会社で働くときに「楽しもう」っていうことをテーマにするようになりました。プロボノで学んだことを会社でもやってみたい。

『渋谷のプロボノ部』2016年4月12日(火)8:00~9:00放送

【ゲスト】岡田真希子さん/プロボノワーカー・化粧品会社勤務

―― 8時から9時までのこの時間は渋谷のプロボノ部ということで今日も前回に引き続き、聞き手として北場彰さんにお越しいただいています。また今日のゲストは岡田真希子さんです。

プロボノという言葉を初めて聞かれた方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明させていただきます。プロボノというのは日々お仕事をしている方が仕事の経験スキルを生かして行うボランティア活動のことです。

ボランティア活動や社会貢献活動というとイベントの手伝いだとか海岸清掃といったことを思い浮かべると思います。

しかし、仕事の経験スキルを生かしたボランティア活動を行うことによってNPOや社会的な活動に取り組んでいる様々な団体などにとっても力強い支援になるんです。

この活動に取り組んでいるボランティアのことをプロボノワーカーと呼んでいるのですが、その方に今日出勤前の時間を使ってお越しいただきましたので、

”実際にお仕事をしながらその傍らでプロボノという活動に関わる”ということを通じてどういうことを経験なさったのか、どれぐらい負担なのか、どのような意義があるのか、この辺をじっくりお伺いしていきたいと思います。

じゃあ、早速北場さんの方にマイクをつけたいと思います。

北場:はい、おはようございます、北場彰です。本日もいろいろインタビューのサポートをしていきたいと思ってます。よろしくお願いします。

―― じゃあ岡田さんも自己紹介お願いします。

岡田:はい、岡田真希子と申します。普段は化粧品会社で働いています。プロボノは半年ぐらい前に始めた、まだまだ新米プロボノワーカーです。よろしくお願いします。

―― それでは、いろいろ進めていきたいなと思っております。岡田さん、まずプロボノを始めた経緯からお話いただいてよろしいでしょうか。

岡田:プロボノをはじめたのは、先程も言った通り半年前とりあえず今の会社に勤めて10年目になるんですけど、このままこの会社で働いていて私大丈夫かなという不安があって、外の世界で自分の力が通用するのか試したくってプロボノをやってみようと思いました。

―― はい、ありがとうございます、最初に聞くの忘れたんですけど、プロボノを知ったきっかけを教えてもらっていいですか。

岡田:とにかくそういう迷いがあって、なにかビジネススクールに通おうかなとか外の活動をしようと思った時にプロボノという言葉が検索で引っかかってきて、そういえば海外ドラマ見てた時にプロボノって聞いたことあると思って日本でもあるんだと思って知りました。

―― 岡田さんはどういう手続きを踏んでプロボノができるようになったのかを確認したいと思います。

岡田:一番初めにネットで検索した後、ちょうど説明会があって、とりあえずまずは説明会で話を聞きに行きました。そこでこれはおもしろそうだなと思ってすぐ登録をして、ちょうど新しいプロジェクトが始まるというお声かけをいただいて、トントン拍子に。

―― なるほど。どの辺が面白そうだなって思ったんですか。

岡田:他の会社の人達といろんな業種の人達が集まってプロジェクトチームを作るというのが一番面白そうだと思いました。

今だと化粧品の会社関係の人としか会わなくて、他の外の世界の人が何を考えているのかなっていうのにすごく興味があったのでそれを間近で知れるっていうのがすごくいいことだなぁと思いました。

―― 登録をされて、割とすぐに参加の機会はやってきたんでしたっけ。

岡田:そうですね、8月ぐらいに登録して、すぐに新しいプロジェクトのイベントが立て続けにあって、トントントンっていう感じですかね。

一ヶ月か二ヶ月ぐらいでプロジェクトやりませんかみたいな話をいただいて今に至るって感じですかね。

―― 岡田さんが担当したプロジェクトの話を聞いていけたらなと思うんですけど、どんな団体を支援する、どんな活動、プロジェクトに関わったんでしょうか。

岡田:私が関わったのは東京ホームタウンプロジェクトっていうプロジェクトの中の一つで、地域でコミュニティサロンをやっている団体さんなんです。地域の中でもすごく一定の評価をもらっていて活動もしっかりされているところなんですけど、そこからもう一歩上の段階に進むためにはどうしたらいいかっていうのを悩まれてて、そこを支援するという内容です。

―― どこの地域なんですか。

岡田:板橋区です。

―― 岡田さんは板橋とは、

岡田:はい、なんも関係ないです(笑)

―― はい(笑)そういうプロジェクトに関わってみようと思ったというのは何故なんですか。面白みを感じたのはどこだったのでしょうか。

岡田:イベントがあってその代表の方がプレゼンされた機会があってそれを見てすごく魅力的な人だなと感じて、この人の団体だったらきっと面白い活動をされているんだろうなと思い参加しました。

―― どんな方ですか、簡単にご紹介を

岡田:簡単に…(笑)すごくエネルギッシュな方で本当にもうプロジェクトを進めていくうちにどんどん私が置いていかれそうになるくらい先に先に新しいことに進まれるような方でほんとに先生みたいなひとですね。

―― 板橋のコミュニティサロンは、“たまりば・とうしん”というところですね、板橋区東新町にあるんですよね。そこの運営をされている男性が非常にエネルギッシュである、という…

