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時と酒

先の4月8日は娘の親になって10年目。

先月、娘が彼氏と岐阜旅行に行ったので「代金は払うからいい地酒を買ってきて」とお土産リクエストしたところ、店に勧められるまま300mlで4400円というとんでもない古酒を買ってきた。若い酒飲みはまだ選び方に手加減がない。

相場をやんわり教えつつ一緒に飲んでみたところ、知っている日本酒の味ではないことに驚く。
25年も熟成すると、日本酒も全く別の味になるらしい。

この酒が仕込まれたとき、娘はまだ生まれておらず、一方、僕は娘くらいの歳だった。
信じられないだろうけど、当時の僕には酒を飲む習慣はなかった。
時の流れはいろいろなものを変えていく。

ところで娘と彼氏とは小学校の同級生。
当時授業で書いた10年後の自分にむけた手紙が届いたので互いに見せあったところ、彼氏の手紙には
「〇〇ちゃん(娘の名前)と、一緒にいますか?」
と書かれていたとのこと。
二十歳の時点で人生の半分の間も好かれてれば娘も本望だろう。

娘が10年後に一緒にグラス傾けてるのは、僕じゃなくてこの彼氏か、その他の誰かかもしれないけど、幸せを感じる酒を飲んでてほしい。

「いつ」「誰と」飲むかが大切であることを理解していれば、どんなに安い酒も美味しくなるのだから。

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