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王維 漢詩 音にあふれる詩 お茶のお稽古より

辛夷塢

木末芙蓉花,
山中發紅萼。
澗戸寂無人,
紛紛開且落。

木末(こずえの)芙蓉花(ふようくゎ*こぶしの花)
山中(さんちゅう)紅萼(こうがくを)發す。
澗戸(かんこ)寂(せきとして)人 無く
紛紛(ふんぷんとして)開(ひらき)且(かつ)落(おつ)。

(盛唐・王維)

早春の山中の風景を詠んだ詩。
ひっそりと静まり返った山の中で
木蓮の花が赤く開いては、その花をぽとんと落としていくよ。

現在の承認欲求系とは真逆の心情。
誰にみられることもなく、
燃えるように美しく命を開かせ
時が来ればその一生を終える花。

存在するだけですごい、と心が震える。

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