岡田:すごくヒゲが豊かで(笑)真っ白なおヒゲを持っていらっしゃってそれもまた珍しいなって思いました。70代半ばの方です。

―― もうかなりの高齢者、年の上の方ですね。でも言ってしまえば本当に普段の化粧品の仕事ではなかなか出会わなそうな方ですよね。

岡田:そうですね。全く出会わないですね(笑)

―― でもこの人だったらちょっと応援しようかなって思ったんですね。もともと、このプロボノ始める前にいわゆるNPOの人は堅そうみたいなイメージを持っていたと思うのですが、このエネルギッシュな男性、佐々木さんには最初、どんなイメージを持たれたのでしょうか。

岡田:NPOって聞くと意志を持ってそういう団体を立ち上げてるってところが大きいと思うので、団体を立ち上げる方ってこういう方なんだなと自分の中でスッキリと線が繋がった感じでした。

―― そしてプロジェクトも一つだけじゃないですし、(佐々木さんが)登壇されている姿をみてという影響を受けられたと思うんですけど、ここにしようと思ったのは自分が学びたいとか自分のスキルをチャレンジに変えたいという気持ちが強かったんでしょうか。

岡田:そうですね、今の会社ではシステムだったりとか物流だったりとかそういうところのプロジェクトを回してきたんですけど今回やったのが事業計画をつくるっていうプロジェクトで、そんなことは会社でも1回もやったことがなかったんです。

プロジェクトマネジャーとして本当にできるかなっていう不安はあったんですけど、やっぱり新しいことに挑戦したいっていう気持ちがあったのでそこは何とかなるかなという気持ちで飛び込んでみました。

―― 岡田さんはプロジェクトマネジャーという役割をされたということですが、プロジェクトは何人チームだったんですかね。

岡田: 6人です。

―― では6人のチームの中で岡田さんはプロジェクトのリーダーとして、プロジェクト全体をまとめていくようなことをされたということですね。

実際70歳中盤ぐらいの“たまりば・とうしん”のリーダーの方の第一印象はすごく面白そうでエネルギッシュな方だなということでしたが、実際入られてみてどうだったのでしょうか。

どんな入り方をしてどういうコミュニケーションして理解が深めたのか、例えば岡田さんの方から、何かご提案したりとか、それに対して何か向こうから返事をもらったりとか、どんなやりとりを通じてプロジェクトを進められたのか、この流れを少し伺っていいでしょうか。

岡田:まず大きなテーマが地域包括ケアっていうテーマだったんですけど、そもそも地域包括ケアって何?っていうところから私は始まっていたので、団体の皆さんからいろいろ教えていただかないといけないという立場だったので、

とにかく教えてくださいっていうコミュニケーションをすごく心がけてましたね。

ある程度こう理解が進むと、途中の3ヶ月後ぐらいですかね、ようやく議論ができるような状態になってきてそこからは普通にお仕事をするようなパートナーのような形で最後まで着地させることができたかなっていう感じです。

―― まず、地域包括ケアってね、この言葉自体がまだなかなか馴染んでないんですが、福祉の一つの用語でありまして、いわゆる介護とか医療というそういう個別の専門の領域によって高齢者をサポートするのでなく、地域で全体で高齢者の生活を支えていこう、またこれを施設でサポートするのではなくて家で暮らしながら高齢者の生活を支えていこうというというものなんです。それを実際板橋の東新町というところで岡田さんはいろいろ調べたと。

調べたって何を調べたんですか。

岡田:最初は制度がどうなってるのかも全然わからなかったんです。キーワードとして介護保険っていうものがよく出てきたんですけど、介護保険って何?っていうような状態だったので、まずはインターネットを使ったり、お役所に行ったりして調べて、後はほんとに団体の皆さんからどういう状態になってるのかっていうのをヒアリングさせていただいてっていうところですね。

―― 団体へのヒアリングっていうのはどんな方にお話を聞いたんですか。そして、そこでどんな面白いお話を聞けましたか。

岡田:団体さんのヒアリングは先ほどの代表の方ではなくて実際に”たまりば・とうしん”を運営されてる方にまずはヒアリングしなくっちゃっていうことでヒアリングさせてもらいました。

その運営されてる方も70代半ばぐらいの高齢者の方なんですけど、毎日積極的にいろんなことをしてるっていうのがすごく学びでしたね。

―― いろんなこと、もう少し詳しく紹介していただくとどんなことをしていたんですか。

岡田:コミュニティサロンなのでサロンの運営をされているんですけど、ただお茶を飲むだけという日もあれば、ゲームや体操をしながらもっとこういうふうにしたらいいんじゃないか、なんていうことを皆さんで考えながら運営されているんです。会社にいるとルーチンワークばっかりして、新しい発展ってなかなかやるのが難しかったりとかするんですけど、そういうことを日常的にされてるっていうところが、「高齢者になってもこういう事できるんだ!私たちなにしてんだろう!」っていうところはすごく感じました。

