シフティングを深める(5)

 5. 宗教とシフティング

 ディファインシフトでは言葉や概念をシフトさせます。そして、ワークやツールという形ではありませんが、人というものの概念をシフトさせることは、いわゆる宗教というものと密接に関わっています。宗教を個別に研究するものは存在しても、複数の宗教を比較して考えることは少ないと思いますが、私なりの視点でいうと、そこに大きく2つの流れがあると思っています。

 ひとつは内なる神とか神性、仏性、真我と呼ばれるものにフォーカスするもの、そしてもうひとつはそうではない個性というか自我とかエゴとか呼ばれるものにフォーカスするものです。キリスト教をはじめ西洋的な神秘思想には前者のものが、仏教を初め東洋的な思想には後者のものが多いように私は感じています。さらに言えば、中国の道教とか日本の神道とかではエネルギーが宗教の中心であり、マインド的な2つの部分とエネルギーを加えると3層構造になっていると考えられます。

 ディファインシフトで人間をこの3つの部分を持つ存在であると認識することが、宗教的なアプローチに関していえば、とても大切です。なぜならこの3つのどれかひとつだけにフォーカスしても、不完全だからです。内なる神性というか仏教とか呼ばれるものにフォーカスしたら何が起きるかというと、人間の行動は過ちとか神性がすることとは思えないことが多数存在しますので、顕在意識でそう思い込もうとしても、潜在意識がそう認めることができず、内なる神性があるということを否定し出します。かといって、個性だけにフォーカスしだすと、人間のカルマとか業を消すことに専念しすぎて、肝心の内なる神性にはいつまでたってもたどり着けません。エンドレスに心の掃除に明け暮れてしまいます。

 また、エネルギーにフォーカスだけすると現実世界的にはかなり有効なのですが、内なる神性にたどりつくこともなく、個我やエゴの問題を処理することもできません。このように人間というものは3つのものがあるという認識をきちんともたないと、どの宗教のアプローチをとっても適切な形にならないのです。宗教との関係でいうと、人間という定義を意識の中でシフトさせることはとても大切な話だと私は考えています。

 ということで、少し既存の宗教の認識を見てみましょう。まずはキリストの教えです。キリスト教というと、聖書にみるキリストの教えからかなりかけ離れている面があるので、あえてキリストの教えと書いておきます。イエスはローマの支配下にあるユダヤに生まれました。そのころユダヤは、ローマの支配下にあるとともに、ユダヤの指導者層の支配下にもありました。ユダヤの宗教的支配者達は、パリサイ人と呼ばれ、厳格な掟で民を支配していました。

 イエスの宗教改革はこの関係を変えるところから始まりました。イエスは、神を契約主ではなく、お父さんみたいな存在とし、愛情に満ちた存在だと説きました。また、複雑な律法をシンプルに二つにまとめました。彼自身が『主なる神を愛せよ、隣人を愛せよ』という教えに全てがかかっていると語っています。さらに彼は自分だけでなく全ての人間が神の子であるという言い方をしており、人間の定義のひとつである内なる神性の部分を主にして教えを説いていたのだと私は考えています。

 次にブッダの教えです。仏教もブッダの教えからかけ離れているので、阿含経にみられるブッダの教えからみてみたいとおもいます。このブッダが悟った教え、すなわち仏教の元になった考えは、存在論に近いものでした。何が人の苦しみの元になるのか、それは変化するものに執着することにある、それでは、変化するものに執着することをやめれば良い、そう考えたら悟ることができる、これを、三法印といいます。すなわち、人間の個我の部分にフォーカスしている訳です。この思想を発展させ、ブッダは更に八正道や中道という思想を説きましたが、原点は、苦しみの存在は何かという哲学だったのです。

 あと神道もみてみましょう。神道にも様々な宗派がありますが、神道の基本は、シンプルに『穢れを払い、清める』に集約できるのではないかと私は考えています。もちろん国家神道や日本の古い宗教形態である古神道など分類すればきりがありませんが、本質はエネルギーのコントロールに集約されると私は考えています。穢れとは、気枯れ、すなわちエネルギー不足であり、穢れを払うとはエネルギーの不足を補うことであり、清めとは、気良めすなわちエネルギーを良くすることであり、自然も人も気=エネルギー的な存在だと認識していたものと思われます。

 このように3つの構成要素に対応するそれぞれ宗教をみてきましたが、シフティングではこの3つの要素を全て認識することが大切だと考えています。

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金子浩一

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