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”進捗2Earn” 第1回 Demo Day レポート(shiftbase UNCHAIN)

”進捗2Earn” 第1回 Demo Day レポート

15日、web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」で開催中のweb3開発助成金プログラム”進捗2Earn”の第1回のDemo Day が開催された。

この記事ではDemo Day での各プロジェクトのプレゼンテーションやメンターによるコメントなどをご紹介する。

Chain Optima

Demo Day 1人目の発表者となった濱本一真氏は、スタートアップに向けたエンドToエンドのApplication Specific Chain (ASC) ソリューション「Chain Optima」をプレゼンテーションした。

現状のL1ブロックチェーンでは、高いガス代、低いスループット、トランザクションの混雑などの課題がある。また時にはトランザクションのスループットを得るために競争することもあり、UXは良いとはいえない。

そしてそれらを解決するApp-chainにも3つの課題があるとした。1つは構築コスト、スタートアップは十分なエンジニアリソースを持っていない場合が多く、新しいチェーンを構築する負荷が大きい。2つ目はメンテナンスコスト。小規模なチームに管理コストが重くのしかかる。3つ目がセキュリティだ。App-chainのセキュリティは、その人気によって大きく左右されてしまうことが避けられない。

これらの課題を解決するプログラムが「Chain Optima」。「Chain Optima」ではCosmos sdkによるテンプレートを提供し、簡単にApp-chainが構築可能だ。そしてZKPによるL1チェーンからセキュリティを借りることが可能で、チェーンをメンテナンスするツールも提供するとのことだ。

Chain Optima 一真氏

shiftbase shØ氏 コメント
先行事例を参考にしながら、今後ASCが乱立していく仮説をたて先んじてlowcodeなデプロイ/マネジメントツールを作るのは合理的だと思います。そういったASCたちの相互接続性を重要視してのCOSMOS SDK選定も納得です。ASCを一気通関でマネージできるようなツールを思い描いた時、欲しい機能はめちゃくちゃあるので、市場のペインを敏感にキャッチしながら優先順位をつけ続けることが差別化を図る上で大事になってくるかと思われます。大きな流れに真正面から向き合うプロダクトで、掴めるチャンスは大きいと思うので、期待しています。

shiftbase shØ氏

mycel

Aki Tarumi氏は、分散型ネームサービス「mycel」をプレゼンテーション。現在多くのクリプトユーザーは複数チェーン上でのトークン送受信体験に悩まされている。そこで「mycel」では、あらゆるチェーン上のトークン送受信を簡単にするドメインサービスを提供するという。

「mycel」ではDNSやIBC、イーサリアムをはじめとする対応したスマートコントラクトチェーンでのname resolutionをサポートし、既存のネームサービスとのインテグレートが可能になる。そしてDNSレコードやイーサリアム、BTC、Cosmosなどのウォレットアドレスもサポートするとのことだ。

なお「mycel」はドメインサービス用のブロックチェーンであり、ユーザーの登録費用はドメインを管理するインセンティブとしてバリデーターに分配される仕組みになっている。

mycel Tarumi氏

UnUniFi 木村優氏 コメント
既存のサービスの焼き直しでゼロからつくるのではなく、IBCインターオペラビリティ技術を使って既存のENSなどのエコシステムをうまくとりこんだ、チェーン横断的に使える設計は注目されるべきと思いました。ICNSとの差別化点などドキュメントで強調されるとメリットがさらにわかりやすくなると思います。

UnUniFi 木村氏

COMMUN

kanap0n氏は、その場所に行ったデジタル証明(訪問証明)をSBTで発行するプラットフォームサービス「COMMUN」を発表した。ユーザーはアプリをインストールすることで、様々な観光地/イベント/店舗等への訪問を証明出来るをSBTが取得できる。NFCカードから、証明を受け取る仕組みだ。

なおブロックチェーン技術とスポットに暗号化技術で保護できるICカードの制作を予定している。「COMMUN」のカード暗号技術によって複製が困難で、盗難時などもリモートで訪問照明取得がロックできるような機能を備えているという。

「COMMUN」は、地方創生の実現やメタバースへの特別なアクセスパスなどの提供を目指すプロジェクトだ。

COMMUN kanap0n氏

MonoBundle 原沢陽水氏 コメント
実際に起きた事件に対し、ブロックチェーン技術を活用して適切な解決策を導いている点においては素晴らしいと思いました。COMMUNはもっと幅広いユースケースの想定ができると思いますので、同じ仕組みを活用した異なる課題の深掘りとそれに対する検証を行えると次のステップ以降も進みやすいと思います!