―― その”たまりば・とうしん”で行われているプログラムは、日々改善というか、アイデアがどんどん出てきてすごく活気があったということですね。

それって会社で言ったらイノベーションとかっていう言葉かもしれませんけど、それをたまり場の現場で感じたということなんですね。

ヒアリングっていますけれど、何人の方にお話を聞かれたんですか。それから、お仕事の時間ではなくて土日とか使ってヒアリングされたということですか。

岡田:土日と、あとは仕事が終わった夜の7時ぐらいからヒアリングさせてもらいました。

ヒアリングは運営さんの方3名にさせていただいて、あとは”たまりば・とうしん”を利用されてる方だったりとか、行政の方にも、何人かヒアリングさせてもらいましたね。

―― ヒアリングをする対象者の方も高齢の方が多いと思いますし、行政の方なども企業で働いてる方とはちょっと言葉遣いだとかで違うと思うんですね

例えばその高齢者の方にヒアリングをすると、お話って通じますか。何ていうか、うまく話して聞き出せるもんですか。

岡田:はい!!私のチームにはすごく優秀なマーケッターの方がいらっしゃったんです。マーケッターというのは色々ヒアリングをしたり、調査をする担当の人のことなんですけど、もともと本職でもその方は調査をされてる方なので、

ほんと完璧でしたね。なので、「高齢者の方だからこういう風なコミュニケーションを〜」とかっていうのではなく本当にその方自然と上手くコミュニケーションを取れる方だったのでそれにすごく助けられました。

―― その方も高齢者だったってわけじゃないんですよね?

岡田:はい。30代半ばぐらいですかね。

―― やっぱりそういう、世代を超えてちゃんと話をするスキル、みたいなものを持ちだっていうことですね。

それは岡田さんにとって、勉強になりましたか。

岡田:はい。やっぱり目線を合わせるっていうことが1番大事なんだなって気付かされて、上からでも下からでもなくって同じ目線で話をするっていうことを彼を見てすごく心がけるようになりました。

―― わかるような気もするんですけど、やっぱり、40歳も50歳も違う方なので目線を合わせるって”言うは安し行うは難し”で難しいんじゃないかなと思うんですけど、どういうふうにして、目線を合わせるということをしたんですかね。

岡田:何か自然とですけど…

北場:僕もずっとそばで見てたケースがあったんですけど、岡田さんが、共通の言葉を使って話をされてたようなイメージもありましたし、あと当然、支援団体にもゴールがあって、そこに対するアプローチを一緒にしてるんだよっていう寄り添うという気持ちを出されていたように思います。

―― ありがとうございます。

そういった形でいろんなヒアリング等をして、調査をしたと思うんですけど、ここからがある意味本番ですよね。

ただ情報をいただくだけじゃなくて何かを開始するといいますか、そういうものがプロボノとしては求められてくると思うんです。

その調査をして、地元の方に事業計画というか、何かこう、チームなりの提案だったり、一体その岡田さんたちは地域にどんなことを報告したり提案したりされたんでしょうか。

岡田:ヒアリングした段階で、実はこの事業計画っていうものがあんまり必要じゃないっていうことが分かったんですよ。運営されてる皆さんは毎日そういう小さな改善をして積み重ねていってるのに、今更なに事業計画を上から出してくるんだみたいな状態だったので、

今回のご提案は本当に私たちプロボノが関与しなくなった後でも同じようにイノベーティブな事が続けられるような運営体制を作るっていうことが1番大事だということで少しちょっとやり方を変えたんですね。

出て来たその事業計画書も、もしかしたら同じものなのかもしれないんですけど、それを上から提案するのではなくて、一緒に作り上げていきましょうっていうアプローチにして、こういうふうに新たにやってきましょうっていうことを御提案させてもらいました。

―― こういうふうなことっていうのは具体的に差し支えない限り教えていただけますか。

岡田:そのコミュニティサロンには常設の場所があって、週に4回くらいはサロンがあるんですけど、皆さんできれば毎日そういうコミュニティサロンに通いたいっていうふうにおっしゃるっていうのがヒアリングの結果で分かったので、週七日間開けられるためにはどういう風なことをしていたらいいのかっていうことで御提案させてもらいました。

―― なるほど。今週4日空いてるサロンを週7日にするにはどうしたらいいかという、そういうことを考えていくということですね。

なるほどなるほど。それは具体的にどうするとそれが可能になるんですか。

岡田:今までは運営は3名で主にされていたんですけど、その方に日数を増やして7日間頑張りなさいって言うのは無理だなっていうふうに思ったので、他にこのサロンを運営してくれる人がいないかを探してみようとか、協力してくれる人を募ってみようとかっていうことを、そういう他の人を入れるっていうことに多少抵抗があったと思うんですけど、それが抵抗なくできるような御提案をしました。

―― いろんなそういう地域の団体さんは、もちろん色んな方もぜひどうぞっという気持ちを持っていてもなかなか新しい人に入ってきてもらえないという悩みを抱えてると思うんですね。

そこを多くの人に入ってもらいやすいような提案をしたって、もう少しここ掘り下げてもいいですか。

岡田:もともとコミュニティサロンは町会と密接に書くかかわり合ってるっていうところがあって、

サロンにいらっしゃってる方も運営している方もほぼ町会の人で。

みなさんそれで結構満足されてたっていうところがあるんですけど、そうじゃない人がきっと地域包括ケアとかの所から外れている人たちですよねっていうお話を何度も何度も皆さんと議論を重ねました。

町会の人じゃない人たちが、本当は一番助けを求めてる人かもしれないっていう気持ちになってもらう、ということを結構丁寧にやりました。

―― これもまた東京、全国的にそうなのかもしれませんけど特にこういう都市部ではずっと60歳65歳まで企業戦士で、なかなか地域に入って来ていない方というのは多くて、ですから65歳以上になった男性で元企業人の方がどうしたら地域に入ってこれるか、また地域の側としては待ってるんだけどなかなか来ていただけないという問題のこと、このことを今おっしゃっていただいてるんだと思うんですが、それに対して何かいい答えって見つかりましたか。

