【エチオピア旅行記】アディスアベバのぼったくりバーに入った話

エチオピアはアディスアベバに来ています。ケニア行きのトランジットが約20時間あり、その間に観光しています。その中で恐ろしい出来事がありました。一部始終どうぞ。

場所は空港から近いボレ地区。エチオピアの著名コーヒー店を出た後、少し離れたところにある「メルカト」というマーケットへ向かいます。マーケット行きのバス乗り場に向かっていると、ある男性が話しかけてきます。近くのホテルで働いているとのこと。

「今からマーケットに行く」と話すと、「マーケットは今工事中で閉まっている」と。そして彼は今からコーヒーセレモニー&伝統的なダンスショーを見に行くと。コーヒーセレモニーとは茶道のコーヒー版のようなもので、豆を煎る工程からゆっくり見せるという伝統的なセレモニー。めちゃくちゃ見てみたいと思っていたので、彼と一緒に見に行ってみることに。

メインストリートから少し路地に入ったところに入っていきます。特に看板などはなく、思ったよりローカルな雰囲気。中では女の子が7人ほど、ダンスを踊っています。日本人が珍しいのかみんな声をかけてきます。

彼女たちは大学生で、試験が終わったセレブレーションなんだとか。すると1人の女の子が「みんなに飲み物を奢って欲しい」と言い出します。僕は雰囲気を壊さないようにニコニコしながらも、やんわり断ります。すると半ば強引にボトルを持ってきて「ご馳走様〜」とみんなで開け始めました。

僕は笑ってはいるものの、誰よりも貧乏なお笑い芸人。「ちなみに幾らするの?」と聞いても、みんな答えてくれません。これはマズいな〜と思い、ひとまずトイレに行き財布にある現金とクレジットカードをバッグの奥に隠し、僅かな現金だけを財布に残した状態にして、現場に戻ります。その後もしばらく彼女たちのダンスが続きます。

「というかこれのどこが伝統的なダンスやねん」
「コーヒーセレモニーわい」

とか根本的な疑問が湧いてきます。そして完全に怪しいなと。僕は一刻でも早くこの場を逃れたいと思い、タバコを吸うという名目で(普段吸わないけど)外に出ます。すると店のオーナーと名乗る男がやってきます。「どこから来たんだ?」とか「日本は素晴らしい国だ」とか「神戸を知ってる」とかゴチャゴチャ言ってきます。

色々しんどかったので、「そろそろ出国の時間だから」と嘘をつき帰ろうとします。するとオーナーが急いで会計書をもってきます。大体3~5千円ぐらいかなーと思い紙を見ると

「10万円」

!?!?!?!?!?!?!?!?
笑ってしまいました(笑)。完全にぼったくりバーです。新宿歌舞伎町だけだと思っていたぼったくりバーが、エチオピアにも存在しているとは。僕はインドの演劇学校で培った演技力を生かし

「まーじで200ブル(500円)しか持ってない」

と言います。するとオーナーは「こっちも仕事でやってるんだ。君は高いお酒を注文した上に、ダンスも楽しんだ。クレジットカード決済なりなんなり…」

と言ってる隙に猛ダッシュで店を飛び出しました。僕が扉側にいたのと、扉を誰も見張っていなかったのと、野球部時代にセーフティバントを決めまくっていた自慢の脚力を活かして、なんとか逃げ切りに成功しました!扉周りのセキュリティの甘さはアフリカクオリティで助かりました。

しかし本当に油断なりません。気分が高まって易々とついていってしまったのは反省です。ただ店に誘導するまでの手口は中々に巧妙だったなと。後から知ったのですが、マーケットが工事中というのも嘘でした。

既に数人の邦人観光客も被害にあっているとのことで、これからアディスアベバに行く予定のある方、本当に気をつけてください!!

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