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感謝の気持ちは、親から子へ伝えよう

卒園式、卒業式シーズン。お子さんから感謝の言葉をもらって、感動した親御さんもいらっしゃると思います。

お子さんが素直に感謝を伝えてくれるのは、親御さんがお子さんに対してしっかり感謝を伝えてきた証拠です。

もし、「うちの子はありがとうが言えない」「感謝の気持ちが無い」と心当たりがある親御さんは、ご自身が子どもに感謝の気持ちを示しているか、振り返ってみてください。


●子どもを尊重する「ヨコ型思考」の子育てとは

親には、タテ型思考とヨコ型思考の2つのタイプがあります。

タテ型思考の親は、子どもを自分より低くみる傾向があります。子どもを自分より劣る人間だと考え、子どもの言うことは聞かずに、自分のやり方や考え方を押しつけてしまう。すると子どもはどんどんやる気をなくし、反発してしまうでしょう。

ヨコ型思考の親は、子どもを上から下に見下すのではなく、子どもと同じ高さになって、あるいはむしろ下になって、子どもの心を見ることができる親御さんです。

ヨコ型思考の親は、自分より大きな可能性を持つ子どもを尊敬し、その能力を信じているので、子どものすることを大切に見守ることができます。そして、上手・下手よりも子どものやる気に感動し、がんばれと励まし、できるようになったことを喜び、認め、口にだしてほめることができる親御さんです。子どもは嬉しくなって「もっと喜んでもらおう」「もっと上手になろう」とやる気を大きくしてくれます。

朝起きたときから、子どもに「おはよう」と言葉をかけ、「元気に起きたね」とほめて、子どもの1日を心はずむものにしましょう。子どもを自分より劣ったものだと見下さず、対等に子どもの心が見られるようになったとき、育児がうまく滑りだします。

●感謝されたら嬉しいと思う気持ちを育む

子どもの心を不安にかりたてるのは、親の態度と言葉です。一日中小言ばかり言って育てていると子どもの心は満たされません。

子どもの心を満たすには、やさしく抱きしめてあげると同時に、認める言葉、ほめる言葉、ねぎらいの言葉、感謝の言葉を伝えることが大切です。

子どもにちょっとした用事を頼み、手伝ってくれたら「ママとっても助かった!ありがとう」と感謝し、子どもをギュッと抱きしめると、子どもの心は動きます。「自分は役に立った。もっと役に立ちたい」と思うようになります。

子どもは親からの「ありがとう」で人に感謝されて嬉しい気持ちを育むのです。また、親が自分に感謝する様子を見ているので、人に親切にしてもらったときに子どもの口からも自然に「ありがとう」と感謝の言葉が出るようになります。

小学生になったら、「人間として成長するには、心を大きく育てることが大切なんだよ」と教えましょう。そして、「心を大きくするには、人に喜ばれること、感謝されることをするんだよ。あなたも人から親切にされたら嬉しいでしょう」と伝えてください。

子どもは親に感謝されて、人に喜んでもらうことを知ります。そして、喜んでもらえたことが嬉しくて、さらに喜んでもらいたいと努めます。親の感謝の言葉は、子どもの心を明るくし、やさしくし、やる気のある心に変える魔法の言葉なのです。