IT業界の新人が最初に習得するコミュニケーション能力は「共感」じゃないよ
はい、どうもこんにちは、七堂です。
前回に引き続いて、新人さんに伝えたいことを簡単にまとめて行きますね!
今回は、「新人さんが勘違いしているコミュニケーション能力」について話していきます。
「コミュ力至上主義」となってしまった現代では、どこの業界に行っても、「コミュ力」「コミュ力」と口うるさく言われます。
今年入った新人さんたちも、人事の方からもしつこく言われていますよね?
「コミュ力」は何かと、WEBサイトを検索すると、「聞き上手であること」「共感が大事」「リアクションが大きいこと」「レスポンスが早い」といった項目が並びます。
ですが、実際に仕事をしていくと、これらを習得した新人さんの「コミュ力」が高いとは思えないのです。
では、仕事における新人さんが習得すべきコミュ力とは何でしょうか?
新人さんが習得すべきコミュ力とは?
新人さんがまず習得すべきコミュ力は「相手を自分の思う通りに動かすこと」です。
なぜって、自分の力では、仕事を完遂することが難しいからです。先輩や上司をうまく使って、仕事をしてほしいのです。
そんなの難しいし、人を動かすって暴力的な側面があるじゃん!って思うかもしれません。
でも、コミュ力の真の正体は「暴力」なのです。
ドラえもんを思い浮かべてください。ジャイアントとのび太、どちらがコミュ力があるでしょうか?
9割の方がジャイアンと答えますよね?
ジャイアンは、周りが言うことを聞かなかったら、暴力を使ってでも言うことを聞かせ、リサイタルに招待します。むしろ、オーラだけで、相手を屈服させて、リサイタルに招待する力すらあります。
一方、のび太の方はどうでしょうか?
ジャイアンの機嫌が悪そうなときは、回り道をして、危険を回避し、しずかちゃんには優しく接します。
殴られたら、号泣でドラえもんに不遇をアピールし、ジャイアンやスネ夫の望みを聞き、ドラえもんに正確に伝えることさえあります。
相手の気持ちを察し、共感し、リアクションが大きい。まさに、世間一般で言われる「コミュ力」です。
となると、ネットに溢れている一般的な視点では、のび太のほうがコミュ力が高いと言えるでしょう
ですが、直感的には、暴力を使ってでも相手に言うことを聞かせる人間のほうが、コミュ力が高くなるのです。
なぜこんなにも、直感的な「コミュ力」と、世間一般の「コミュ力」がかけ離れてしまったか? おそらく、記事を書いているコンサル達が、上司やリーダーの視点から書いているためだと思われます。
元々、相手を服従させる能力が高い方々に、プラスアルファの要素として取り入れたい。もしくは、更に服従を強化するために弱者のコミュ力である「共感」や「リアクションの大きさ」を強化したいとの思惑があるのでは無いでしょうか?
相手に言うことを聞かせるには?
さて、相手に言うことを聞かせるコミュ力とは何でしょうか?
それは、以下の3つに分類されます。
社会的地位
暴力
話し方のテクニック
それぞれ、見てみますね。
相手に言うことを聞かせるには、社会的地位が必要
社会的地位によって、相手を服従させることができます。
社会的地位はよく言われる「社会資本」「人的資本」「金融資本」だと思ってもらえばと思います。
わかりやすいところでは、「人的資本」でしょうか?
その人の肩書や役職、能力、知識、経験、年齢、性別、見た目により、格上だと思った方の言うことを聞いてしまった経験は無いでしょうか?
ありますよね?
そのように、人間は社会的地位によって、自然と従ってしまうのです。
今回のこの話を聞いている新人さんたちは、私がこの会社のテックリードの役職を持っていること、年齢が一回り大きいこと、圧倒的な経験値から、話を聞いているのだと思います。
実際に、4歳時の時点で、優秀な人間に教えを請おうとする、性質があるとの論文もありました。
人間は人的資本で、服従してしまうのです。
でも、君たち新人さんが、これらを身につけるのは難しいですよね?
スタートラインはほぼ同じです。院卒の方がちょっと上かな?ってくらい。あえて勝負できるとしたら、性別と見た目くらいでしょうか?
