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ニッポンのジレンマの観覧から

今日は、広島大学で行われたNHKの新世代討論番組『ニッポンのジレンマの公開収録の観覧に行ってきました!

僕はミーハー的意識高い系なので、学生の頃からニッポンのジレンマや古市憲寿さんが好きでした。

古市さんの代表作の1つ『絶望の国の幸福な若者たち』は、僕が社会学に興味をもつきっかけだったりしました。(僕の世代は、結構そういう方多いんじゃないでしょうか。)


さて、前置きが長くなりそうなので、本題に。

ゲストは広島大学の先生3名(杉川先生、岩本先生、松本先生)に、広島大学卒でWEBデザインなどの仕事をされている東さん。加えて、フロアからもディスカッションに自由に参加できる空席(主に学生が座りました)が2つ用意されていました。

議題としては、「いま、大学って、学問ってナンだ?」というテーマで、「大学とは?」「学問とは?」というところがメインでした。

いま、大学って、学問ってナンだ?
四月は入学の季節。今年度は「情報科学部」が開設される広島大学からスタートする。「ディープラーニング、ビッグデータ、クラウド、フィンテック、IoT、ITイノベーションのもっと先にある未来を創る新しい学部」がその謳い文句。では、「未来を創る学問のあり方」とは?新たな学問分野を切り開くのことの難しさと喜び、そして今、日本の科学研究はどこに向っていくべきか?グローバルかローカルか、大学のあり方への様々な疑問が湧き上がる中で、大学の意義をどこに見出していく?広島大学の研究者、学生、OBたちが日頃感じている大学・学問へのジレンマを持ち寄り、専門・立場をこえて考えます。            (番組HPより)

全体としては、スーパーグローバル大学に類していながらも、ローカルの中でそのバランスを広島大学がどうしていくべきか、みたいなところに学生が大学に物申すという感じで、熱量があった印象です。

ただ、僕が重要だと思ったのは、今回の収録内容が全国放送の番組にも関わらず、総論的なものではなく、「広島大学個別」の議論に発展したという点。

通常では行われることは少ないであろう、大学の方針について学生が大学教員に物申す構図。これは、「番組収録」というクッション材があったからこそ成立しやすかったんじゃなかろうかと。

単純に議論することではなく、議論している姿を発信することがテレビ番組としての名目になるので、「批判する」行為そのものが「解決」ではなく「発信」の意味合いを持ちやすいので、学生も幾分か本音が言いやすかったのではないかと思いました。

最初は使われにくかった空席2つも、学生が入れ代わり立ち代わり積極的に座ろうとしていましたし、フロアから手を挙げて発言する学生もちらほら。

あとは、テレビなので「せっかくだから何か言いたい」「爪痕残したい」的な動機付けが、意見を出しやすくしたのかなぁと。笑

(先生方もそうおっしゃってましたが)大学の経営や自治について学生が教員とディスカッションできる機会って少ないと思うんです。もっと言えば、教員と学生のほかに第三者の目(今回で言えばメディアや聴衆)がいることで、本音で話をしつつも、お互いの言い分を守る議論にはなりにくいところが良かったです。

それぞれの学生が、それぞれの意見を(「その話、さっきまでの話の流れと若干話題違うけど、このタイミングで言っちゃうんだw」みたいなところももちろんありましたが)活発に発言していました。

その中で、「広島大学は陸の孤島」「大学の外に出る人が少ない」「閉鎖的なコミュニティで生活している人が多い」ということを何人かの学生が言っていました。

「ああ、なんかそれは岡山も大体一緒だな」と思いました。

大学が、大学の外とつながる動きは、(少なくとも広島大学や岡山においては)まだまだ一部の人たちに限られているようです。


少し話は変わりますが、広島大学には1年次に必修科目となっている「平和学」という授業があるようです。

広島や長崎では平和学習が充実してますよね。岡山で教育を受けた僕は、平和についてあまり語れないなと単純に思いました。そういう特色ある教育があるのは、それがハブになって地域の人がつながっている感じがして、なんかいいなと思いました。ほんとそれだけですが。

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とまぁ、そんな感じで議論は混沌も帯びつつ、進んでいったわけですが、学生が大学教員が、大学について議論する場が、第三者によって設定されたという文脈で、機会としての価値は大きかったと思いました。

メディアのこういう使い方もあるなぁと、ふと思った次第です。岡山大学でも収録してほしいですねw

あとは、1時間番組で3時間の収録だったんですが、どこが使われて、どこが使われないのか、そんな目線でも楽しめました。笑

放送は2018年4月29日(日) 0:15~1:15【28日(土)深夜】なので、内容そのものはそちらをご覧ください。笑

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