不幸も厭わない。悪い奴なんですけど、人を殺したりして極悪人にまでは仕立てないのがポイント。なぜならこの映画は悪を打倒し、爽快感を得ることが目的の映画じゃないからです。彼はいわば我々の反面教師なのです。

ストーリーもまあー無駄がないこと。最後に伏線がきれいに回収されていく様は見事!そして「天使」という設定も凄いですよね。下界のストーリーがリアルなだけに、そこに天使が入ってきると急にリアリティがなくなり、普通は冷めるはずなんですよ。
そこをあの天使の汚いオッサン具合と、ジョージが天使という存在を一向に信じようとしない姿勢がリアリティを保ち、現実とファンタジーの奇跡の融合を演出しているのです。

セリフも秀逸。特に献身的にジョージに尽くし、貧乏な生活を厭わないメアリーに、ジョージがベッドで語り掛けるシーンは素晴らしい。言いたいことは色々あるだろうに、彼が放った言葉は「Hi」のみなんですよ。そして静かにキスする二人。そこには形になっていないだけで、確実に二人の心の会話が存在しているんです。素晴らしい演出です。

こんな超絶素晴らしい映画が約90年前に出来てるって、マジで驚愕です。第二次世界大戦間もなくの文明も発達しきっていない時代に、こんな芸術作品を作った監督はじめキャスト全員もあっぱれです!

「素晴らしき哉、人生」は現代に生きる我々が忘れかけている大切なものを思い出させてくれる、そんな映画です。これからも時代が進み文明が進歩するにつれて、この映画はさらにかけがえのないものになっていくのではないでしょうか。ひょっとしたらこういう未来を予期して、監督はこの作品を作ったのかもですね!
これからのクリスマスは、毎年これ見よう。

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