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「釣り」と「マーケティング」は同じ

学生の頃から釣りをやっています。途中、ブランクがあったりもしましたが、中学生くらいからなんだかんだと続いている趣味といえばこの釣りです。今回も趣味の話かと思いきや、やはり途中からマーケティングの話になります。どうぞお付き合いください。


瀬戸内海に浸かって釣りしてます

釣りにはいろんな種類があって、浮きを使ったエサ釣りがあれば(一般にイメージされるのんびりしたイメージはこれ)、海で生き餌を使った釣りもあるし、疑似餌を使って自分自身が足で動きながらポイントを見つけていく釣りもあります。海も湖も川も、いろんなところでいろんな魚をターゲットに釣り人は楽しんでいます。
 
自分はその中で、シーバス(鱸:スズキ)をメインに楽しんでいます。
シーバスは主に海の沿岸部分から河川の河口付近、汽水域と呼ばれる海水と淡水が混ざった場所に生息していて、季節や水温などによっていろいろと回遊しています。
 
このシーバスは小さな魚を捕食するので、釣りの仕掛けとしてはそういった小魚を模した「ルアー」と呼ばれる疑似餌を使って挑んでいきます。

釣りの何が楽しいのか

シーバス釣りの醍醐味はまず何と言っても掛けた時の強い「引き」。60cm以上、80cmを超えるシーバスのとにかく力強い引き、水面をジャンプして暴れる様子は一度ハマると抜け出せないものです。アドレナリンがドバーッと出ます(笑)
そしてもう1つの面白さは、これがシーバスゲームの真骨頂でもありますが、その「ゲーム性が高いこと」です。
 
釣り全般に言えますが、いろんな条件がバチッと揃えば魚を釣ること自体は難しくない。ただ、「いろんな条件を揃えること」は腕の見せどころになる。シーバスは特にアクティブな魚でこの条件を"読み解く"作業が本当に面白い。しかもマーケティングと似ている。

釣りの5W1H

これは以前、釣りの戦略を考えながら作ったマインドマップです。おのずと5W1H的なフレームワークになっていますね。マーケティングに限らず考え事の整理に便利な視点でしょう。

5W1HやSWOTなど「思考のフレームワーク」は考え事をするときに何かと便利

釣りにしてもこれらはつきつめようとすればもっと細かくなっていきます。船から狙う場合、陸から狙う場合でも変わるでしょうし、どういう魚(ターゲット)を狙うのかでも変わってきます (捕食なのか威嚇なのか等…)
 
マーケティングもしかり。より広く、深く課題をとらえられれば結果が変わって来ます。

魚はどこにいるのか?

魚を釣るには当たり前ですが魚のいる場所に居なければなりません。そこが全く分かっていなければ水たまりに糸を垂らしているのと同じこと。自然の中で釣りをするには、天気予報、潮見表なんかの情報を見ます。そして現場で足使って、五感で天気や海の様子を感じ取ります。あとは人からの情報。釣りがうまい人って本当コミュニケーション上手。すぐに他の釣り人と仲良くなって情報を集めてしまう。
 
そうこうしてデータやら情報やら溜めていくことで状況が「パターン」として見えてくる。魚のいる場所も「パターン」として、再現性をもって見つけることが出来るようになります。
 
マーケティングも同じで、たとえばウェブマーケティングならGoogle AnalyticsやSearch Console(どちらもサイトのアクセス動向を分析するツール)のようなツールでまずはユーザの動向を数字でチェックするのは基本です。市場調査なんかもやりますね。人の経験や他社の事例から学ぶことも多い。そして実際にいろんな業種や市場、顧客層を相手に様々な施策、プロジェクトの経験を重ねてPDCAを回していくことで「当たる再現性」を見付けていく訳です。

魚にプレゼン?

同じような状況なのに、人によって釣果が変わるということがあります。これは釣ろうとしている魚への餌の「見せ方」=プレゼンテーションが合っているか合っていないかだと思います。出会った魚がどういう状態でそこにいるのかを踏まえると見せる餌とその見せ方が変わってくる。例えば「バチ抜け」と呼ばれるゴカイなどの多毛類が大量発生するような時期は、それら「大して泳げない虫」ばかりを楽して食べるようになるので、小魚を模したルアーで攻めていても食いついてきません。
 
これまたマーケティングも全く同じ。人はどういう環境や気持ちでそこにいるのか、しっかり考えながら見せるモノ、メッセージを変えるべきなんです。いくら美味しそうだからといっても「にんにくタップリ餃子定食」はオフィス街のランチ処では人気メニューにはならないでしょう。

解像度が高いプロの釣行

YouTubeでプロの釣行をじっくり観ると、戦略の組み立て方や現場の状況を捉えたフレキシブルな打ち手の変化など、心底感心してしまいます。解像度の高さが違う。魚へのアプローチ、状態の把握、プレゼンテーション、そして寄せる技術。最終的な釣果が何倍もの差になって表れるのは、こういったフェーズごとの解像度の高さがあるかどうか、そこに適した施策を打てているか、ということの違いなのです。
 
マーケティングでも、1つの施策を打ったら購買が伸びるなんて、簡単な話はありません。よっぽどの偶然が重ならない限り。きちんとねらうべきユーザーを見きわめ、いる場所を特定し、状態を把握して行動変容を起こさせる、これらをしっかり接続させ、結果を出す。一つ一つのフェーズの解像度が高ければ高いほどよい結果が出ます。
 
手前味噌ですが、私たちクラシノの運用事例でもこんなにわかりやすい結果を生み出したこともあります(下図)。これはとあるクライアントさんの事例でウェブからの「資料請求を増やす」という1KPIのビフォー/アフター。それまで場当たり的な施策でやっていたところを、弊社にて1つ1つのフェーズをしっかり解像度高く見極めつつ全体の戦略を組み立てなおしたところ、数字が一気に伸びた、という例です。
つくづく"解像度を高くすること"は大事と思います。

資料請求数が約3倍

次回は私の学生時代の話から、起業にいたる経緯まで書いてみたいと思っています。ではまた!

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