れ多分板橋区東新町だけの話ではなくてほんとに全国的な課題だと思うので。

岡田:それがさっき言ってた他の人にサロンを運営してもらおうっていうことも答えの一つなのかなと思ってるんです。

やっぱり企業で働いてきた方はそのスキルを生かしたいとか地域に還元したいっていう思いはあると思うんですね。そういう人たちにサロンの主宰になってもらって、例えばセミナーをそこでやってみるとか、パソコンの使い方教室でもいいですし、スマホの使い方教室でもいいと思うんですけど、そういう人を集めてみようみたいな話をしましたね。

―― どちらかといって今までは町会の関係者といいますか、元々地域にいた方たちがサロンの運営の中心になっていたっていうところを、週4日のものを週7日にするわけですからあと3日ふやすと。そうなった時にその担い手をもともと企業で働いてたような方で地域にお住まいの方にもっと前面に出て来ていただこうと、そういう御提案をしたということですね。

これは地域の方にどういうふうに受け取られたんですか。

岡田:まだそれを提案しただけなので、一体今実行されているかどうかっていうのはわからないんですけども、面白いかもしれないねっていう感じですね。例えば、その地域にいるけど地域に出てこない男性でも、もしかすると奥様は地域活動されてる方って結構いらっしゃると思うんですよね。奥様に例えば声かけてもらうとか、アプローチはアリだよねっていう話にはなりました。

―― そうですね。この辺は地域が変わるというところまではもう少し時間がかかるところはあると思うのですが、少なくとも板橋区東新町としては新しい取り組みを始めていこうという気持ちにはなったというところでしょうかね。

北場:ある種このプロポノのプロジェクトが始まったというのが、よそ者が入ってきて客観的に見れて、ディスカッションする場を提供できたというところは非常にインパクトは大きかったのかなという風に思ってます。今までやはり今お話ありましたけど、そのイノベーティブなことされていて、非常に中身の活動も充足しているところで、その次に何かあるのかっていうところをみんなでディスカッションができて足りないものは足りない、充分なところはちょっと減らしてもいいんじゃないっていう議論ができたと思います。

―― やっぱり地域でね、一つまず議論するっていうそういう場をつくったというのが、一つ大きな功績だったんじゃないかというふうに思います。

北場:

ちょっと今のお話を聞いてまして事業計画っていうと、かなりもう文字面でいうと非常に難しそうな感じがするんですけど不安とかはなかったですか?

岡田:不安でした。(一同笑)

北場:そこはどういうふうに何があったから不安が解消されたとかっていうのはありますか。

岡田:やっぱりそれはチームのメンバーの助けだったと思うんですね

6人のチームで、私は本当にその事業計画をつくったことないからっていうことを最初に宣言していたので、皆さんが「事業計画とはこういうものである」というのを教えてくれて、それの進行管理をやっていたので、途中で大丈夫だなと思いました。

北場:うん。なるほど。これを進められるに当たって、途中でこのままでは相手に受けいれられないというのがわかって、ちょっと形を変えていった、つまり問題解決ワークショップみたいなことをされて、事業計画の方向性を提示したというイメージだったと思うんです。

会社だったら事業計画やりなさいって言われたらおそらくそのままやらなきゃいけないと思うんですね。これを相手の状況を見て変えたとか、こういう動きがあったのは何か周りのサポートやアドバイスがあったからですか。

岡田:はい。やっぱり事業計画は、紙だけでできてもしょうがないなって実際にそれを実行してもらわないとしょうがないっていうのをチームのメンバーもすごく言っていたし、北場さんにもすごく言われて、あとはほんとに団体の皆さんが望まない提案はしたくないなっていうのをすごく感じていたので、そこはちょっと舵を切ろうかなって思うきっかけにはなりました。

北場:おそらくPMの立場でかなりその権限はすごく移譲されたと思うんですね。すごい責任感も当然ありますしその充足感は当然あるんですけども、思いっきりこういうふうに変えようとかっていう舵を切るときの勇気であったり、そういうことも非常に必要だったと思うんですけど、特にそういう時は抵抗とかはなかったですか。

岡田:なかったですね。もともと私が勤めてる会社そんなに大きな会社ではないので結構舵を切ることはあったので、そこはスキルを活かせた部分ではあったのかもしれないですね。

北場:なかなか自分の力とか権限を与えてもらえてないっていう方も中にはいらっしゃって、本当このプロボノするとそういう権限を与えてもらえるっていうことで自分の価値を再確認されるというか、そういうことをやはり多く聞きますね。

―― そしたらちょっとですね岡田さんの所属していたプロジェクトのチームメンバーのことを教えていただけますか。メンバーのキャラクターだったり、本業のお仕事だったりなど…

岡田:はい。

まず1人は35〜6の男性で、普段はマーケティングリサーチの会社に務めている男性ですね。でも1人が製薬会社に勤務されてる女性30歳くらいと、コンサル会社に勤めている30代の男性とあとは自動車関連会社に勤められてる28~9の女性の4人とこの北場さんが同じチームです。