あとは、努力で得られる知識くらい?
なので、次の手を考えてみましょう!
相手に言うことを聞かせるには暴力が必要
暴力で服従させることも可能です。
こちらは、細かく話さなくてもわかりますよね?
はい、ジャイアンです。
何も物理的な暴力だけではありません。パワハラや誹謗中傷、ペナルティでも可能です。
例えば、自衛隊なんて、わかりやすいのでは無いでしょうか? 部屋が片付いていなかったら、ペナルティとして部屋がめちゃくちゃにされる訓練の様子を、見たことがあると思います。
ビックモーターの2代目社長のことを思い浮かべてください。彼からのラインは、誹謗中傷、罵詈雑言、人格否定の文言が溢れています。
彼は、現場あがりでは無いため、前述の「社会的資本」がなく、「暴力」に訴えかけるしかなかったのです。
なお、前者は一見パワハラに見えますが、「〇〇したら〇〇」するってルールのもとに行われているため、パワハラにはなりません。後者はルールが無いため、パワハラとして訴えられます。
ルールとペナルティで縛るという方法は、新人リーダーににはとても有効です。
「毎朝進捗をチャットに書いて、かけなかったら口頭で報告してください」くらいのルールを決めるだけでも、言うことを聞いてくれやすくなりますので。
こちらは、2年目研修で行いますね。というわけで、次の手です。
相手に言うことを聞かせる話し方のテクニック
最後の手法です。話し方で言うことを聞かせます。
社会的地位も、暴力も使えない弱者のための最後の手段です。
それは。。。。。。
事実ベースで話すこと
結論から話すこと
言い切ること
です!
** 事実ベースで話すこと **
まずは、事実(ファクト)で話すことです。持たざるものは、揺るがない事実で話すしか無いのです。
例えば
「◯◯にパワハラされたー」と女性が言ったら、部署を巻き込んだ大問題になるでしょう。女性は社会的地位が高く、言うことを聞かせることがしやすいです。
では、「◯◯にパワハラされたー」と男性が言ったら? 「はいはい、それは指導だからね。」と流されるのが見えています。男性の場合は、社会的地位が低く、ボイスレコーダーでパワハラの証拠を抑えないと相手にしてもらえません。
持たざるものは、事実を突きつけるしか無いのです。
** 結論から話すこと **
続いては、結論から話すこと。こちらはPREP法の研修をやっていると思うので簡単にいきますね。
結論、理由、具体例、結論の順で話すってやつです。質問するときにも使えて、
〇〇をしたいので、見ていただけませんか
〇〇が動かないから
〇〇を試したけどだめだった
〇〇をしたいので、見ていただけませんか?
って感じです。
仕事においては、オチは期待していません。次の話が推測可能できる話し方のほうが、信憑性が高いのです。
** 言い切ること **
最後は言い切ることです。「〇〇だと思う」「〇〇じゃないかと?」のような表現は避けてください。
なぜかと言うと、「事実ベースの話ができなくなる」のと、「責任がなくなる」からです。
事実ベースの話は前項で話したとおりです。
責任がなくなるとは、失敗したときに、失敗を取り返す覚悟が無いこと。そんな方を信用して言うことを聞こうなんて思いませんよね?
実際に、男性向けの広告ページは言い切りの形が多いです。仕事をしている人にとっては、このような形のほうが信頼ができるのでしょう
相手を動かす話し方については、「コンサル1年目が学ぶこと」を読んでみてください
まとめ
新人さん向けのコミュ力の話でした。間接部門(非ソルジャー)の人事や事務が言うコミュ力とはかけ離れていませんでしたか?
ITの現場は戦場です。「きゃーやだやだー」「あらー大変そー」「うんうん、そうだね」みたいな共感はいりません。
必要なのは、上司と先輩を動かす力です。
そのために、話し方に気をつけて、事実に基づいた円滑な情報共有をしてほしい。
間接部門やネットの情報には、踊らされないでください。まずは事実ベースの話し方を習得する。
その後、社会的地位を高めて、言うことを聞かせられるようにし、そこまで到達した後に、共感ができるようになって欲しいのです。
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