ちょっと何かで見たやつで、こんなこと言ってる女性がいた。

「私、小さいころから習いごと三昧で、そこから塾が始まって、友だちと全然遊べなかった。勉強勉強って言われてやってきた。なんとか頑張って親の望む学校に入って、そこからも次の目標とか与えられてやってきて、いい大学、いい会社って言われてきて、やっとそれなりの会社に入って仕事して充実していたのに、今度は『仕事ばかりしてちゃだめよ。そろそろ結婚しないと』って言われたんだけど、じゃあ、なんで幼稚園の頃から遊ぶことを制限されて勉強していい大学めざして、そしていい会社に入ったの？このあと私が結婚しても次は子ども、そして子どもの教育とか言ってくるってこと？」

あーもう、あるある過ぎてなんもいえねえ。
でもこれ見て
「そりゃ当たり前でしょ。親なら」って思ったあなたは、この先読むとムカつくから読むのやめたほうがいいよ。マジで。

こんな話もある（これは私が目の前で聞いた実話）

うちの長女（当時東大4年生）がある日言った。
「お母さん、今日信じられない話聞いた。同級生と就職後の話をしていて、ある子（もちろん大企業に内定）が、『仕事は頑張るけど、結婚して出産したら辞めるよ。ママがしてくれたみたいに子どもの受験一緒にやりたいから』って言ったんだよ。何それ？じゃあなんで小さいころから勉強頑張ってこの大学にきたの？って思ったよ…」と。その話があまりに衝撃で、たまたまその日都内でごはんを食べてた（都内在住の）ママたちに「…って話で、驚いて」って言ったら、そこにいた数人が「そりゃそうですよね（よいお相手を見つけるために受験を頑張っているのだから当然という意味らしい）」って言ったことに二重にショックを受けたよね…。

いろいろな角度でツッコみたいことはあるんだけど、ともかく言いたいのは
子育ては全部の場所のスタンプ集めてゴールに向かうゲームじゃないから！
…ということ。

一つ目の話はあるあるすぎるのだが（東海地区では受験がそこまで激しくないので、多少状況は違うけど）、私が見聞きしている範囲でも、最初の課題、次の課題、さらに…って追っかけるように「子どもの課題っぽいもの」を「自分の達成すべき課題として」勝手に追いかける親（特に母親）がいる。そしていつも「今のうちにやっておかないと将来苦労するから」みたいなことを唱えて、一生懸命になる。その結果悩みが増える。悩まなくていいことまで、悩みになる。

けれども、多くはその親が勝手に作りだしたストーリーが悩みを深めて、本人のペースで気づいて育っていく機会を阻害している。いいことない。

そして一部の親は「人よりも早く」「せめて人並みに」このポイントのスタンプ押さないと死んじゃう…みたいなことを思っているように見える。

そういうことするから、子どもの育ちがこじれるんだってば。

大人も子どもも、その人生（キャリア）はスタンプラリーじゃない。
大人の想像できる（予測できる）スタンプラリーなんて、人の生き方のバリエーションのうちの何1000通りのうちの１つくらいでしかないんだよ。その親が想像できるスタンプラリーのシートなんて、もしかしたらもうゴールに到達したら「それいつ時代のものですか？」くらいにズレているかもしれないのに。

よいですか？
子どもたちは、スタンプ50個押さないと出られないゲームをやっているわけじゃないのよ。でももし、あなたが親からそう言われているとしたら、そんなゲームに乗らない自由があるってことを忘れないでいてね。

でももしこうなったら、次はこうしなきゃ、って考えて子どもの先を心配している人はね、子どもが見ているのはそんなあなたの姿だってことを忘れないでほしい。子どもにああしろ、こうしろ、こうなったら幸せ、って言うよりも、あなた自身が幸せでいるほうがうんと雄弁なのよ。

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