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500kmの先、5分間の旅

皆さんこんにちは、
或いはこんばんは。

既にSNSでお伝えした通り、
大阪行きのレポをしておりません。
結論から言うと、行けませんでした。

正確に言いますと、着いた足で
即座にとんぼ帰りしたのです。

土曜日の朝9時過ぎ、一旦止まった京都駅を出た瞬間に母からLINEが入った。「父が入院した」との一報。心臓が跳ね上がった。

詳しく聞いても新大阪に着くまで一切の返信が無いため「これは生き死にの話だ」と判断し、中央改札から出るや帰りの新幹線のチケットを買って飛び乗った。

大阪の滞在時間、実に五分かそこいら。

今来たルートをひた走る新幹線、乗り合わせたのは週末を京都か名古屋か東京で過ごそうとワクワクしている客、状況が様として分からぬまま帰る私。じんわりと汗をかく。

新横浜の辺りでようやく連絡が入り、眩暈のような症状で病院へ来た事、来週二泊三日で検査入院する事になった事、今から二人で家に帰る(!)と言う話と分かった。

病院で会うと父もしっかりしており、要は母がパニクッて私を戻してしまい、それを知った父が「何故わざわざ帰らせた」とケンカをしていた。

しょんぼりする母の気持ちもわかるし、なんだか機先を削がれてしまい、まあまあもう良いからと仲裁して帰る事になった。

帰りにデニーズに寄ると子供連れのママさんグループが居て、子供達は今日この世界が終わるのだ、と言うくらいはしゃぎ回っていた。

今頃私は大阪の埠頭で推しを見ているはずだった。日曜はリリイベだ。夜中まで荷造りしていた。

今は騒がしいファミレスで薄いドリンクバーを飲んでいる。モヤモヤした心のまま、和風おろしハンバーグの大ライスを平らげる父の様子を見ていた。

母が勢いで呼んでしまった姉も駆けつけ、今回のこと、来週のこと、不在時に呼び出す分水嶺を何処に置くか、など話した。

そうこうするうち夜になり、私は滞在予定だったホテルに詫びの電話を入れ、旅行会社にキャンセルの手続きをした。もちろん、問答無用で金額は100%発生する。当然だ。

ちなみに、ツアー(新幹線&ホテル)で取った新幹線の時間は変えられない。理由は「この日この時間に乗る」と言う約束の元に旅費が安くなっているからだ。

手元に残った帰りの新幹線の切符を破り捨てる。「でも良かったよ何も無くて」と言いながら。10年前にやめた煙草を無性に吸いたくなった。


P.S
突然TLから消えて失礼しました。消息不明だと心配して下さったフォロワ様にも感謝申し上げます。

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