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誰にでもやさしいなんて不可能かもしれないけれど、思うことくらいはしたいから。

私は、極度の運動音痴だったり人見知りだったり、視力が悪かったりするけれど(普通に眼鏡で矯正できる)、生まれてこのかた、身体的にも精神的にも大きな病にかかったことはないし、オット(←子どもの福祉に関わる事業をしている)に言わせると、「発達障がいの要素はほとんどない」、ものは失くさない方だし、物忘れもそんなにない、マルチタスクも苦手じゃない。その他諸々。

だから、心がつらいかた、体が不自由なかた、その他何かしらの障がいと共にあるかたのこと、ほんとのところ、わからない。知ろうとしてこなかったと言われれば、そうかもしれない。
けど、当たり前かもしれないけれど、蔑ろにしたいとも、もちろん思っていない。できれば、できるだけ、どんな人も生きやすく、暮らしやすくなったほうがいい。

そんなことを突然書き始めたのは、今回、ご縁があってリコさんのnote内の一部のイラストを、描く機会をいただいたため。


リコさんは、弱視と難聴をお持ちのママさん。弱視は矯正できないし、難聴もお付き合いしていくしかないもの、とのことですが、弱視も難聴も乗り越えて、いろんなことに挑戦されている姿を、noteでも見ることができます。
そして、弱視や難聴にかかる日常の不便さ、良いことなども、発信してくださっています。

この記事にある動画を見ると、弱視のかたの日常(特にお料理編)を少しだけ知ることができます(ちなみに、料理もふつうに、美味しそう。空腹時閲覧注意です!笑)


そんなリコさんから、「弱視のママらしいイラスト」ということで、お声がけいただきました。わ〜。あっしでいいんですかい?(←何故か偽江戸っ子現る)
絵にかかることで「こいつがいたな」と、思い浮かべてもらえることって、絵描きにはとてもうれしいのです。

弱視のママらしいイラスト、という観点でももちろん考えましたし、同じように目が見えにくかったり、耳が聞こえにくかったりするかたの目に触れる機会が多いかもしれないから、そうした方にも配慮したものにしたいと思いました。

でも、先に書いた通り、私は正直に申し上げて、当事者のかたのこと、あまりわからない。
なので、潔く「わからない」ことをお伝えし、色々と教えていただきながら、またリコさんに弱視ママらしい光景イメージをいただきながら、進めてみました。

バッグで手が塞がらないように、手提げではなく肩掛けを。
白杖に、折りたたみ式があること。(シンボルケーン、と言うのだそうです)
スマホのカメラの拡大で、遠くの様子を知ったり。
知らなかった、ことがたくさん。

こちらのマガジンの記事も、いくつか読ませていただき、参考にさせていただきました。
ちょっと心が痛むようなものもありますが、それをありのままに書き留めて、かつ、ときに笑い飛ばしてしまうような、強さを感じる記事もあります。




この絵は、ボツ絵
何も考えずに描いたものを仕上げようとしたところ、白杖の周りに人がいるのはやっぱ危ない、と思い、リコさんのお話も参考に、描き直しました。

あと、調べていたらこんなものがあって

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/kanren/color.files/colorudguideline.pdf

(↑ 東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン)
平成23年と少々古いので、もしかしたらもっと新しいものがあるのかもしれないのですが。

これは、看板や資料などについて、色の区別がしにくい方にもわかりやすい配色やデザインの工夫に関するものなのですが、これをイラストにも使うことはできるのだろうか?と、思いまして。

いつもと違うブラシを中心に使っているので、ちょっと違う感じに見えるかもしれませんが、その理由は、いつものブラシって、元々の色よりちょっと薄く色が出てしまうから。それでは、色見本を使った意味が、なくなってしまうかなと思いました。

実際どう見えるかはわからないけど(Chromeの拡張機能やイラレだかフォトショだかには、色弱の方がどう見えるかフィルターをかけられるものがあるらしいです。すご!)、この配色を参照しつつ、イラスト内にも少し取り入れてみた、つもりです。ただし、付け焼き刃でどうにかなるものではない気がして、実際色の分かれ目がわかりやすいのかとか、その辺りはかなり怪しいですが。

デジタル用途としては、ディスプレイ次第で色味が変わるために見分けやすい推奨組み合わせは指定なく、「見分けにくい組み合わせを避けるように」という注意書きなのですが、そこそこ「見分けにくい組み合わせ」も使っちゃっていて、でもイラストの仕上げ的にその色はちょっと・・・っていうのがやっぱりある・・・。これは、難しいですね。そっちの方面の人じゃないから、とりあえずはいいんだけども。

ただ、最初私は「赤や緑や黒で色鮮やかに」なんて、浅はかなことを考えていたのですが、赤も緑も黒も、特定の色弱の方には非常に区別しにくい色であることが判明。そういうところは、回避できたのではないかと思います。
それと、こうしたもの(ガイドブック)が公表されているということがわかったのも、収穫だったかと。

(注:リコさんがそうであるということではなくて、広く色の認識がしにくいかたに向けて配慮したらどうなるか?という考えのもとでやっていますよ。リコさんには、お好きな色や見えにくい色の有無などについて伺いました。)


あと、実際リコさんがそうなのかまでは、実は伺っていないのだけれど、お洋服。きっと、前後の区別がしにくいようなものって、気軽には着にくいんじゃないかしら、と、思ったんです。もちろん、タグやなんかでわかる部分もあるでしょうけれど。
あくまで私の勝手な推測なのですが、ボタン(実際留めるやつじゃなくて、飾りボタン)や飾りが付いてたら。襟の形がちょっと違ったら。それだけで、違うんじゃないかなあと。
前後がわかりやすくて、着やすくて、それでいてかわいいものにしたくて、ものすごく地味なところですが考えました(笑)



とかなんとか、なんやかんやの結果のイラストは、リコさんのnoteで!ぜひ、ご覧になってください。

やさしさ えがお かんじる 景色
今回、ヘッダー作成にあたってリコさん発案の、キャッチコピーです。

とてもあたたかくて、丁寧でやさしい。素敵なキャッチだと思います。


今回は、ヘッダーと、スキのリアクションなどに使われるイラストを、お子さんとの風景中心に数点描かせていただきました。なので、スキボタンもぜひにお願いします〜


最後になりましたが、リコさんへ
今回、このような機会を私にくださいまして、ありがとうございました。
絵のことで少々悩み気味になった時期であったこともあり、とても勇気づけられ、たくさんのことを学ばせていただきました。
これからのご活動も、応援していますね。弱視のこと・難聴のことも、たくさん発信してください。私も知りたいし、たくさんのかたに、届きますように。




今日のヘッダー、久しぶりにみんフォトに入れようと思います。最後に入れたのいつだか覚えてません。それだけ、そういう絵を描いてなかったみたい。
(だって、おにいさんをみんフォトに入れてもちょっと、ちょっとアレではないか。)

見慣れぬ絵かもしれませんが、私が描きました
「しち」「(カラー)ユニバーサルデザイン」という、なんともニッチなワードで登録しようと思います笑


それでは、ちょっと長くなってしまいましたが、本日もお付き合い、ありがとうございました。

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