新曲「ガールズバンド・オーバーチュア」について語る腸詰

こんばんは、柵味サラミと申します。

本日18時に新曲を投稿しました。

本当に大切な人を大切にする為には色々なものを犠牲にしなくてはいけないと思って、多くのものを断捨離しました。一年ほど前の話です。

文章を書くこと、バンド、音楽、海外への憧れ、友人関係、人付き合い……大事なものの為には諦めなくてはいけないと思って、できる限り捨てました。

捨てれば捨てるほど大切な人は喜んでくれたし近づいた気がしたけれども、何十年かけて積み上げてきた自分という存在はどんどん消えていっていました。私の要素を捨てて捨てて捨てて今一番大事にしなくてはいけないと思い込んでいたものに全部染めてしまおうとしていました。

結局、どれだけ捨てても私は大切な人の大切な人にはなれなかったようで、最終的には私の手元には何も残りませんでした。つい五月頃のお話です。

空っぽになった私は、私がこれまで大事にしてきたもの、今までの人生で育んできた要素を思い出して再び集めることにしました。

久々に連絡をした友人達は何も変わることなく会って今まで通り一緒に笑ってくれました。

偶然にも海外出張が決まったので英会話教室に通うことにしました。

一年以上前、毎日動画投稿していた子は変わらず動画を投稿していて、その後輩達も毎日生配信を続けていました。その姿にどれ程勇気を与えられたか分かりません。

好きだった人が、ものが、変わらずそこにいてくれるというのがこんなにも安心することだとは思いませんでした。

母に「もうバンドやったり音楽はやらないの?」と言われた時に、「正直そんな気分じゃない」と言ったけれど、奇しくも師匠が機材を一式譲ってくれたので、一人で音楽を作るのも良いかもしれないと思って作詞作曲を始めました。

そのタイミングで、今まで全く続かなくて三日坊主どころか一日体験すらできていなかったギターも習い始めました。

この手にあった大事なものを全部捨ててしまったとしても、私が私である限り、何度だって拾い集めて立ち上がることができる。そうやって思わせてくれた家族や友人達、好きだった趣味達があるということはこんなに幸せなことなのかと思いました。

そんな気持ちで、この曲を初めに作りました。

無邪気に、ただ私の好きな音を好きなように鳴らして、好きな言葉を書いて。一年前の私に届くように、いや、これまで人生で躓いて「もうやってられるか」と思いながらどんどんと卑屈に育ってきた私に届くように。

多くはないけれど、決して成功してるとは言えないけれど、あなたの人生はそんなに悪いものじゃないんだよ、と届けられるように。

一人だけど一人じゃない、私による私の為のロックンロールバンドを始めよう。

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『どこまでもゆける』気がした
振った
色んなものにこの手を振った
偶然
手にしたのはそう、それは偶然
「…ゆくね」
始まりはいつも突然


風景
流れていくのはいつもの風景
「到底届かないの」と諦めたって
いずれ心の底で腐り果てて
決して消せない染みになる

遊覧、遊覧と風まかせ
いつもを重ねた日々
まだ泡沫の街並みを
駆け抜けてゆけ
腐乱、腐乱の夜明け前
昨日の自分を通り抜け
空欄、空欄の朝焼けに
その手を伸ばせ


どこからか聞こえたのは
サイレン 気付けたなら今は軽傷
証明 スポットライトここを照らして
陰影 不規則で歪なNew Days


まだまだ不安、不安のケモノミチ
いつもを蹴飛ばした足
倒れて汚れて傷だらけ
それでも叫べ
腐乱、腐乱の夜明け前
昨日の自分を通り抜け
空欄、空欄の朝焼けに
産声あげて

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