見出し画像

パートナーの転職にどこまで口出しするか問題

パートナーに「転職しようと思う」と言われたら「いいんじゃない?」くらいしかわたしには言いようがないのだが。

世の中には「嫁ブロック」という言葉がある。

主に、夫が安定した大企業からスタートアップなどに転職する、あるいは自らが起業するなど、チャレンジングな場面で用いられる。その背景にあるのは、所得が下がる可能性がある(もしくは確実に下がる)という経済的理由である場合が多い。

要するに、「ちょっと!アンタが転職して今より給料下がったら、暮らしレベル下げなきゃならなくなっちゃうじゃない」というわけですね。

場合によっては「某社に勤めていたアナタに価値を見出していたのに…」という、勤めている会社自体が本人のブランド価値になっていることもある。

職業が価値を担う例は、ふた昔前は医者とスッチー、ひと昔前は野球選手と女子アナみたいな。庶民はそこまでではないにしても、10年くらい前は電通マンとかもちやほやされてたよね。聞いてもないのに名刺出してきて「いや俺電通なんだけど…」ってドヤられても「は?電気屋さん?」って感じでしたね。知ってるけどね。知らんぷりするよね。銀座で、なんか偉そうでしたね。(個人的な経験による偏見)


ネームバリューや収入が本人そのものの価値を凌駕してしまうというのは、まあなんとも悲しい話ではある。件の電通マンみたいに、それが自分の価値だと納得して胸張ってるのならそれでいいんだけど。

とはいえ元々は憧れて、目指して頑張って手に入れたであろうそのポジション。いつしかそれにがんじがらめになってしまう。そこを終のすみかとするのなら満足でしょうが、人間は変化する生き物。結婚10年目にして銀行員が突然「俺、来月からベンチャー行くわ!」なんて言われた日には、まあびっくりするけどね。


わたしは仕事とアイデンティティがニアリーイコールタイプなので、むしろ漫然と会社員をされるよりチャレンジしようという方が「人生、満喫してるね!」と感じるけれども。

わたし自身、謎の職歴を経て謎の今があり、今後もどうなるかわからないという働き方をしている。それでも、もっといろんなことをやっておけばよかったとすら思う。前の会社には10年も居てしまったのだが、もちろん学ぶことも多かったけど、今思うと流石に長すぎたな、と思ってちょっと後悔している。

そういう価値観のわたしが、パートナーの仕事に関してだけ手のひら返しをすることは、やっぱりないよなあ、と思うわけです。


もちろん、決して一つの会社に勤め上げるという働き方を否定しているわけではなく、その人ごとの働き方・生き方があるのだから、自分を偽ってないならそれでいいと思う。

さらに、生活のためだから仕事なんてなんだっていいんだよ、という価値観もある。それだって、本人が気持ちを偽ってなければ、それでいい。本当はやりたいことがあるけどやれない、というのはやはりいろいろ残念だ。


未曾有のコロナ禍で『安定した大企業勤め』すら足元が揺らぎ始めた今年。

こんな状況だからこそ、今の仕事環境を守るという判断もあるし、思い切って別の世界へチェンジする、という判断もある。どちらもあり。何が正解かは誰にもわからない。というか、正解はたぶんない。

だからこそ、耐震よりも免震、じゃないけど、揺れても気持ちが割れない、崩れないように、柔軟に構えていたいもんだなと思う。

もしもサポートいただけましたら、私もまた他のどなたかをサポートしてサポートの数珠つなぎをしていく所存です!!