「#MeToo」(山田亮太著『誕生祭』より)

私も
自分のずるさを隠すために
見ないふりをしたことがある

私も
支配したいという思いにかられ
嘘をついたことがある

私も
無理解を言い訳に踏み込む人と
同じ顔 同じ仕草で

私も
安全な位置を確かめて
言葉を奪おうとした

愛は与えつづけないと死ぬ
どれほど高潔であろうとも
信頼に目が眩んだ日に
私は間違える

私よ
いつであれ変化せよ
私でないもののほうへ



山田亮太『誕生祭』収録
発行:七月堂

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