おままごとは「イメトレ」の基礎?!子どものイメージ力を伸ばすあそび を紹介
絶対に成功させたい、絶対に勝ちたい…ご自身のお仕事でも、お子さんの習い事や試合でも、そのような場面はいくつもあるでしょう。
勝負の舞台で実力を発揮するには、イメージトレーニングが重要だと言われます。今年の夏の甲子園、107年ぶりに優勝した慶應高校野球部が、練習にイメージトレーニングを取り入れていることが話題にもなりました。
しかし、慣れていない方からすると、ちょっと特別なトレーニングのようにも思えます。ところが、実は、子どものあそびがイメージトレーニングの基礎になっていると知ったら、少し身近なものに感じませんか?
今回は、幼児期の子どものイメージ力を高めるあそびについてご紹介します。来週から始まる冬休み。あそびを通して、お子さんの「イメージ力」を鍛えてみませんか?
●脳科学的に証明されたイメージトレーニングの効果
イメージがなぜ現実化するのかは、脳科学の面からも証明されています。
快楽や多幸感を得る脳のドーパミン神経はだまされやすい性質を持っているため、優勝などの嬉しい場面を具体的に何回もイメージすることで、それがイメージなのか現実に起こって感じているのか、わからなくなってしまいます。
成功体験をしたかのようなイメージをすることで、意識した方向へ自然と働くような脳になってしまうわけです。
子どもの頃にイメージ力をつけることで、成功イメージをリアルに抱ける→イメージへ向かって行動する→欲しい未来を自分で迎えにいく、のサイクルを生み出せるようになるのです。
その際に大切なのは、子どものイメージを否定しないこと。どんなイメージも「おもしろい!」「自由で最高!」と受け止めてあげてくださいね。
●おうちでできるイメージ力を鍛えるあそびを紹介
それでは、イメージ力を鍛えるあそびについて紹介していきます。3歳くらいのお子さんから遊べるものを対象にしています。おうちで簡単にできるものばかりなので、ぜひ試してくださいね。
【ジェスチャーあそび】
「何を食べているところでしょう?」「何のスポーツをしているところでしょう?」と、お母さんやお父さんのジェスチャーを当ててもらいます。最初はヒントとして「食べ物」「スポーツ」など、少し範囲を狭めて聞いてあげましょう。図鑑をパッと広げて「どれをマネしているでしょう?」と遊んでもいいですね。慣れてきたらヒントは無しで、「何をしているところでしょう」とだけ言ってジェスチャーを始めましょう。
親の表現がわかるようになってきたら、子どもがジェスチャーする番です。思いのまま自分で表現する機会をつくりましょう。ジェスチャーゲームをすることで、言葉なしで表現するにはどんな動きをしたらいいか、と身の回りの物事への意識が高まります。
【おままごと】
お料理をする場面設定で、「コックさんとお客さん」「お母さんと子ども」など役割を決めて開始! おままごとのセットがなくても大丈夫。「オムライスは黄色いハンカチを使おう」「サラダは緑のブロック」と、他のものを使って想像の世界を広げましょう。エプロンをして手を洗い、食べるときには「あちちっ」と表情豊かに、大人はリアルに表現して子どものイマジネーションを広げてあげましょう。
料理のメニューを決めたり、必要な材料を買いに行ったり、よりリアルなシチュエーションを考えてください。ボウルやヘラなど実際の調理器具も使い、「さしすせそ」の順番で味をつけ、具材をお鍋に入れる順番など、細かいところも表現していくと良いですね。
【残像あそび】
用意するのはオレンジ色の背景に青い丸が書かれたカード。
①「目を閉じて3回、吸って吐いて呼吸してみようね」と、深呼吸を3回繰り返し、心を落ち着かせます。
②目を開かせ、先ほどのオレンジ色に青い丸が書かれたカードを見せます。「青い丸をじっと見てね」と声をかけ、瞬きせずに、30秒見つめさせます。③もう一度目を閉じさせて「何が見えるかな?」と聞きましょう。
初めは補色のオレンジ色の丸が見えますが、慣れてくると見たままのオレンジの背景に青い丸が見えるようになります。
残像が長く見えるようになったら、まぶたの裏に残った青い丸を自分の好きな色・形に自由に変えていきます。「青い丸が違う形になっていくよ何が見えるようになるかな?」と聞いてあげましょう。青色の丸がなかなか見えるようにならないことも多くありますが、焦らなくて大丈夫。「何も見えない」の返答にもがっかりせず、継続してチャレンジしてみてください。
いかがでしたか?いつもごっこ遊びにつき合うのが大変…と思っていたお母さんも、「イメージトレーニングに役立つなら少し本気で相手をしてみようかな」と感じませんか?あそびを通じて、楽しくお子さんのイメージ力を伸ばしていけるといいですね。