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アルバイト経験しかない女性が正社員をつかむまで

こんにちは。派遣コーディネーターのしぶやです。

弊社でよくあるパターン…というか私が勝手に積極的に支援しているパターンを紹介してみます。アルバイト→弊社派遣→正社員就職というパターンです。

前回の記事でご紹介した通り、私は正社員就職を激しくおすすめしています。その理由はスタッフにも話しており、専門職派遣ではない事務派遣のスタッフには特に力を入れて、本人が希望すれば正社員就職での支援を行っています。(あくまでも個人的にです。会社としては長年いてくれた方がマージン取れて利益になるので…ただし、会社の損失にもならないよう3年満期のタイミングで支援しています)

では典型的なパターン、早速行ってみましょう。

26歳のAさん

Aさんは地方出身で、学歴は専門学校卒です。新卒で地元病院の受付事務のバイトをスタートしています。1年働いた後に上京。首都圏のアクセサリーショップやアパレルショップでバイトをし、26歳で弊社に登録しました。

Aさん「立ち仕事&シフト制がつらくなってきて事務職に応募しようとしたら、全く書類が通らなくて驚いてしまって。派遣ならできるかなと思い登録しました。」

新卒時にアルバイトでキャリアをスタートさせた人は、履歴書・職務経歴書の書き方が自己流な人が非常に多いです。ちょっと書き方を変えるだけで通るのに…という人が多い。Aさんもその典型的な例で、応募時の書類では職歴がほとんど読み取れず、社名しかわからない状態でした。

ここで落ちてしまうことも多いだろうと思える書類でしたが、年齢が若いことや、アルバイトとはいえ病院事務の経験があるということで、会うことにしました。

プッシュできる要素が非常に多かったAさん

まずお会いしてみて、人柄が良いことがすぐにわかりました。書類で損しているタイプです。普通に働いている方には信じられないかもしれませんが、面談時に全くしゃべらない人、聞き取れないほど声が小さい人、質問の回答がずれている人というのはけっこういます。

しかしAさんは非常に聞き取りやすい声ではきはきと、笑顔を交えて話せる人でした。質問の回答もしっかりしているし、とても感じが良かったのです。

しぶや「これは推せる…!!!」

問題は職歴です。アルバイトのみ、経験は4社。ちょっと計画性のなさが見えてしまいます。そこでその場で「失礼だとは思いますが…」と前置きのうえ、「このままでは書類落ちの可能性があります。派遣先での面談をより好印象にすべく、職務経歴書の書き換えと、退職理由を前向きなものに置き換えてみませんか」というようなことをご提案しました。

すぐに「お願いします!」とおっしゃってくださり、素直さと行動の早さも高ポイントでした。(ここで不機嫌になったり、断られるケースも多々あります)初めて会う派遣コーディネーターを味方だと思ってくれ、協力してくれる人というのは、素直な方が多いです。

職務経歴書はテクニック

書類で落ちる人は、職務経歴書の書き方をわかっていないだけというケースはままあります。採用担当者はどんな人が欲しいのか、採用要件から読み取り、その要件を満たしていることがわかるように書かなければなりません。

Aさんの場合は病院事務でパソコンスキルを、ショップスタッフでコミュニケーション力など対人スキルをアピールすることにしました。また、仕入れなどの部分で企業とのやり取りをしていたことも記します。

退職理由は東京にあこがれていた、人間関係に悩んだなどでしたが、「地元には仕事が少なく、キャリアアップの機会が見込めないため上京」「上京したものの、専門卒のため正社員になかなか決まらず、生活のためにアルバイトを開始。」など前向きかつ整合性の取れるものへ変更。

今回紹介したいなと思った派遣先は事務スキルはあまり求めないものの、他部署とのコミュニケーションが多く、明るく細やかな方を求めていたため、「ショップスタッフとして日々多くのお客様と接する中で、会話の中からお客様の求めるものを察知し、ご提供できるよう努めてまいりました」などアピール。

そうやって職務経歴書を仕上げ、派遣顔合わせでも齟齬なく話せるようご本人と内容を確認します。嘘はつかないが本心を語りすぎないのがコツです。

大手広告代理店の事務職に内定

無事書類が通り、緊張していたものの面談も滞りなくすませ、大手広告代理店の事務に内定しました。コロナ前なので当然、対面面接です。派遣コーディネーターも同席できたので、ちょっと答えに詰まってしまったところは助け舟を出しつつも、お人柄はとても良いのですぐに内定が出ました。

弊社は3か月ごとにスタッフ面談を行っているので、2年を経過したあたりから今後のキャリアについてスタッフと相談を始めます。Aさんは正社員転職への意欲があったため、次の派遣先を探しつつも、転職サイトやエージェントへの登録をおすすめしました。

転職エージェントは担当との相性にかなり左右されますが、職務経歴書の添削をしてくれるところもあるので、一度は登録をおすすめしています。

本格的な転職活動は3か月前から

仕事をしながらの転職活動は大変なので、3年満期の3か月くらい前から転職活動を本格化させます。Aさんは有給が取りやすい環境だったので、午後休をうまく組み合わせながら面談に行っていました。3年満期直前だとある程度の有給消化は派遣先も想定しているので、大目に見ていただけることが多いです。

Aさんは正社員経験がなく、エージェントから紹介される企業が少なかったため、私からは「中小企業を中心に受ける」ようにアドバイスしました。中小企業の採用担当者には、正社員経験がなくても「大手広告代理店にいたのか」と企業名を評価してくださるところがまだけっこうあるのです。(偏見すみません)

Aさんは結局、東京近隣県の機器メーカーに、正社員での雇用が決まりました。(総務事務職)

総論

Aさんはアルバイト経験のみでしたが、

20代の女性
コミュニケーション力がある
素直で行動が早い
正社員になりたい気持ちがある

この4点が優位に働いたのだと思います。若くてコミュニケーションスキルのある方は、職務経歴書で弱く見えるところを補えばじゅうぶん正社員が狙えます。(Aさんの場合は事務スキルと企業経験)

次回Bさんも書いてみようと思いますが、似たり寄ったりなので別キャリアのCさんを取り上げるかもしれない…。こうご期待。

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