MonoBundle Yosui氏

PARKET

最後にShun氏が、個人の権利をかんたんにNFTにして売買できるプラットフォーム「PARKET」をプレゼンテーションした。「PARKET」では、さまざまな提供者の権利がNFTとしてユーザー向けに販売される。またそのNFTは2次流通も可能だという。なおNFT保有者が権利を行使した際に、そのNFTがSBT化される仕組みになっている。採用チェーンはポリゴンだ。

それぞれの権利はNFT発行者(権利販売者)により値付けされてサイト内で公開される。NFTはUSDCで販売されるため、ユーザーが権利を購入するためにはUSDCと、ネットワーク手数料のMATICが必要となる。

なおNFT発行者(権利販売者)のKYCはPARKETが実施し、信頼度を高め、さらに売り逃げができない仕組みも実装しているとのことだ。

PARTKET Shun氏

Fracton Ventures 赤澤直樹氏 コメント
NFTの発行やその活用を民主化する方向性の取り組みで今求められているプラットフォームだと思いました。 ただし、類似のコンセプトのプラットフォームが存在及び追随してくることは容易に想定できます。その場合、例えばマーケットに著名なIPが乗っていることやすでに多くのユーザーを囲っているなどが優位性となりそうですが、このような強みをどれだけ作れるかがポイントになると思います。 また、更なるユーザーをいかに呼び込むかも大きなポイントになると思います。例えば、1次流通や2次流通などの売上の一部がプールされ、新しいユーザーが作品を作ったり、初めて販売する際のグラントとして利用されるなど、未来の新規ユーザーを支援するメカニズムを組み込むことでこのプラットフォームを利用する強い理由ができるかと思います。このような工夫を少しずつ入れることを検討してみてください。応援しています!

Fracton Ventures 赤澤氏

ETH Global Tokyoの夜、Demo Dayはクラブイベントに

なお今回の”進捗2Earn”Demo Dayは、ETHGlobal Tokyoにあわせた、サイドイベントとして開催された。Demo Dayの前にはネットワークキングとその場で日本円ステーブルコイン10,000JPYCが獲得できるワークショップが実施された。

ワークショップでディスカッションをする参加者の方々

そしてDemo Dayでの各プロジェクトの発表時には、ETHGlobal Tokyo参加中のエンジニアや有識者たちが多数来場し、プレゼンテーションを見守った。そこでは発表者と参加者の間で熱いディスカッションが繰り広げられた。

プレゼンテーションを見守る参加者の方々

そしてDemo Dayの閉幕にあわせ、web3を代表する会社のDJ/VJによるテクノパーティーも開催された。

多くエンジニアが都内某所に集まり、深夜まで議論や音楽を楽しんだイベントとなった。

(レポート:あたらしい経済 設楽悠介)

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スポンサーの方々

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この公式noteでは、shiftbaseメンバーの投稿や、「進捗2Earn」のDEMODAYレポートなど、さまざまなコンテンツや最新情報を掲載していく予定です。よかったらフォローしてください!😊


株式会社shiftbaseについて

株式会社shiftbaseは「Dynamic collaboration for dynamic shifts(コラボレーションを促進し、社会に飛躍的な変化を生む)」をミッションに、web3領域に特化した技術主導のビジネス開発チームです。web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」を主軸に、手を動かし未来をかたちづくる人たちのコラボレーションを促進するための持続可能なエコシステムの構築を目指しています。当社は、Polygon、Polygon Studios、NEAR、ASTAR Network、HashHub、Fracton Venturesとオフィシャルパートナーシップを締結し、アーティストのスプツニ子!、ソフトウェアウェレット「MetaMask」創業者のkumavisにアドバイザーとしてご参加いただいています。


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web3エンジニアコミュニティ「UNCHAIN」とは

UNCHAINとは、スマートコントラクトの開発やdAppsの構築など、プロジェクト開発を通してweb3を学び、実践経験を積みながらアイデアを形にする力を身につけるエンジニアのためのコミュニティです。現在、Astar Network、Ethereumをはじめとした 7つのパブリックチェーンに関する学習コンテンツを24件提供しています。ユーザーはアカウントを作成するだけでweb3関連の最新技術を学べる学習コンテンツに無料でアクセスすることができます。現在、1,500名以上のUNCHAINメンバーがわたしたちのDiscordコミュニティで技術を学び合っています。


web3開発助成金プログラム「進捗2Earn」とは

プログラムの目的は、個人の金銭的なリスクをゼロにして、世の中に”挑戦者”を増やすこと。参加者への助成金配布方法は当社が独自に開発した「進捗2Earn」方式を採択し、6段階の審査基準を満たしたチームは累計200万円の助成金を獲得することができます。また、助成金は日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」を活用することで、審査基準を満たした本プログラム参加者へと即時給付するスキームを構築します。開催期間は、2023年2月13日(月)から9月16日(土)です。


関連リンク

UNCHAIN:https://unchain.tech/
コーポレートURL:https://www.shiftbase.xyz/
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