アーバンスポーツは、eスポーツの手本となるのか。
東京オリンピックが閉幕し、あのときの話題も落ち着いたきました。
東京大会では新種目が注目され、また日本が強いため、メダリストを排出した競技としても注目されました。スケートボードやバスケットボールの3on3、BMXのフリースタイル、スポーツクライミング。
これらは、アーバンスポーツと呼ばれ、従来の屋外スポーツに比べて、土地が狭い都市部(アーバン)においてもできるスポーツという意味です。
スポーツといての発祥はいづれも最近のものであるのが特徴です。
アーバン”スポーツ”と呼ばれるまでに至った経緯をみることで、eスポーツに活かせることはないかというのが、今回のメインテーマです。
アーバンスポーツの意味的には、サーフィンを含むかどうかは微妙な話ですが、今回はサーフィンも含めてのお話です。
アーバンスポーツのイメージって?
アーバンスポーツのイメージというと、この言葉ではなかなかイメージしにくいと思いますが、
スケートボードやバスケットボールの3on3、BMXのフリースタイル
という風に具体的に挙げてみるとどうでしょうか?
おそらくは、
若者のスポーツのイメージが強くないでしょうか。
意図的に、スポーツクライミングを外しましたが、それを含めても若者のスポーツという印象は変わらないと思います。
(認知度系のデータが示せればよかったのですが、出てきませんでした。)
ただ、同時に日本に限っていえば、いいイメージがないこともまた事実です。
特に、スケートボードについては迷惑行為の方が目立ってしまっていることも事実です。
オリンピックに採用された理由
そして、今回そんな”若者のスポーツ”がオリンピックに採用されました。
なぜ採用されたのか。
上の記事での内容を引用すると、
IOCとしても若者を取り入れたい上に、大規模化していくオリンピックにおいてコンパクトで済ませたい。
その点が採用理由の一つでした。
その意味では間違いありません。もちろん、各種スポーツの協会が熱心に売り込んだ成果とも言えますが、ある意味IOCの利点と一致したという”政治的な理由”もあるため、一概に”人気だから採用された”わけではありません。
結果的に、オリンピックに採用されたことで、注目を集めたことやイメージが変わったこと、
そして、世間的にも”スポーツ”として認められたことには間違いありません。
この意味では、eスポーツは”スポーツ”と認められているわけではありません。
サーフィン以外のアーバンスポーツも正直、オリンピック採用決定前に、”スポーツ”としての地位を確立していたかは正直怪しいところです。
これは次のパリオリンピックで採用される、ブレイクダンスも同じです。スポーツだから、認められるわけではないのです。
こればかりは、権威のある人間・団体に認められる・お墨付きをもらうということがない限り、人々の意識を変えられないのが現実であり、eスポーツもそれを認めざるを得ないでしょう。
”若者のイメージ”はどこから来ているの?
サーフィン含むアーバンスポーツ、そして次期五輪採用のブレイクダンスにも共通する”若者のイメージ”
これは、どこから来ているのか?
それは、ファッションと一体となっているからではないでしょうか。
スケートボードファッションブランドのランキングサイトがありましたが、
上位はいずれも皆さんがしっているものや見たことあるもの、そしてイメージとして根付いているものではないでしょうか。
サーフィンについても同じです。
2000年前半くらいですが、PIKOやタウンアンドカントリーといったサーフブランドの服が流行っていたのを覚えています。
これらアーバンスポーツは、ファッションなど含めて一つの”文化”を形成していることが特徴なのです。
一つの遊び・スポーツの域を超えて浸透し、文化として”若者のイメージ”・”若者の文化”となっている。
この段階となると、流行り廃りはあってもそう簡単になくなることはありません。だからこそ、そこが認められてオリンピックに採用されたとも言えます。
では、eスポーツは?
eスポーツは、まだ日本では根付いていないと言われています。
スポーツじゃないから。という議論はここでの主題ではありませんし、アーバンスポーツの例をとっても、結局そこは関係ありません。
では、足りていないものとは。
文化のレベルまで昇華されていない点です。
今のeスポーツは、ゲームというスタート地点から
競技化(eスポーツ化)の段階、既存メディア以外でのメディア展開までは進んでいます。
既存メディア以外のメディア展開とは、新聞・雑誌・テレビなどのマスメディア意外の、You Tubeなどの動画配信サービス、SNSでの展開です。
上の動画配信サービス、SNSの展開は、eスポーツが一つ優位に立てる特徴だと思います。ただ、動画・SNSは手段であって、成果物ではないのです。
その点、順当な行き先は、オフライン大会などeスポーツを興行化させ、娯楽・イベントという形での成果物とすることこそ、文化のレベルとして確固たるものにできるのではないでしょうか。
または、生活の一部に組み込まれてしまうことです。
賛否はともかく、遊び場・交流の場としてeスポーツやゲームが組み込まれることというのが、ある種根付く近道とも言えます。
服などのファッション面は、eスポーツとの親和性はあまりありません。
アーバンスポーツはスポーツをするときの服装がファッションとして、一緒に文化として形成されていきましたが、
eスポーツは、その服装部分がメジャースポーツにならったユニフォームデザインな上に、プレイヤーの服装がクローズアップされることがない。その点で親和性がありません。これを無理矢理進めようとするとそれこそ”ゲーミング〜”を量産する自体になるでしょう。
最後に
正直、eスポーツはスポーツ云々の話から、メジャースポーツになるまでの経緯を研究・理解し、それを元にeスポーツはeスポーツが発展していくべきだという考えでした。
ただ、オリンピックでスケートボードでのメダルが続き、私の家の近くでスケートボードをするお兄さんたちがちょっと増え、迷惑行為のため時々警官が巡回する様子を見て、
スケートボードのような今どきのスポーツにこそ、ヒントがあると思ったのがすべての動機です。
スタートもメジャースポーツに比べて最近な上に、日本での悪い印象を考えると習うことも多い。
そして、
スケートボードなどアーバンスポーツがこれから辿る道も、先人の教えてとなってくれることでしょう。
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