見出し画像

「ソーシャルメソッドについて」レジュメ - 下

専門家ではない私はカウンセリングこそしませんが、様々な活動をする上では、ヒヤリングから始めてアドバイザー的な動きをします。所謂プロボノとは名乗りたくは無いため「ソーシャル・フィクサー」を名乗っております。

ソーシャル・フィクサーとして活動する上で、幾つかの考え方、思想を重要視しており、今回はOODAにおけるWell-being と文化資本を組み合わせた独自メソッドに関して述べさせて頂ければと思います。

尚、こちらの記事は「ソーシャルメソッドについて」レジュメ - 上の続きになります。


OODA(ウーダ)について

OODAとはジョン・ボイド(米)が提唱したフレームワークです。Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字をとったもので、わかりやすくいうと「みる」「わかる」「きめる」「うごく」という意味になります。

ジョン・ボイド(John Boyd)は、アメリカ合衆国の空軍士官、軍事戦略家、そして軍事理論家でした。彼は、アメリカ軍の戦闘機パイロットとして活躍し、空中格闘において優れた能力を発揮しました。

OpenAIの回答

このプロセスを迅速かつ正確に行うことが、戦闘機パイロットだけでなく、ビジネスや政治など様々な分野での意思決定においても重要とされています。

OODA 4つのフェーズ

  • Observe:(見る)観察

  • Orient:(分かる)状況整理

  • Decide:(決める)意思決定

  • Act:(動く)行動

OODAの特徴は一度切りの実行で終わるのではなく、調整しながらこのループを何度も素早く繰り返すことにあります。さらに言うと、何度も素早く繰り返すことで相手を圧倒し優位な立場に獲得することを目的とします。

OODAとPDCAの違い

共通点は両方とも問題解決や意思決定を行う際のフレームワークであることですが、主に適用と用途が異なるといえます。

まず、PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのサイクルで構成される手法で、問題解決ないし業務改善に用いられます。具体的には、以下の4つをPDCAサイクルとして繰り返すことで、継続的に改善を進め、品質や業務プロセスの改善を図ることが可能となります。

  1. 改善すべき課題や目標を明確にする

  2. 計画した改善策を実行する

  3. 行した改善策の効果を評価する

  4. 評価結果を踏まえて改善策を改良する

一方、OODAは先述した通り4つのフェーズで構成される手法で、意思決定や戦略立案に用いられます。具体的には、以下の4つをOODAループとして繰り返すことで、柔軟かつ最良の意思決定が可能となります。

  1. 周囲の状況や情報を観察する

  2. 収集した情報を分析し、状況や目的を整理する

  3. 分析した情報をもとに意思決定する

  4. 決定した行動目標を実行する

PDCAは問題解決に重点を置き、組織や業務改善に用いられることが多い一方、OODAは意思決定に重点を置き、個人や組織の戦略立案に用いられることが多いと言えます。また、PDCAは循環的なプロセスの改善を目的としているのに対し、OODAは状況や情報に合わせた柔軟な意思決定を目的としています。

OODAをベースに「Well-being」+「文化資本」

筆者の着想ではありますが、OODAにWell-being と文化資本を組み込むことによって、ソリューションやテーマに新しい学術的なロジックを発生させることができました。

まずは、「Well-being」に関してですが、人々が幸福や満足を感じることができる様な状態や、個人の心身の健康状態や社会的なつながりを含めた総合的な幸福感のことを指します。

続いて、「文化資本」に関してですが、人々が持つ文化的な背景や価値観、教育レベル、社会的なつながりやネットワークなどの人々が持つ文化的な資源のことを指します。

これら3つを有機的に統合し、以下の通り新しいフレームワークを考案することにしました。

提唱「シン・OODAループ」

OODAにおいて、Well-beingと文化資本を考慮することで、持続可能で倫理的かつ人間中心的な戦略の策定が可能となります。「シン・OODAループ」は、凡ゆる状況に対応した最適な意思決定を可能とするフレームワークです。

では、フェーズを1つずつ見ていきます。

Observe(観察)

社会や組織における文化資本が、個人のWell-beingに与える影響を観察します。文化資本とは、共有された価値観やネットワークなどの社会において重要な役割を果たす資源です。これらがWell-beingにどのような影響を与えるのかを明らかにすることが必要です。

Orient(整理)

Well-beingと文化資本の関係を理解し、フレームワークを構築するために整理します。文化資本(ピエール・ブルデュー)の定義や、Well-beingの研究(前野隆司氏)から得られる知見を総合的に考慮します。

Decide(意思決定)

文化資本を活用してWell-beingを向上させるための具体的な施策を決定します。例えば、社会や組織において共有された価値観を尊重し、共感を生み出す様な取り組みやコミュニティ形成を促進する取り組みが挙げられます。

Act(実行)

決定した施策を実行します。実行する際には、フィードバックを常に受け取り、適宜調整することが重要です。また、Well-beingや文化資本が多少なりとも変化することを考慮した上で、柔軟に対応する必要があります。

「シン・OODAループ」の多層構造によるメリット

OODAにおいて、Well-beingと文化資本を考慮することで、持続可能で倫理的かつ人間中心的な戦略が策定されることができます。また、文化的背景や価値観、社会的ネットワークを踏まえた意思決定と、同時にWell-beingの観点からも持続可能で人間中心的な戦略が策定されることが期待されます。

Well-beingと文化資本の二層構造における相互作用については、以下のことが考えられます。

  • 文化的な体験や交流を通じてWell-beingを促進する取り組みが加速度的となる

  • Well-beingを高めることで、文化的な興味や意欲が促進され文化資本を育む環境が形成される

  • 文化的な遺産や伝統を保護・継承することで、社会的結束やアイデンティティの維持に寄与し、結果的にWell-beingにつながる

  • Well-beingを高めることで、文化的な興味や意欲が促進され文化資本を育む環境が形成される

このようなフレームワークが実際に導入されることで、Well-beingや文化的資本における価値を重視する取り組みが加速されることが期待されます。

メソッドに深める理解と共感性を持たせる

ここでさらに、深める理解と共感性といった要素を取り入れることで、フレームワークは強化されます。他人の感情や状況を理解し、感情的に共有すること、つまりは相手の立場や感情に共鳴することで、心理的なつながりを形成します。

従って、シン・OODAループにおいて自己認識や感情知能の基盤に基づいたフレームワークを構築することで、相手の感情や状況に関する洞察力と思いやりを伴い、他人との信頼関係や良好なコミュニケーションを促進し、より深いつながりを作り出すことを可能とします。

シン・OODAループの実践

今後、特定非営利活動法人まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.、Code for Hodogaya、GREEN LABELなどの組織活動や各種プロジェクトにおいて、シン・OODAループを実践していきたいと思います。

さいごに

ここまでお読み頂き、心より感謝申し上げます。名称や横文字が多く難しさを感じられたかもしれません。もし、この投稿が「参考になった」「興味を持った」という方は、フォロー、スキを頂けると嬉しいです。

今後とも幅広く社会活動を展開しているソーシャルフィクサーとして様々な実践と実戦を投稿しますので、お付き合い頂けますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?