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東京都のここ1週間の年代別新規陽性者数の動向       

東京都のここ1週間の年代別新規陽性者数のグラフです(下図の左)。7日移動平均を自然対数にしてプロットし、直線回帰していますが、傾きが増加率を表していると考えてください。ここ1週間の増加がそれ以前に比べて大きいので解析してみました。データは東京都新型コロナウィルス感染症対策サイトからダウンロードして、解析しています。

20歳代と10歳代の増加が大きく、30歳代、40歳代、50歳代の増加がそれに続きます。これは新たな波を形成するパターンです。ただ今回は、10歳未満の増加は、他の世代に比べると低くとどまっています。

真ん中の小さいグラフは、急速に増加していた年初(1/8〜)のものです。その時に比べるとまだ増加率はかなり低いです。ただ、陽性率が急に上がっているのが懸念材料です(右上の図)。今週から来週にかけて、グラフの傾きがどうなっていくか、注視していきます。年初のような大きな波にはならないことを願っています。

10歳〜50歳代の増加は、行動の増加と基本的な感染防御策の緩みによるものと思われますが、さらにBA.5の増加(現時点で25%程度)が関与しています。免疫を回避しやすいため、ワクチンの感染予防効果が減少していますし、BA.5以前の株に感染した人、例えば、BA.1やBA.2に感染した人でも再感染を起こす可能性があります。

右下の図を見ると、幸いなことにまだ重症者は少ないですね。オミクロン株の軽症化を反映していると思いますが、患者数が増加すると重症者も増えるので注意は必要です。

最近政府はワクチンに対して消極的ですが、これが今回の波にどう影響するか、懸念しています。年初のオミクロン株による波では、1ヵ月ワクチンが遅れ、ウイルスが弱くなったにもかかわらず、デルタ株流行期以上の死者の増加を許してしまいました。今回も同じような失敗をしないか、少し心配しています。

後遺症に関しては、オミクロン株の方が少ないのではないかというデータが少しずつ出始めていますが、それでも決して少ないとは言えません。強い行動抑制は要らないと思いますが、行動抑制の解除とワクチン接種+基本的な感染防止策はセットだと思います。また年代別のメリハリのある政策も必要でしょう。

最近は参議院選挙中だからでしょうか、政府からの情報発信も少ないですし、政策も中途半端なように思われます。欧米のデータからBA.5などの変異株が流行し、また患者が増加することはわかっていたはずですが・・

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