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ナウマン象発掘の地 風景印と記念碑

 北海道幕別町まくべつちょうにある忠類ちゅうるい郵便局の風景印には「ナウマン象発掘の地」と書かれた碑が描かれています。

ナウマンゾウ

 今日ではゾウは日本には生息していませんが、ナウマンゾウは氷河時代に日本・東アジアで生息していたゾウで、30万年前から2万年前まで生息していたと考えられています。体長は4mほどで、現在のゾウより小型でした。

 日本に地質学を導入し、当時帝国大学の教授であったナウマン(Edmund Naumann 1854-1927)が1882年に横須賀で発見した化石が、後に新種のゾウとわかり、ナウマンゾウと名付けられました。学名は Palaeoloxodon naumanni です。

 1969年7月に当時の忠類村での農道工事中にゾウの臼歯とみられるものが偶然発見され、これをきっかけに大規模な発掘調査が翌年行われた結果、全身骨格の7割から8割に当たるナウマンゾウの骨が発掘されました。これは日本初のことです。

 ナウマンゾウの骨は日本の各地で発見されており、野尻湖(長野県)が特に有名ですが、残念ながら風景印にはなっていません。

記念碑の地図

 記念碑は町道脇にあり、近くに鉄道・バスなどはなく車で訪れる必要があります。また、ナウマン象発掘跡地という看板も近くにあり、化石の発掘状況を示す「ナウマン象発掘産状模型」というのもあります。

 忠類ナウマン象記念館が帯広広尾自動車道の忠類インターチェンジ近くにあり、そこから記念碑のあるところまでは車では20分弱です。

碑文

ナウマン象発掘の地
 北海道知事 堂垣内尚弘 書

 台座にも碑文が刻まれており、1972年に建てられましたとありますが、ネットでは全文を確認できなかったため紹介を控えます。

忠類郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1984年(昭和59年)4月16日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。


ナウマンゾウとスキーリフトも描かれています

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