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【洋画】氷の微笑(1992)

監督:ポール・バーホーベン
出演:マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン、ジョージ・ズンザ、ジーン・トリプルホーンなど
上映時間:2時間8分

「氷の微笑」初鑑賞。オリジナルのタイトルは「Basic Instinct」、直訳すると「基本的本能」といったところ。氷の微笑とはよく訳したものです。

元ロックスターでナイトクラブオーナーのジョニー・ボズが自宅の寝室で殺されていた。ボズは裸で両手を縛られ、現場には血の付いたアイスピックスが残されていた。刑事のニック(マイケル・ダグラッス)と相棒のガス(ジョージ・ズンザ)はボズの恋人であり、事件当日も行動を共にしていたキャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)の元を訪れる。

キャサリンは資産家で美女。大学では文学と心理学を専攻していた優れた頭脳の持ち主である。ミステリー作家で実際に起きたゴシップを基に小説を書いている。キャサリン曰く彼女はボズの恋人ではなく、肉体関係を持っていたのみで、有力な証拠も出てこない。ただ彼女の書いた小説にはベッドで両手を縛り付け、アイスピックスで殺害する場面があり、事件ときわめて類似している。

取調室に連行するも事件への容疑を完全に否定し、ウソ発見器にかけても針はビクとも動かない。警察は彼女への容疑を弱めるが、ニックだけは直感的に彼女が犯人だと信じて止まず、ひとり彼女の捜査を続ける。

ニックはキャサリンの家を再度訪れる。するとゴシップに事欠かさないキャサリンは既にニックの全情報を握っていた。彼は過去5年で4度も発砲事件を起こしていて、うち一回は観光客を殺害している。署内では「早打ちのニック」とバカにされていた。彼は精神科に通っており、そこでのファイルがキャサリンの手に渡った模様だった。

精神科医で恋人のベス(ジーン・トリプルホーン)に問いただすと、内務課の捜査官ニールセンが渡したと知り、ニックはニールセンと掴み合いの喧嘩をする。後にニールセンは何者かによって射殺され、疑いをかけられたニックは停職処分を言い渡される。

おもしろい!!これはかなり革新的なアイデアだと思いました。「死の恐怖」と「性的欲望」という二つの異なる、強大なパワーが共存するという、恐るべしコンセプト。「エロくて怖い」。このような感覚は初めて味わいました。その両方の感情が最大限に引き出されています。

恐怖に関してはヒッチコック監督同様、BGMと恐怖を予感させる演出が秀でています。最初の衝撃的な殺害シーンも、後々凄く尾を引くことになります。

そしてエロ。シャロン・ストーン自身のセクシーさも然ることながら、演出力が見事だなと。圧巻なのは取り調べのシーン。まず下着を着けずにあの白ニットって!エロい!エロ過ぎる!!!過去観た女性の格好の中で一番エロイかも。取り調べ中の足の組み替えも、息を飲んで見てしまいます。あのシーンを見ているときの自分の顔だけは誰にも見られたくないです(笑)

シャロン・ストーンも相当に体を張っています。ヌードシーンが何度あったことか。何度見てもたまらないプロポーションです・・・なんかエロビデオのレビュー書いてるみたいです(笑)

キャラクターとしてもキャサリンはかなり良くできています。文学と心理学を極めており最強の頭脳を持っている。そして自分の感情を完璧にコントロールできる。ちょっとハンニバル・レクターを思い起こさせるキャラクターです。そしてエロい。頭がよくてエロい・・・女性としても最強です。

ストーリーもかなり優秀です。数えきれないほどの人が死んでいき、我々観客のミスリードを誘う展開も見事。セリフも洒落ていて、脚本力の高さが伺えます。実はこの映画の脚本は「感情から書く脚本術」という本で紹介されており、それキッカケで鑑賞に至りました。優れた脚本の例として取り上げられる所以は十分に理解できました。

「氷の微笑」は、死の恐怖と性の欲望がマックスボルテージで共存する、傑作ミステリー映画です。「エロくて怖い」という初めての感覚を味わいました。シャロン・ストーンの取り調べのシーンは男性視聴者必見!!

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