言霊の意味

(1)言霊とは

精神世界、特に神道に興味をお持ちの方は一度は、『言霊』(ことだま)なる言葉をお聞きになったことがあると思います。『言霊』すなわち、『言葉にやどる不思議な力』のことです。日本は古来より『言霊の幸ふ国』として、この言葉にやどる不思議な力を重視してきました。

神道の巨人、出口王仁三郎は『言霊』の力を使って、雨を降らしたりしていますし、役の行者や密教の空海も呪文を使って様々な奇跡を行っています。また、合気道の創始者である植芝盛平翁が出口王仁三郎のところにいた時期に言霊で岩を動かしたという逸話が残っています。植芝盛平翁が巨大な岩を動かそうとして動かせずにいた時、王仁三郎が、『そういう時は、ウの言霊をつかうんや』とアドバイスをして岩が動いた、という話でもあります。このように宗教家だけでなく、日本では古来から色々な人が言霊を活用してきたようです。

また神道のみならず世界中に、インドの『オーム』やキリスト教の『アーメン』など、聖なる言葉、『力を持つ言葉』に関する伝説が残っています。アラビアンナイトの『開けゴマ』、真言密教における各種真言など、これらの例には枚挙に暇がありません。

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