本当に幅広いメンバーで、皆さん初対面でした。北場さん以外プロボノ初めてだったんです。

―― 岡田さんも含めてプロボノの初めてだと。

一見バラバラなというか本当にこういうことでもなければ、出会うことが無かった皆さんたちですけど、皆さん仲良くチームは数やれましたか。

岡田:はい。初めに、チームを作った時に北場さんの方からはニックネームをつけようって言われたんですよ。

ニックネームとか初めは何を言ってるんだとか思いました。仕事っぽくやることを結構イメージしてたのでニックネームってどうなのかなと思ったんですけど、そのニックネームが後々になってすごく効いてきて、すごく仲いい仲間みたいな感じで最後はやることができたのかなっていう風に思います。

―― これ、北場さん、ニックネームというのは。

北場:そうですね、当然仕事ではないので少しメールの文面とかではちょっと誤解されやすいケースとかやっぱり出てくると思うんですね。

いろんなプロボノワーカーの方々のコミュニケーションとかメールとか見てまして、それが非常にとんでもなく堅い。もう本当お侍さんか(笑)みたいな。

これだとおそらく違う業界の方だと誤解するだろうなってことがあって。

ちょっと最初に、何々ちゃんとか何々とか書くと下の文面ってそれにつられちゃうんですよね。そうなるとコミュニケーションが緊張緩和するというのがなんとなくわかりまして、それでとりあえず1回やってみようと。そこからはコミュニケーションがしやすくなったり、語尾に「ねぇ」とか「なぁ」とかってつけるようになって、そこらのコミュニケーションを円滑になったというのはなんとなく自分でも感じてます。

―― たかがニックネームですけれどもされどニックネームですね。

それがあることによって、それぞれがそれぞれの会社のバックグランドをちょっと超えられるということなんですねぇ。

他に何かこう、チームの皆さんで、お互いのモードを合わせるといいますか、仲よくするための取り組みというのは何かされましたか。

岡田:しましたっけ?(笑)ニックネームぐらいですよね。

北場:くらいですかね。うん。そうです。当然メールの頻繁なやりとりとあと本当に必要な時には必ず顔と顔を合わせてミーティングをするとか、そういう工夫をろいろ岡田さんはされたような気がします。

―― 逆にプロジェクトで苦労されたことなかったですか。

岡田:何分皆さんすごく忙しくって日程調整が1番苦労しました。夜も会えない週末も会えない、次集まれるのいつだろうみたいな形で、それプラス団体さんとの日程もあるので、一番そこに苦労しましたね。

―― そうですよね。皆さんお忙しい中で活動してますから。

逆に言ってしまえば日程調整以外はそんなに大変じゃなかったですか。Aさんはこういうふうな意見もってるけどBさんはちょっと違う意見を持っていて、そこが対立するとかいったことはなかったですか。

岡田:ありましたねやっぱり。地域包括ケアっていう結構大きなテーマに取り組むっていう所で、すごく発展的なことをしたいっていうチームのメンバーと、団体さんにできることがやっぱり限られてるからそのレベルをどこまで落とそうみたいな対立はありました。対立はあっても、やっぱり最終的には支援先さんが1番望む事をやろうっていうところがみんなの共通認識であったので、そこに最終的に落ち着きました。

―― そういったいろんな声がある中で岡田さんはどうふるまわれたんですか。

岡田:基本的には挙がった意見は全部受け止めようって思っていて、頭から否定はしないでおこうっていう心がけをしていました。

―― 岡田さんは、ある意味プロジェクトマネジャー(PM)なので、あんまりご自分の意見を前面に出すというよりは、皆さんの意見を引き出すような形をとられたんですかね。

岡田:はい。できるだけこのプロボノのPMはそうであったほうがいいなっていうのをプロジェクトが始まる前にすごく感じていました。自分の意見をそのままやるのであれば自分1人でやった方が早いし、それで終わりでいいじゃんという話なんですよね。せっかくいろんな会社の人が集まっていろんな意見が聞けるチャンスを自ら潰すことをしないでおこうというのは最初から決めてたことなので、そういう運営の仕方をしてました。

―― すばらしい心構えですね。これ普段の仕事のスタイルも割とそうなんですか?他の皆さんと仕事するときに皆さんの意見を一通り引き出して〜みたいな働き方をされてらっしゃるんでしょうか。

岡田:されてなかったですね(笑)。全然そういうことしてなくて、ゴールがそこだ皆で走るぞ!というようなことをいつもやってたんですけど、そのやり方じゃないやり方をやってみようっていうふうに思いましたね。

―― じゃあもう、普段の仕事とは違うスタイルをあえて試されたということなんですか。

岡田:はい。

―― なぜそうしようと思われたか、その動機はなんだったんでしょうか。

普段の仕事と違うことをプロボノでやってみたかったって感じですかね。

岡田:そうですね。初めにも言ったんですけど仕事をやって10年ぐらい今の会社へ勤めてきて、ある程度自分のスタイルみたいなものが出来てきて会社の中ではある程度は仕事ができるねみたいな評価になった後に、ここからもう1個上に進むためにはどうしたらいいんだろうっていうことをすごく感じていたので、あえて今までと違うことをやらないと変わらないなっていうのはすごく感じていたので、そういうやり方を選択しました。

―― なるほどですね。

これはもう普段と違うスタイルということですから、うまくいくときもあればちょっとうまくいかないこともありますよね。ご自分中で反省するということも、あるんでしょうかねどうでしょうその辺は

岡田:ありますね。

みんなの意見を引き出すことをすごく意識しすぎてプロジェクトの着地点をうまく伝えられないとかっていう所はやっぱりありました。なので、プロジェクト半年間だったんですけど、その中でボリュームを多少変えた部分はあったかもしれないです。

