シフティングの原理(2)

2. 時間と空間の枠を外す

 一番大きな「意識の枠」は時間と空間の枠です。例えば、未来は分からないというのも意識の枠の一つです。この時間の枠を外すワークをタイムシフトと呼んでいます。ワークは、具体的には二人で対話する形式で行い、ひとりが質問し、もうひとりが未来の意識になって答える形となります。

 質問する側が最初に誘導します。例えば「イメージでカレンダーをめくり、その時点の自分ですと強く心に念じてください」と言って、相手の意識を未来の意識に変える訳です。誘導の言葉は特にこだわる必要がなく、また催眠のような手順も要りません。あとで少し説明させていただく、対話のコツみたいなことが必要なだけです。

 そして、相手にその未来の時の状況を聞いてみてください。頭で考えすぎる人は答えが出にくいのですが、そうでなければ、場合によってはスラスラと答えてくれます。

 例えば、レストランを経営している女性から相談を受けた時ですが、半年後の意識になって色々と聞いてみました。そうすると、半年後には少し経営状態が良くなっていること、そのきっかけは従業員が変わったことなどが分かってきました。

 1年ぐらい先の意識になってもらい、何ヶ月前(現在からしたら未来)にどうなったという形で情報を引き出すと、結構その通りになっているケースもあります。

 自分の思い込みかもと思われる方も多いのですが、自分の思い込みも未来を決める重要な要因であり、あまり区別する必要はないと私は考えています。そして、時には自分の思い込みとは思えないような答えが返って来ることもあります。

 大阪で面白いケースがありました。ご主人が会社に辞表を出したらしく、どうなるだろうかという相談です。来年の意識になって答えていただくと、ご主人が会社を辞められていないと言われて本人がびっくりされていましたが、それ以上に驚いたのは聞いていたこちらの方です。このように、自分の思い込みとは違う答えが返ってくることもあるので、一概に思い込みとは言えないと思います。

 もちろん、未来のことなのでその通りになるかどうかは分かりません。多くの人が関与する話であればある程、未来は不確定になります。しかし、大切なことは何がきっかけになるかとか、どういうタイミングでどうなるかとかいう参考情報がもたらされることなのです。そういう情報があると、精神的な余裕が出てきます。

 タイムシフトというのは、意識が時間を超えていることを体験するワークであり、手法なのです。

 次にエリアシフトです。エリアシフトは場所というより、あなたと私が分離しているという概念を外します。通常、私たちは、私とあなたは別の人間だと思っています。同じ人間だと思ったらどういうことが起こるかを考えたことがありません。そこで、一番分かりやすいセールスみたいに商品説明などをしていただくワークをしています。

 日本の合気道という武道があります。その合気道の中に、相手と気を合わせるという「合気」という概念がありますが、それを言葉で行うようなワークです。ですから、「心の合気道」とも私は呼んでいます。

 最初は普通に商品説明をします。そして、次に相手と一体化する感じで商品説明をします。そうすると、ビフォーとアフターで、説明する方にも説明される方にも大きな変化が起こります。相手と一体化するのが難しい人には、相手の喜ぶ顔をイメージしながら説明するようにしていただています。

 どのような変化が起こるのか。まず、ビフォーでは機能説明が中心になり、説明が長くなります。それに対して、アフターでは楽しさや嬉しさの説明が中心になり、説明が短くなります。そして、アフターの方が相手の抵抗感が、かなり低減されます。

 なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。それは、相手と自分が違うという無意識的な認識があるため、他人に説明する時に、無意識的な壁を作ってしまうのです。このワークはそれに気付き、壁を作りにくいコミュニケーションを訓練するものなのです。

 ワークの中では、相手の心を動かすだけでなく、相手の身体を動かす「合気」も体験していただきます。もちろん、私は合気道の専門家ではありませんので、高度な技を使える訳ではなく、さわり程度のものですが、多くの方にその違いを経験していただいています。

 この方法は、意識の枠を外すだけでなく、実際のセールスや社内コミュニケーション、家庭内コミュニケーションにも使えます。使えるというより、自分の意識が相手に影響を与えていることに気付くことにより、コミュニケーションが変わるという感じかも知れません。

 セールスであれば商品説明やサービスの説明、社内コミュニケーションであれば、上司から部下への指示や部下から上司への報告、他の部門との交渉とかにも使えるかも知れません。また、サービス的な仕事にも使えます。

 ある程度、人間関係が出来ていないとできないワークですが、クレームを聞くというものがあります。ビフォーでは普通にクレームを聞き、アフターでは聞く方が相手の笑顔をイメージしながらクレームを聞きます。ロールプレイング的なワーウなので本気で怒ってないという状況ではありますが、途中でクレーマー役の人間がクレームを言えなくなったり、笑い出してしまったりします。こういうことを体験すると、心に余裕が出てくると思います。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

4

金子浩一

各種研究&レポート

ビジネスからスピリチュアルまで幅広い範囲の研究やレポートです。 有料コンテンツがメインです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。