大人になれば安定するだろうと思っていた情緒は、以前にも増して不安定になり、私は日々自分の首に結束バンドが食い込むシーンの妄想をする。後悔するくらいなら「そう」しなきゃよかったと日々を悔いて、朝日に背を向けて布団に包まる。爆音を心から楽しんだはずなのに、ステージに立っていた自分以外の誰かと自分自身を比べて沈む。
　結束バンドの色は白。サイズL、30本入り、100円(税抜)。足元に窓があるせいで、脳みそはどろどろの状態で喉に食い込むプラスチックと、金枠を蹴る爪先を交互に繰り返す。5階は飛ぶには低すぎる。窓の下には丁度、車も常に停まっているし。
　仰向けに寝ると、天井に這う排気管が目に入る。直径20cmくらい。しっかりしているから、私がぶら下がっても壊れなさそう。カーテンレールはちょっと心許ないし、風呂場の扉は私を支える前に折れる。
　色々考えるけど結局怖いので酒を煽って寝る。炭酸とアルコールが喉を焼いて咽せる。
　「無駄な人なんていない」って言うけど、じゃあ存在意義を教えてほしい、と思う。
努力する気もないくせに、何者にもなれない自分を憂いて死にたくなる。その事実を分かっていても、なお何かをしようとしない自分に、いっそ笑いが出てくる。
　部屋が片付けられなくて辛い。片付けなきゃと考えるけど、動けない。私の今の生活スペースは、6畳の部屋に置いたベッドの上の1畳分のスペース。
　もう学校に2週間くらい行ってない。人に会うのが辛い。90分の話に集中できなくて、気付いたら意識が別の方へ向いてしまっている。
　でもあれこれ言ってても多分私は理由つけて怠けたいだけなんだろうと思う。どうしてこうなってしまったんだろうね。誰か。