―― 社員のメンバーの自主性と主体性を引き出すということは会社でもすごく大事ですけど、引き出し過ぎるとプロジェクトが迷走するという、この頃合いというのは非常に難しいですし、そういうことをこのプロジェクトを通じて、経験されたということなんですかね。

岡田:すごく難しかったですね。会社みたいに、「いやいやもうお金がかかってるんやからこれでやりなさい」という言い方ができないので、そこでどうやってプロジェクトを進めていくのか考えていくことで、プロジェクトマネジメントのスキルが上がったんじゃないかなって感じます。

―― 少し短絡的に考えれば、会社の場合はコストというものがあってそのコストの中で最高の成績を出すというのが基本的な考え方だと思うんですね。

でもそうではないやり方をすることで今スキルが上がったっていうふうにおっしゃった。会社で普段やっていることでない事をやってそれがスキルが上がったと感じるのはどうしてなんでしょうかね。

岡田:最近、会社で働くときにも自分持って楽しもうっていうのをすごくテーマにしていて楽しくするためにはどうしたらいいんだろうということを結構考えてたりするんですね。

今までの私なりのプロジェクトのやり方だときっとプロボノチームのみんなは楽しくなかっただろうなと思っています。

今回のプロボノのプロジェクトが終わった後、チームのメンバーから「またやるんだったら一緒にやりたい」っていうふうに言ってもらえて、それはきっと楽しかったっていうことなのかなと思って。

そういうこともやっぱり会社でもやった方が絶対いいものができるんじゃないのかなっていうふうに思っていて、このプロボノで学んだことを少し会社でもやってみたいなんていうふうに思っているんです。

―― なるほどですね。プロボノを終了したのは割とつい最近ですね。

岡田:3月の中旬ですね。

―― ですね。まだ終わってから1ヶ月経っていないぐらいですけれども、早速何か実践されていることがありますか。心構えぐらいかもしれませんが。

岡田:ですね。半年間を経ている中で私自身、会社での部署が変わったりとかして、ちょっと外から会社全体を見るような役割にちょっと変わったんですね。そういうときって、それこそプロボノと一緒で、「こうするべきだ」みたいなのが外の部署からだと結構通用しないなって気づいて、そういう状態で人を見て動いてもらうっていう時には、やっぱり今回プロボノでやってる方が使えるんじゃないかなっていうことを今思ってます。

北場:この1回でそれに気付かれて、会社で実践されようとしているところは岡田さんの非常にすばらしいところで、確かにこの1回でこれだけのスキルを得てもらえるというのは嵯峨さんからしてもすごく嬉しいことですよね。

―― そうですねぇ。

北場:やっぱり社会的インパクトで考えると、より多くのPMの方を社会に放出しているというか、還元できてるというところは素晴らしいですよね。

―― そうですね。ありがとうございます。あと北場さんの方で岡田さんがこのプロジェクトに関わったプロセスで、どんな学びがあったかとかどんな浮き沈みがあったかということを事前にいろいろと細かく振り返っていただいてるんですけど、その辺をじゃあ少し。

北場:はい。そうですね。今までの話ですべてというか、もうほとんど網羅できている部分はあるんですけども、ちょっとお話の中で聞いて確認したかったのが「会社で素晴らしいPM」っていうと当然、像ってあると思うんですね。

その方が明日から何の情報も得ずにプロボノで素晴らしいPMになるかどうかっていうと、イエスかノーかで答えるとどうですかね。

岡田:NOですね。

北場:ノーですか。そう答えられる理由はどういったところにありますか。

岡田:プロジェクトマネジメントのスキルって結構体系化されていて、こういうことをやればいいんだよっていうのはあるんですけど、たぶんプロボノだと、そこのつまみの調節を変えてるっていうイメージなんですよね。会社でのプロジェクトだと「コミットすることがもうすべてだ」みたいなところで、そこのボリュームもすごくあげてるっていうイメージなんですけど。プロボノだとどっちかとコミュニケーションのところのボリュームをすごくあげないとダメだなっていうのも今回のプロジェクトで感じたので、そこのマインドセットができれば誰でもできると思うんですけど、何もそういうのされずにPMを任されるときっと皆さん、仕事のようになっちゃうと思うんですよね。だからそういう意味ではノーかなっていうふうに思います。

北場:当然優秀なPMの方なので、こういうものだってわかってたらすぐにできるようなものですかね?

というよりも、そういうものをわかった上で少し経験しないとなかなかそういうものは実践できないようなものですか。

岡田:そんなことないと思います。わかりさえすれば大丈夫だと思います。私でもできたし!

北場:なるほど。わかりました。

いまお話を聞いてますとかなり苦労もされて、またそれ以上の喜びとか自分のスキルアップっていうのを経験されてるんですけども、このPM というのを他の人に進めたりやってみたらっていう動機づけにはなってますか。

岡田:はい。なってますね。みんなプロボノやったらいいのにと思ってます(笑)。

北場:確かに岡田さんの場合は出会う人出会う人でプロボノやったら?って勧めますので(笑)このあいだも友達のね旦那さんにも話をして。

岡田:プロボノやったらいいよっていう。

―― でも去年の今頃はまだプロボノって全然やってなかったんですよね。

岡田:そうです。まさかラジオにまで出させてもらえるだなんて(笑)

―― ですね(笑)。どうしてそこまでプロボノがいいというふうに言っていただけるのかなと。

岡田:やっぱり得るものが大きかったっていうのがあると思います。

北場:ちょっと話変わるかもしれないですけど、岡田さんは女性っていうことで、それがちょっと強みなったか弱みになったかよくわからないんですけども、プロボノをやる際に女性ということがうまく機能するよとか、反対にこういう部分は機能しなかったなとかっていう部分もあったりしましたか。

岡田:特に全然感じなかったですね。なんか女性であるとか男性であるとかは全然感じずに、チームのみんなも今回受け入れてくれたので、全然苦労しなかったです、そこでは。

北場:なるほどなるほど。確かに私説明会とかもちょっと参加させてもらったりしますけど、本当に女性の方が多かったり、そしてモチベーションも高い方も多く、

「代表でプレゼンしてください」とかって言ってお願いすると大概、男性で、すごくスキルの高そうな方が手を上げられる傾向があったんですけど、最近では本当に女性の方が全体をコーディネートされてお答えを提供されるようなケースも出てきました。

―― その話に関係して言うと、実はプロポノの世界において、参加をしているプロボノワーカー自体の割合でいうと男女差ってそんなにないんですね。男性が多分55%女性45%からほぼ半々。

ところがこのプロジェクトマネジャーっていう所になると男性が八割ぐらいになってしまうというのが実は今現実としてはあって。もっとこう、女性の方たちにプロジェクトマネジャーにチャレンジして欲しいなっていうふうに思ってるんですね。

岡田さんのように、プロジェクトマネジャーに立っていただいた方が増えていくということがすごく実は意義が大きいことなのかなと思ってるんです。それは、会社でプロジェクトマネジャーマネジメントやってる方がプロボノでやっていただくというのもそうですが、

普段のプロジェクトマネジメントマネジャーとしての仕事のやり方を少しスタイルを変えて自分の新しい可能性にチャレンジするという場としてもプロボノって使っていただけると思うんですね。

なので、そういう普段の仕事のスキルを活用するんですけど、全くそのままではないという形で関われるというものがプロボノだと思いますんで、そういう形でプロボノを使っていただけれるとうれしいなという風に思ってるんです。

北場:さっきも岡田さんと話をしたんですけど、PMやられて今はちょっとPM以外のいろんなサポートであったり、イベントの手伝いであったり、企画であったりやりたいという話があって、今実践してやってもらってるんです。今またちょっと振り返ってみるともう一度PMやってもいいかなっていうふうなことをおっしゃってましたので、こういう岡田さんみたいな方がふえてくると周りがついてくる、じゃないですけど、岡田さんを目指して私もこういうふうにしたいということで女性のPM が増えてくるような気はしてます。

―― もう一度ちょっとさっきの話が、ちょっと残っててもう少し聞きたいなと思ったんですけど、岡田さんが今本業の仕事の方でもテーマが楽しむっていうことだっていうふうに言われましたよね。裏には意地悪な解釈をすれば、今の本業が、もっと楽しめるはずだというか、まず、決して辛いってほどじゃないのかもしれませんけど、何か少しもやもやしているものがあるのかなということをちょっと感じたところもあったんですけれど。

その辺の今の本業に対する課題意識というか、問題とか批判というわけじゃないんですけど、もっとこうできたらいいのにっていうふうに感じること今の仕事の仕方に対する岡田さんがが普段感じていることって、もしあったら教えて欲しいんですが。

岡田:普段感じてること?

―― 楽しむっていうのがこれからのテーマだっていうふうに思われたっていうのは、何かそういうふうに思う機会があったのかなと思ったんですけど。

岡田:楽しくなかったんですよ、仕事が(笑)。

―― ストレートにありがとうございます(笑)。

岡田:本当プロボノ始める前まではすごく会社に対する忠誠心も、ものすごく下がってたと思うんですね。なんですけど、プロボノをやり始めて、

自分の会社の良い所っていうのが見えるようになってきたりとかしてどんどん会社に対するモチベーションというのが今上がってきている状態なんですね。それに引っ張られてというか会社での評価もすごい良くなってきたりとか、新しい仕事をやってみないかっていうこといわれたりとかしてるので、

何かこれは楽しんだ者勝ちなのかなっていうのもすごく感じて、

楽しんでいると周りも一緒に楽しみたいと思ってくれるのかなっていうことですかね。

―― これ会社の方が聞いたら喜ばれますね(笑)!

岡田:喜ぶかなぁ〜楽しくないって言っちゃいましたけど(笑)。

―― でも普通、逆のことを考えられることもあると思うんですね。会社が楽しくないと、そこは前提としてあったとして、会社の外に出たら会社の外の方が楽しくなっちゃって、会社がよりつまらなく思えたってこういうこともあると思うんですね。そうではなかったっていうのは、どこに会社の魅力を発見されたんですか。

岡田:さっきの、例えば女性のPMが少ないみたいなこととかっていうのも全然私感じたことがなかったんですよ。化粧品の会社だっていうのも大きいのかもしれないんですけど、女性がトップに立つっていうことが普通なんですね。

なので、そういう意味ではそういう環境を与えてくれた会社には感謝したいなっていうふうに思えましたし、あとはやっぱり外に出て何とか自分のスキルが通用したなっていうのも会社が育ってくれたおかげだなっていうのもすごく思いましたね。

北場:岡田さんとかの場合は自分で本当に何でもできるので何でもしてたと思うんですね。1人で完結したところがプロボノでこのチームワークというか、チームで物を動かすっていうのを学ばれて、そして会社に持ってかれて、

チームでやる事でまた今まで感じなかった達成感であったり、まあ言ったら部下の成長であったり、恐らくそういうところに目がいって、自分のこの余裕とかあと器の大きさというのが周りにも波及して、全体をよくしていったようなイメージに聞こえました。

岡田:いいこと言いますね(笑)。

北場:そんな感じじゃないですか。今振り返ってみると。

岡田:うん、そうかも。

―― 会社での評価も上がったってさらっとおっしゃいましたけど、どういうことなんですか。

岡田:ちょっとだけ給料が上がったんです(笑)。

―― プロボノやって給料上がったんですか。すごくないですか?(笑)おめでとうございます。

岡田:ありがとうございます。

―― 初めて聞きました!

でもそれ関係あるんですか?いや相関関係がちょっと証明はできないなと思っちゃったんですけど。

岡田:でも、仕事の視野が広がったので、それはほんとプロボノのおかげだなって思ってます。でも多分、(私が働いている会社の)社長はそんなこと思ってないと思うんですよ。プロボノのおかげで成長したと思ってないと思うんですけど、私は思ってるからそれでいいんです。

北場:あと岡田さんの場合、視野もそうですけど処理能力が非常に高まったなってイメージがあるんですね。最初私もずっとそばで見てて、いっぱいいっぱいだなと思っていたところが同じ容量でもちょっと違う3ヶ月後見てみた場合、非常にそれがコントロールできていたりとか、あと当然プロボノをやらなきゃいけないというかやりたい気持ちがあるので、その時間を割くために、本来業務を上手くコントロールできたとか、それを処理できたと言う部分は何となくそばにいて感じましたね。

―― ということなんですね。

岡田:ですって!(笑)

北場:僕は会社の人じゃないのでどうも言えないんですけど、おそらくそういうところが相乗効果がでて、全体的に広がっていったようなイメージはあります。

―― そうですか!私はいろいろなプロボノワーカーの方にお会いしてますけどプロボノやることで会社の評価が上がって給料が上がったって方初めてお聞きしたので非常に嬉しいですね。

でもご自分の中で、そうだという風に感じてらっしゃるということですもんね。

それに対してまた周囲も、反応して、そういう結果につながってるということだということです。

北場:この一番最高な状況は、この相乗効果じゃないですけど、プロボノで学んだことが会社にも反映できて会社で学んだことがプロボノでも反映できて、ここの循環が高くなっていって社会的インパクトが出てくるというのがおそらくゴールだと思うので、そこういうところってすごく大きいと思いますので、そのあたりも僕たちもずっと見続けていきたいなというふうには思ってます。

―― そうですね。どうしても私がやってるサービスグラントというプロボノの団体は、プロボノプロジェクトを運営するところが精一杯で、実際に関わっていただいた岡田さんがその後会社に戻られてどんなことされてらっしゃるのかとか、そういうその後の話ってなかなか聞けてないので今日お伺って結構新鮮でした。

北場:プロボノに出会って、その機会もそうですし、プロジェクトもそうなんですけど、本当にそれに感謝してる方って僕の周りも非常に多くて、実際そういうことを与えていただいたサービスグラントのために何かしたいということも僕の周りでも出てきています。

おそらく岡田さんがおっしゃったとおり自分が会社並びにプライベートでもこうスキルアップした、いいことがあったというのを還元したいという気持ちをもっている人は多くなっているような気がします。そんな感じですよね岡田さん。

岡田:はい。すごい言い方、その上からなっちゃいますけど恩返しがしたいなっていう気持ちはありますね。

―― ありがとうございます。

北場:このチームに関しては本当にチームワークが良くて、本当に色々プロジェクト終わった後でもコミュニケーションとかしたりしてるんですけども、その中でもそれぞれ今のモチベーションを聞いたとき、私は次以降PMしたいとか次こんなことしてみたいんだよっていうのが具体的に見えてくるので、

恐らくそういう意味では岡田さんがうまくコーディネーションなさったんだと思います。また。サービスブランドに対して本当に恩恵を受けているものが多いんだと思います。

―― 本当の変化というのはおそらく、これからなんですよね。岡田さんが仕事場へ戻られて、まあずっと仕事場にいらっしゃいますが、仕事を続けていかれて、そういう今までとちょっと。少しく変化をした仕事のスタイルを実践されていく中で本業でもないなにかこうチームのメンバーというか周りのメンバーと一緒に何か新しいものを想像していくとか、何か新しいビジネスにちょっとチャレンジしていくとかそういったことがこれから、きっと怒っていくんだろうなと思いますし、またそういったことは、半年1年とか3年ぐらい経ってからまたわかることもあるかもしれませんので、そういうことがもしあったらまた聞かせていただけたらなというふうに思いますけれども。

北場:この「春だから」って新しい動きをされる方も多くありますので、今日お話してくださった岡田さんみたいなPMになりたいなんて方が多くなればいいなと思います。

―― では、8時からのプロボノ部はこれで終了したいと思います。今日は岡田さん本当にありがとうございました。

岡田:ありがとうございました。

北場:ありがとうございました。


聞き手  北場彰さん/プロボノワーカー・製薬会社勤務

     嵯峨生馬/サービスグラント代表理事

テキストライター 益田 寛子さん

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